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Sylvio Deolindo Fróesについて

 シルヴィオ・デオリンド・フローエス Sylvio Deolindo Fróes は1864年10月26日、バイーア州サルヴァドールに生まれた。彼の父は法律家で、また母はドイツ出身でパリ音楽院で学んだ歌手・音楽教師であった。シルヴィオは4歳より母からピアノを習い、9歳頃には《メロディー、天使達の音楽》というピアノ曲を作っている。1880年、ブラジルを代表する作曲家カルロス・ゴメスがサルヴァドールを訪れた際、シルヴィオ・デオリンド・フローエスはゴメスの面前でゴメスのオペラ《グアラニー族》をモチーフとした即興演奏を披露し、ゴメスから賞賛を受けている。1882年にリオデジャネイロ工科大学に入学し学ぶが、音楽の勉強も続けた。

 1888年、フローエスはパリに渡り、オルガン奏者・作曲家のシャルル=マリー・ヴィドールに師事し、オルガンや作曲法、対位法などを学んだ。また彼はパリのサン=シュルピス教会のオルガニストを務め、またサル・プレイエルでリサイタルを催した。その後、ドイツのライプツィヒとカールスルーエに滞在して指揮者・作曲家のフェリックス・モットルに師事した。

 1898年にブラジルに帰国すると、その前年に設立されたばかりのバイーア音楽院の院長に就任した。1901年から1904年まで再びフランスに滞在してリサイタルを催したが、帰国後はバイーア音楽院の院長に再び就いた。彼の任期中には、1904年に州政府からの音楽院への財政援助がカットされるなどの困難に見舞われたが、彼は院長職を1930年台まで続けた(1917年にバイーア音楽院はバイーア音楽学校 Instituto de Música da Bahia へ改組された)。

 1946年にはブラジル音楽アカデミー会員に選ばれた。

 1948年12月3日にサルヴァドールで亡くなった。葬儀では彼自身が作曲した《葬送行進曲》が演奏された。

 フローエスは生前、息子に「音楽院の仕事の為に作曲する時間が取れない」と語っていたそうだが、数々の作品を残している。ピアノ曲以外の代表作を記すと、交響詩《老人達の思い出 Souvenirs de vieilles gens、作品3》(1888-1889)、歌曲《2つのロマンス Deux romances、作品4》(1893)、《管弦楽六重奏曲嬰へ短調 Sextour en fa# mineur、作品7》(1897)、《ヴァイオリンソナタ、作品8》(1896)、《交響曲変ロ短調、作品15》(1909)、合唱と管弦楽のための《ドナ・サンチャの伝説 Lenda de Dona Sancha、作品16》(1912) などがある。彼はドイツ留学中にワーグナーのオペラに心酔し、自らもオペラの作曲にも取りかかっていたが、未完成に終わった。

 フローエスのピアノ曲は、《熱帯の風景集、第3集》の第3曲〈黒人の踊り〉でアフロ=ブラジル音楽が認められるのを除けば、ブラジル風味な作品は見られない。作曲家としての彼にはブラジル民族主義という意識が殆どなかったのであろう。一方、後期ロマン派の作曲家として見ればなかなか優れた作曲法で、また音楽は単なる風景や人物描写ではなくその奥の霊感を音にしたような作品揃いである。

 

Sylvio Deolindo Fróesのピアノ曲リストとその解説
 未完または作品の一部のみが残されている手稿譜については、以下のリストに載せませんでした。
 多くの作品の楽譜では出版譜・手稿譜ともに、曲名が二か国語またはそれ以上で併記されています。以下のリストではポルトガル語の曲名に続いて併記された言語での曲名(殆どがフランス語)を括弧内に記しました。

ca. 1874

1888-1889

1890

1890?

1895

1897?

1905

1900-1907

1907-1910?

1910?

作曲年代不詳

 

Sylvio Deolindo Fróesのピアノ曲楽譜

Escola de Música da UFRN (Universidade Federal do Rio Grande do Norte)

Casa Bevilacqua

Carlos Wehrs

Mangione

G. Ricordi

F.M. Geidel, Leipzig

The University society, Inc., New York

斜字は絶版と思われる楽譜

 

Sylvio Deolindo Fróesのピアノ曲CD・LP

星の数は、は是非お薦めのCD、は興味を持たれた人にはお薦めのCD・LP、はどうしてもという人にお薦めのCD・LPです。

Silvio Deolindo Fróes
Sons da Bahia

Graça Reis (voz), Paulo Gondim (pf), Fernando Lopes (pf)*

 

O Piano Brasileiro - Século XIX (2CDs)
Paulus, 001726

CD 1

  • Berceuse, Opus 14 No. 1 (Henrique Oswald)
  • Estudo No. 2 (J. Octaviano)
  • Choro (Barrozo Netto)
  • Corrupio (Francisco Braga)
  • Bavardage, Opus 24 No. 4 (Leopoldo Miguéz)
  • Tango Brasileiro (Ernani Braga)
  • Allegro Appassionato (Alexandry Levy)
  • Prelúdio e Fuga em Ré Menor (Paulino Chaves)
  • Thème et Variations, Opus 28 (Alberto Nepomuceno)

CD 2

  • Introdução e Fuga Sobre a Palavra Independência (Fúrio Franceshini)
  • Bluette (Paulo Florence)
  • Mazurca (Carlos Gomes)
  • Brutto Sogno (Glauco Velasquez)
  • Suíte Antiga, Opus 11 (Prélude, Menuet, Air, Rigaudon) (Alberto Nepomuceno)
  • Variações Sobre um Tema Original (Barrozo Netto)
  • Tango Burlesco (Luiz Levy)
  • Hieroglyfo (Luciano Gallet)
  • Tango Brasileiro (Antônio Leal de Sá Pereira)
  • Impromptu, Opus 19 (Henrique Oswald)
  • Danse Nègre, Opus 19 No. 3 (Sílvio Deolindo Fróes)
  • Prelúdio No. 4 (Fructuoso Viana)

Belkiss Carneiro de Mendonça (pf)

 

Sylvio Deolindo Fróesに関する参考文献