Julián Aguirreのピアノ曲リスト
1887
?
- Intimas, Op. 2 親密に、作品2
- Appassionato
- Andantino
1888
1890-1892?
1892
1893
- Cinco mazurcas 5つのマズルカ
- Romanza ロマンス
1897
- Aires populares argentinos アルゼンチン民謡集
- Moderato
- Moderato
- Moderato
1898
- Aires nacionales argentinos, 1er Cuaderno, 5 tristes, Op. 17 アルゼンチンの歌第1巻「5つのトリステス」、作品17
- Triste Nº 1 (Jujuy), Moderato
- Triste Nº 2, Moderato
- Triste Nº 3, Allegretto
- Triste Nº 4 (Córdoba), Lento
- Triste Nº 5 (Córdoba), Andante moderato
- Menuet ...l'antique メヌエット‥‥古風に
- Reiselbider. Cuadros de viaje 1 y 2 旅の光景1、2番
antes de 1900
1901
1915?
- Aires nacionales argentinos, 2º Cuaderno, 5 canciones, Op. 36 アルゼンチンの歌第2巻「5つのカンシオネス」、作品36
- Canción Nº 1, Moderato
- Canción Nº 2, Moderato ed espressivo
- Canción Nº 3, Molto lento - Adagio
- Canción Nº 4, Andantino con moto
- Canción Nº 5, Moderato (Vidalita)
1917?
- Bailecitos 1 y 2 バイレシートス1、2番
- Canciones indias 1 y 2 インディオの歌1、2番
- Canciones populares 7 y 8 民謡7、8番
- El grito, Bailecito 叫び、バイレシート
- Escondido 隠れんぼう
- Zamba, Danza nacional argentina, Op. 40 サンバ、アルゼンチンの民族舞曲、作品40
- Huella, Canción argentina, Op. 49 ウエジャ、アルゼンチンの歌、作品49
1918
- Canción india Nº 3 インディオの歌3番
- Evocaciones indias インディオの想起
- Gato ガト
作曲年代不詳
- Aires criollos クリオ-ジョ民謡集
- Andante moderato
- Allegretto
- .
- Apolo アポロ
- Canción 歌
- Canción en el modo indio インディオの旋法による歌
- Canción Nº 1 歌第1番
- Canción Nº 6 歌第6番
- Cuentos a Ninon ニノンへのお話
- Estudio en Si bemol 練習曲変ロ長調
- Idilio 牧歌
- Rapsodia española スペイン狂詩曲
- Santiagueña サンチアゲーニャ
- Zortico ソルチーコ
Julián Aguirreのピアノ曲の解説
1887
?
- Intimas, Op. 2 親密に、作品2
第1番Appassionatoは変イ長調、3/4拍子。シューマン風の後打ちの伴奏にのって抒情的な旋律が奏される。一応A-B-A' 形式で、羽が生えたように目まぐるしく転調し、A' は変ホ長調になる。第2番Andantinoはイ長調、2/2拍子。これもシューマン風の流れるような曲で3部形式。中間部は息の長い旋律だ。
- Appassionato
- Andantino
1888
1890-1892?
- Barcarola, Op. 19 舟歌、作品19
ハ長調、三部形式。初めのオクターブの旋律は優雅で、中間部は右手16分音符の動きが水面のさざ波のよう。強弱記号は(前奏を除けば)pかppのみで、羽で触るような柔らかいタッチでピアノを弾きたい曲である。1892
- Loin 遠くに
ト短調、三部形式。ぽつぽつと語りかけるような静かな曲。中間部はト長調になる。- Soubrette 小間使い
変ホ長調、A-B-C-A-B形式。メヌエット風の曲。冒頭のリズムはエンリケ・グラナドスのピアノ曲《スペイン舞曲集》の第6番〈ロンダーリャ・アラゴネーサ〉に似ている。中間部は楽譜にミュゼットと記されていて、ハ短調の可憐な調べが現れる。1897
- Aires populares argentinos アルゼンチン民謡集
この組曲は和音が比較的単純で簡単な作り。1番はヘ長調、3部形式。快活に歌うような曲。2番はヘ長調でゆっくりと歌うような曲で、後半は跳ねるような旋律に。3番はト長調で元気に踊るような曲。
- Moderato
- Moderato
- Moderato
1898
- Aires nacionales argentinos, 1er Cuaderno, 5 tristes, Op. 17 アルゼンチンの歌第1巻「5つのトリステス」、作品17
フリアン・アギーレの作品の中で最も知られている組曲である。5曲とも旋律はアルゼンチン北部の素朴なフォルクローレを思わせ、また和声も少ない音ながら一音一音が趣き深い響きとなっていて、彼の代表作に相応しい。「トリステス(悲歌)」のタイトル通りの物悲しい雰囲気の組曲。
- Triste Nº 1 (Jujuy), Moderato
フフイ州はアルゼンチン最北部、ボリビアとの国境にある。ト短調、A-B-A-B-A'形式。旋律のミ音は♮なのでソのドリア旋法なのがいい雰囲気。ビダーラのリズムにのって4小節または2小節単位の物悲しい旋律がp~pp、またはmf~pと音量を変えて繰り返されるのが、こだまのような効果を出している。- Triste Nº 2, Moderato
ヘ短調。嘆くような旋律が繰り返し奏される。- Triste Nº 3, Allegretto
イ短調、前奏-A-B-A-B'-後奏の形式。即興のようなオクターブの前奏に引き続き、(改訂譜で)「ギターの低音弦を模して imitando el bordoneo de la guitarra」と楽譜に記された左手の6/8拍子の伴奏にのって、2/4拍子(即ちヘミオラ)の寂しげな旋律が歌われる。Bは感情を吐露するような切ない旋律だ。最後に再びオクターブで後奏が弾かれる。- Triste Nº 4 (Córdoba), Lento
コルドバ Córdoba はアルゼンチン中部の都市で、1613年にはアルゼンチン初の大学が誕生した古都である。変ロ長調、A-B-A'形式。子守歌のような静かな曲で、長調の旋律ながら臨時記号♭の多用がちょっと物悲しい雰囲気を醸し出しているのが何とも切なく美しい。フリアン・アギーレの作品の中でも、私はこの曲が一番好きです。- Triste Nº 5 (Córdoba), Andante moderato
この曲もコルドバの副題が付く。ハ短調、A-A-コーダの形式。6/8拍子でギターのストロークのような伴奏にのった悲しい曲。1900年以前
1901
1915?
- Aires nacionales argentinos, 2º Cuaderno, 5 canciones, Op. 36 アルゼンチンの歌第2巻「5つのカンシオネス」、作品36
この組曲は控えめながら、アルゼンチンの田舎の光景が目に浮かぶような作品である。1番は変イ長調。活発だがppの前奏、後奏に挟まれて朗々とした旋律が歌われる。2番はニ長調で静かな3連符のゆったりした旋律の曲。3番はイ短調。楽譜の下には「この曲の旋律は "quena(ケーナ)" の音階で書かれた、ラ-ド-レ-ミ-ソ-ラ-ド」と記されている通り、アンデス地方のフォルクローレを思わせる曲。重々しい響きのペンタトニックの旋律が、2小節づつの繰り返しでこだまのように奏される。4番はヘ短調、3部形式。冒頭はアルペジオの伴奏にのって流暢な旋律が歌われる。中間部は物悲しいレチタティーボ風。5番はVidalitaと題された歌詞付きの曲。詩はEdmundo Montagneによる。ヘ短調。
- Canción Nº 1, Moderato
- Canción Nº 2, Moderato ed espressivo
- Canción Nº 3, Molto lento - Adagio
- Canción Nº 4, Andantino con moto
- Canción Nº 5, Moderato (Vidalita)
1917?
- El grito, Bailecito 叫び、バイレシート
ニ長調。バイレシートとは3拍子と2拍子の混合拍子の舞曲で、ボリビア東部からアルゼンチン北部あたりが発祥。バイレシートは一般的に短調の暗い曲が多いが、この曲は速めの6/8拍子で明るい雰囲気。アンデス地帯の踊りの多くでは、曲の要所々々で「叫び」というか威勢のよいかけ声(バイレシートの場合、Primerito !、Adentro !、A la vuelta !とか)が入るので、この曲名が "El grito" なのかな?。- Zamba, Danza nacional argentina, Op. 40 サンバ、アルゼンチンの民族舞曲、作品40
サンバ zamba はアルゼンチンの民族舞曲の一つで、ブラジルのサンバ samba とは全く異なります。遅いテンポで、渋い曲に多いアルゼンチンのリズム。フリアン・アギーレのZambaはイ短調で悲しい旋律の短い曲。- Huella, Canción argentina, Op. 49 ウエジャ、アルゼンチンの歌、作品49
楽譜には "A Arthur Rubinstein" とある。フリアン・アギーレはルービンシュタインに会ったことがあるのだろうか?。フリアン・アギーレのピアノ曲の中では和音をガンガン鳴らす曲だ。Huellaは「轍」という意味で、アルゼンチン中南部・パンパ地方のペアで踊る舞曲である。2拍子と3拍子が頻繁に入れ替わるのがおもしろい曲。
1918
- Canción india Nº 3 インディオの歌3番
A-B-A'形式。ビダーラのリズムによる伴奏にのって陰うつな旋律が奏されが、調がニ短調~ニ長調を揺れ動くのが独特の響きである。中間部Bでは、同じモチーフが変イ長調~ヘ長調と転調してこだまのように繰り返されるが面白い効果である。フリアン・アギーレの和音は19世紀ロマン派ーと思っていたら、晩年は以外と斬新な作曲技法へと進化しているのを発見した感じである。- Gato ガト
Gatoはアルゼンチンで有名な舞曲の一つ。Gatoは英語のCatにあたり、踊りの仕草が猫の手招きににていることからこの名前が付いたと。ト長調の活き活きとしたした楽しい曲で、右手の三連符と左手の八分音符のヘミオラがおもしろい。
Gato、1~9小節、Ricordi Americana.より引用作曲年代不詳
- Aires criollos クリオ-ジョ民謡集
1番は変イ長調、2番は変ロ長調、3番はヘ長調。3曲ともミロンガのリズムで和音はI度とV7度の繰り返しのみという単純な構成。浮き立つような楽しいミロンガのリズムと旋律の変奏で聞かせる。
- Andante moderato
- Allegretto
- .
- Canción 歌
ニ長調、A-B形式。前半はアルゼンチンのクエッカのリズムにのった踊りの雰囲気。後半はギターのアルペジオを思わせる伴奏にのっておおらかな旋律がオクターブで奏される。- Canción en el modo indio インディオの旋法による歌
イ短調。沈みこむような暗い旋律の曲。- Canción Nº 1 歌第1番
ニ長調。左手、右手共に単音から成る素朴な曲。- Cuentos a Ninon ニノンへのお話
嬰ヘ短調。物悲しい抒情的な旋律の歌。- Idilio 牧歌
ト短調。寂し気な前奏に引き続き、楽譜に"TEMPO DI BARCAROLA"と記されている通り、物悲しい舟歌が奏される。- Zortico ソルチーコ
変ニ長調、3部形式。 ソルチーコはスペイン・バスク地方の民族舞踊で5拍子なのが特徴的。この曲は高音部でオルゴールのような調べ。