Blas Galindoのピアノ曲リスト
斜字は作曲者自身により作品カタログから削除された曲で、出版されず、また手稿譜も公開されていません。
1935
- La lagartija 小さなトカゲ
- Un loco 変人
1936
- Sombra 影
- Suite No. 2 組曲第2番
- Impresión 印象
- Caricatura de vals ワルツの戯画
- Jalisciense ハリスコ風に
1937
- Preludio 前奏曲
1938
- Llano alegre
1939
- Danzarina, Vals 踊り子、ワルツ
1941
- Fuga en do, a dos partes ニ声のフーガハ長調
1942
- Gavota ガボット
1944
- Allegro para una sonata, Examen ソナタのためのアレグロ(試験曲)
- Preludio para piano, Examen ピアノのための前奏曲(試験曲)
1945
- Arrullo, Version para piano solo 鳩の声、ピアノソロ・バージョン
- Cinco preludios 5つの前奏曲集
- Vivo
- Lento
- Allegretto
- Lento
- Allegro Vivace
- Y ella estaba triste, Preludio そして彼女は悲しんでいた、前奏曲
1952
- Siete piezas 7つの小品集
- Allegro
- Lento
- Lento
- Allegro grazioso
- Lento
- Allegro giocoso
- Vivo
1964-1973
- Piezas infantiles 子どもの小品集
- Cinco mas cinco (1965) 5足す5
- Pieza simple (1973) 単純な小品
- Cancioncita (1973) 小さな歌
- Muy serio (1968) とても真剣に
- El gato mimas (1968) 甘えた猫
- Casi triste (1972) ほとんど悲しく
- Los soldaditos de barro (1964) 粘土の小さな兵隊
- El juguete roto (1973) 壊れたおもちゃ
- Los muñecos bailan (1969) 踊る人形達
- Pequeña fantasía (1973) 小さな幻想
- Movimiento perpetuo (1972) 無窮動
1976
- Sonata ソナタ
- Allegro
- Lento
- Andantino spiritoso
1987
- Preludio No. VI 前奏曲第6番
Blas Galindoのピアノ曲の解説
1936
- Suite No. 2 組曲第2番 Jaliscienseは6/8拍子の舞曲風に始まる。右手の旋律はト長調だが、左手の伴奏がG-D♯-BだったりG-A♭B♭-Dだったりの不協和音。その割には何故だか明るい響きなのが面白い曲である。途中から7/8拍子になる所は一層躍動的になり、これぞハリスコ州の民族舞踊かな?。
1945
- Cinco preludios 5つの前奏曲集
ブラス・ガリンドがメキシコ国立音楽院の主任教授に就任した頃の作品。教会旋法や無調など、20世紀の作曲家としての腕の良さを示している。
- Vivo
三部形式、ドリア旋法によるスケルツォ風の軽快な曲。- Lento
ミのフリギア旋法で、モチーフがカノンのようにあちこちの音域で繰り返される。重々しく荘厳な響きの曲。- Allegretto
二声の軽快な曲で、多調っぽい。- Lento
2声の旋律がゆっくりと奏される曲で、完全に無調だ。- Allegro Vivace
舞曲風の快活な曲。ト長調で始まり、へ長調、ハ長調と転調し、再びト長調に戻る。1952
- Siete piezas 7つの小品集
ブラス・ガリンドが結婚をした1952年の作で、新妻のErnestinaに献呈された。José Antonio Alcaraz氏の評論によると、"Siete piezas" はブラス・ガリンドの民族主義的作品の代表作であるとのこと。確かに各曲に現れる素朴な旋律は、メキシコ先住民の調べを思わせるような気がしないでもなく、この作品の作曲の経緯を詳しくしりたい所です。
- Allegro
A-B-A'形式。ソのミクソリディア旋法による3/8拍子の流れるような柔らか部分と、中間部Lentoの、2オクターブ離れたユニゾンのシのフリギア旋法による神秘的な響きから成る。- Lento
A-B-A'形式。調号も臨時記号も全く現れず、強いて言えばハ長調だが、fffのG13とF13の和音の力強い響きが特徴的。中間部はAndante moderatoになり軽い響きが対称的だ。- Lento
A-B-A形式。6/8拍子で流れるヘ長調の優しい響きの部分と、中間部Andanteのちょっと無機質な部分が対称的だ。- Allegro grazioso
A-B-A'形式で、子供の遊びのような無邪気な曲だが、最初の12小節は右手がホ長調、左手がハ長調で、その後転調しながらもずっと多調のままが続く。- Lento
二声のフーガで、左手に12音技法による旋律が現れ、引き続き完全五度上で同じ旋律が現れる。後半では冒頭の旋律の反行形も現れる。- Allegro giocoso
A-A-B-A'形式。曲想は子どもの遊びを思わせるようなワルツだが、不協和音が落ち着かない雰囲気。- Vivo
ウアパンゴのリズムと思われる元気な曲だが、これまた複雑な多調の曲。