Alfonso Lengのピアノ曲リスト
1909
- Fantasía quasi Sonata ソナタ風幻想曲
1911
- Lied para piano ピアノのためのリード
1911-1936
- Estudios 練習曲集
- Allegretto (1911)
- Pequeno Rondo (1936)
- Vivace (1918)
- Presto Dramático (1933)
1913-1914?
- Doloras ドローラス
- Dolora Nº 1, Quasi allegretto
- Dolora Nº 2, Andante
- Dolora Nº 3, Larghetto
- Dolora Nº 4, Andante
- Dolora Nº 5, Largo
1919-1932年頃
- Diez preludios 10の前奏曲集
- Allegro (1924)
- Andante (1923)
- Largo (1919)
- Presto (1924)
- Andante (1930)
- - (1932)
- Andante (1932)
- Andante
- Andante
- Allegretto
1927
- Sonata Nº 1 para piano ピアノソナタ第1番
- Energico
- Andante
- Agitato
1928-1932
- Dos Poemas 2つの詩曲
1932
- Canto de invierno 冬の歌
1933
- Presto Dramático ドラマティックなプレスト
1937頃
- Otoñales 秋に
- Largo
- Andantino
1950
- Sonata No. 2 para piano ピアノソナタ第2番
- Allegro con brio
- Andante
- Final
Alfonso Lengのピアノ曲の解説
1913-1914?
- Doloras ドローラス
ドローラ Dolora とは、スペインの詩人ラモン・デ・カンポ アモール Ramón de Campoamor (1817-1901) が自らの詩形の一つに付けた形式名で、アルフォンソ・レングはその形式に倣って音楽詩(一種の無言歌)を作曲したと思われる。5曲から成る組曲だが、正式に楽譜が出版されたのは1〜4番までで、録音も4曲のみが多い。各曲の楽譜の冒頭には、チリの作家・詩人のペドロ・プラド Pedro Prado (1886-1952) による文章の一節が書かれており、文章と音楽のコラボレーションとして作られた作品であろう。これら5曲の《ドローラス》は1920年に、作曲者自身により管弦楽曲にも編曲された。
- Dolora Nº 1, Quasi allegretto
A-A'-A"形式。6/8拍子の流れるような伴奏にのって、半音階を彷徨うような旋律が流れ、嬰ヘ短調とイ長調を揺れ動く曲。最後はピカルディ終止になっている。- Dolora Nº 2, Andante
変イ長調、A-A'-A"形式。シューマンを思わせる抒情的な曲で、ゆったりとした旋律が歌うように奏される。変ロ長調〜変ホ長調〜ハ短調と転調が絶妙な響きで美しい。- Dolora Nº 3, Larghetto
変ホ短調、A-A'形式。静かながら悲痛な旋律がしんみりと歌われる。- Dolora Nº 4, Andante
嬰ハ短調、A-B-A'形式。16分音符のさざ波のような伴奏にのって暗く沈んで行くような旋律が現れる。- Dolora Nº 5, Largo
嬰ヘ短調、A-A'形式。悲しげなコラールが静かに奏される。1919-1932年頃
- Diez preludios 10の前奏曲集
- Allegro (1924)
強いて言えばハ短調、A-A-コーダの形式。8分音符の音形が和音を変えつつ盛り上がっては、また静まっていく。- Andante (1923)
変ロ短調、A-B-C-B-C'-A形式。AとBは感傷的な旋律がポリフォニーで奏される。CとC'は抑え切れない激情が迸るような16分音符がffで奏される。- Largo (1919)
強いて言えば変ホ長調、A-A'形式。属七の和音が静かに鳴る曲。- Presto (1924)
- Andante (1930)
- - (1932)
- Andante (1932)
変ロ短調。上がっては下がる旋律と沈み込んでいくような低音オクターブが悲痛な響の曲。- Andante
- Andante
- Allegretto
1927
- Sonata Nº 1 para piano ピアノソナタ第1番
第1楽章Energicoは、第1主題の3連符のモチーフと16分音符のモチーフが騒がしく現れる。続いて第2主題は静かで虚ろな響きの旋律が現れる。展開部は主に第1主題が変形しつつ破壊的に奏され、明らかな再現部を欠いたまま終わる。第2楽章Andanteは、前半は4声のコラール風の音楽が流れ、後半は4分音符オクターブのモチーフと上下する3連符が荒波のように奏される。第3楽章Agitatoはこの楽章のみ調性が感じられて変ホ短調、A-B-A形式。6/8拍子の左手アルペジオ伴奏にのって、4拍子のヘミオラの旋律が切々と奏される。
- Energico
- Andante
- Agitato
1937頃
- Otoñales 秋に
2曲共、枯葉が舞うような哀愁漂う雰囲気を多少は醸し出しているが、音はほぼ無調で作られていて、一層寒々しい感じの小品である。第1曲LargoはA-B-A形式。物思いな旋律に断片的な3連符がまとわりつくのは枯葉が落ちるよう。中間部Bは両手の16分音符や3連8分音符が激情的に通り過ぎ、また冒頭の物思いな主題が再現される。第2曲AndantinoはA-A'-A"形式。静かで陰うつな旋律が展開するのが繰り返される。
- Largo
- Andantino
1950
- Sonata No. 2 para piano ピアノソナタ第2番
アルフォンソ・レングの現代音楽家としての一面を示している作品。全曲ほぼ無調で、正直言って難解です。第1楽章Allegro con brioは、まず鋭い16分音符のユニゾンと多調の和音が交互に現れる第1主題が奏される。ほぼ無調で、左手和音とユニゾン旋律で十二音を作っている所もある。続いて左手オスティナート十度和音の2分音符にのった陰鬱な旋律の第2主題が現れる。展開部は2つの主題が緩急入り乱れて奏され、再現部を欠いたまま終る。第2楽章AndanteはA-B-C-B-A'形式、多調の和音が静かに鳴り、神秘的な雰囲気。第3楽章FinalはA-B-A'-B'-A"形式、3連符混じりの攻撃的な部分と静かな部分が交互に現れる。
- Allegro con brio
- Andante
- Final