João de Souza Limaのピアノ曲リスト
1914
- Canção infantil (Berceuse) 子どもの歌(子守歌)
- Charmante, Valse 魅力的な、ワルツ
- Então, té logo, Tango brasileiro じゃ、またね、タンゴ・ブラジレイロ
1918?
1927
1933
1939
- Suíte infantil 子どもの組曲
- Fanfarra - Introdução ファンファーレー序曲
- Peraltagem - Capricho いたずらっ子ー奇想曲
- Na gangorra - Berceuse シーソーー子守歌
- Alta virtuosidade - Estudo ヴィルトゥオーゾ的にー練習曲
- Reinação - Tema e variações いたずらー主題と変奏
- Fanfarra - Final ファンファーレー終曲
1940
1947
1954
- Prelúdios 1.ª série 前奏曲集第1巻
- Rápido e alegre
- Humoristicamente
- Triste e saudoso (como uma velha canção brasileira)
- Simples e fluente
- Vivo
1957
- Rolando na areia
- Improvização N.º 1 (Sobre o tema "Sereno" de M. Tupynambá) 即興曲第1番(トゥピナンバの「セレーノ」の主題による)
1959
1959-1977
- Peças infantis 子どもの作品
- Marchando 行進 (1959)
- Cantiga tristonha 悲しい歌 (1959)
- Gingando よろよろ歩き (1959)
- Valsinha pretenciosa 気取った小さなワルツ (1959)
- Dança no campo 田舎の踊り (1959)
- Valsinha vaidosa 見栄っ張りな小さなワルツ (1977)
- Minueto メヌエット (1977)
- Gavota ガボット (1977)
1965
- Introdução e Toccata, para 2 pianos 2台ピアノのための序奏とトッカータ
1965-1973
- Prelúdios 2.ª série 前奏曲集第2巻
- Bem vivo (1965)
- Tempo di marcia (1966)
- Allegro (1968)
- Lentamente, espressivo (1973)
- Allegro vivace (1969)
1968-1973
- Peças Romanticas ロマンティックな作品集
- Noturno (1968) 夜想曲
- Capricho (1968) 奇想曲
- Rêverie (1968) 夢
- Maria (lembrança de uma época -1927-) (1969) マリア(1927年、その頃の思い出)
- Devaneio (1968) 夢想
- Estudo-Fantasia (1973) 練習曲ー幻想曲
- Serenidade (1973) 平静
- Arabêsco (1972) アラベスク
1969
1970
- Danza - Impressão de Valência 舞曲ーバレンシアの印象
1973
- Três pequenos estudos 3つの小さな練習曲集
- Com vivacidade
- Moderato, fluente
- Comodamente
- Valsa chorosa 悲しみのワルツ
1975
- Suite à antiga (para cravo) 古風な組曲 (チェンバロのための)
- Prelúdio 前奏曲
- Siciliana シチリアーナ
- Rigaudon リゴードン
1978
- Coleção Valsinhas Infantis 子どもの小さなワルツ集
- Valsinha saudosa 懐かしい小さなワルツ
- Valsinha dengosa 気取った小さなワルツ
- Valsinha carinhosa やさしい小さなワルツ
- Valsinha radiosa 明るい小さなワルツ
1979
作曲年不詳
- Blues sobre um tema de Marcello Tupynambá マルセロ・トゥピナンバの主題によるブルース
- Brincando 冗談
- Coleção os primeiros passos 初歩の作品集
- Também sei tocar
- Não sou teimoso
- No parquinho
- Vou ser um soldado
- Passeinho bacana
- Inventei um Brinquedo
- Vou contar minha história
- No dia dos meus anos
- Já estou adiantando
- Duas miniaturas 2つの小品
- Quebra-Cabeça 謎
- Dança exótica 風変わりな舞曲
- Pequeno romance sem palavras (para piano a 4 mãos) 小さな無言歌(連弾のための)
João de Souza Limaのピアノ曲の解説
1914
- Canção infantil (Berceuse) 子どもの歌(子守歌)
ソウザ・リマ16歳の作品。ヘ長調、前奏-A-A形式。6/8拍子のゆったり揺れるような伴奏にのって、優しい旋律が静かに流れる。- Charmante, Valse 魅力的な、ワルツ
楽譜の冒頭には「"Casa Levy" 社主催、雑誌 "A Cigarra" 後援の1914年第1回音楽コンクール佳作」と記されていおり、同コンクールのワルツ部門で第二位を受賞した作品。変ホ長調、A-B-A-C-D-C'-A形式。ゆったりとした旋律が奏され、半音階進行のベースや和音が何とも艶かしい響きの曲である。Bは変ロ長調、Cは変イ長調、Dはへ短調になる。- Então, té logo, Tango brasileiro じゃ、またね、タンゴ・ブラジレイロ
この曲は上記の《魅力的な Charmante》と同じコンクールのタンゴ部門で一等賞を得た作品。イ長調、A-B-A'-C-D-A形式。Aは左手オスティナートの伴奏にのって伸びやかな旋律が奏される。Bはニ長調になり勇ましい。Cはニ短調、Dはニ長調になる。1918?
- Amor avacalhado, Maxixe 投げやりな愛、マシーシ
ソウザ・リマが十代後半の頃、サンパウロの楽器店に出入りしていた彼の友人たち数人は、自分たちのグループを "Os Voadô(飛行家)" と呼んでいた。"Os Voadô" でのソウザ・リマのあだ名は "Xon-Xon" であった。ある日、グループの皆で飲みに行こうとしたがお金がなかった。そこでソウザ・リマは即席で一曲ピアノ曲を作って楽譜を書き、楽器店にその楽譜を "Amor avacalhado" という曲名で20ミルレイスで売りつけたとのこと。ト短調、A-B-A形式。左手シンコペーションの気取った伴奏にのって、うらぶれた感じの旋律が奏される。中間部Bは変ロ長調で、ちょっと陽気になる。"Xon-Xon" 作のこの曲の楽譜は結構人気で売れたらしく、ピアノ版のみならずJose Eloyによる歌詞が付いた楽譜も出版された。またフランスの作曲家ダリウス・ミヨーが1919年に作曲した "Le Boeuf sur le Toit(屋根の上の牛)" の中でこの曲の旋律を用いている。1927
- Valsa amorosa 愛情こもったワルツ
妻のMaria A. de Souza Limaに献呈された。ハ長調、A-B-B-A形式。落ち着いた雰囲気のワルツ。この曲を作った頃はソウザ・リマは幸せいっぱいの新婚時代だったんだろうな〜、と思わずにはいられないような甘い旋律、艶やかな長七や長九の和音を多用した曲である。さり気ない控えめの対旋律も粋だ。Bはヘ長調で、旋律が高音部に移り、妻マリアの姿を描いたような可憐な曲想になる。1933
- Brincando de jazz ジャズの冗談
ト長調、A-B-B-A形式。旋律は第3音にシ♭、第5音にレ♭(またはド♯)、第7音にファ♮がしばしば現れる、所謂ブルー・ノート・スケールで、リズムはケークウォーク風のおどけた曲。Bはハ長調になる。1939
- Suíte infantil 子どもの組曲
初版時の題名は《私の子どもたちのために Para meu filhinho》であった。全曲ト音記号のみで書かれ、右手・左手の音程が6度までの、ピアノを始めて2〜3年目向きの小品集(後半の曲になるとやや難しくなる)だが、機能的和声から離れた書法や教会旋法の使用は、やはり20世紀の作曲家らしい。なお、この曲集は作曲家自身により(おそらく後年に)2台ピアノ用にも編曲された。2台ピアノ版は原曲のピアノ独奏版とは打って変わって技巧的で華やかな編曲となっている。
- Fanfarra - Introdução ファンファーレー序曲
A-A'-コーダの形式。二声で書かれている。トランペットを思わせる勇ましい曲で、一見ハ長調だが右手のファが♯のリディア旋法だ。後半は左手のシが♭のミクソリディア旋法になる。- Peraltagem - Capricho いたずらっ子ー奇想曲
ト長調。題名通りの子どものいたずらのような曲で後半アッチェレランドするのが面白い。- Na gangorra - Berceuse シーソーー子守歌
A-B-A'形式。右手旋律は一応へ長調だが左手の伴奏が調性をぼやかしていて、夢の世界を描いているような不思議な響きの曲。- Alta virtuosidade - Estudo ヴィルトゥオーゾ的にー練習曲
イ短調、A-B-A'形式。休みない左手の8分音符アルベルティバスにのって、右手に三度重音の旋律が奏される。無窮動の8分音符は技巧的に子どもにはちょっとキツいかな。Bはドのミクソリディア旋法の旋律が現れる。- Reinação - Tema e variações いたずらー主題と変奏
元気な主題と5つの変奏、フィナーレから成る。主題はミクソリディア旋法だ。第4、5変奏では右手・左手の16分音符音階が現れるのでやや難しい。- Fanfarra - Final ファンファーレー終曲
第1曲をちょっと複雑にした曲。1940
- Toccatina (N.º 1 da Suíte infantil) トッカッティーナ(子どもの組曲第1番)
楽譜には「子どもの組曲第1番」と副題が記されているが、1939年作曲の上記の《子どもの組曲》との関連は不明である。ハ長調、A-B-A'-コーダの形式。ソーザ・リマ自身の演奏の録音が残されており、彼自身の演奏で約40秒ほどの短い曲。♩=340位の物凄く速いテンポで奏される右手の速い8分音符分散和音の下で、左手にドレミファソ、ソファミレド、ドレミファソ…と音階による旋律が奏される。A'では分散和音が左手に、旋律が右手に交代となる。1947
- Primera valsa ワルツ第1番
変ホ短調、A-B-B-A'形式。楽譜の冒頭に"Nostalgicamente"と記されている通り、旋律は哀愁的な典型的Valsa brasileira(ブラジル風ワルツ)なのだが、和音の方は半音階的に進行して多調的というか、複雑な(素直でない?)響きである。中間部は "Piú animato" と記されていて、情熱的にffの両手オクターブ強打まで盛り上がる。1954
- Prelúdios 1.ª série 前奏曲集第1巻
ソウザ・リマは全2巻、計10曲の前奏曲を作曲している。フランス留学中はドビュッシー夫人にも師事した彼らしく、ドビュッシーの前奏曲集の影響を感じるが、ブラジル人作曲家としての個性も少し漂う作品集である。
- Rápido e alegre
変ホ長調、流暢なアルペジオが流れるように奏される。E♭と(最も遠い)Aの和音が交互に奏される所は印象派風。- Humoristicamente
ハ長調、A-B-A'形式。5/4拍子と3/4拍子が交互に現れ、道化師の動きを見ているような感じの、題名通りのユーモラスな曲。12小節目までは全く臨時記号が現れず、新古典主義っぽい響き。- Triste e saudoso (como uma velha canção brasileira)
ホ短調、A-B-A形式。楽譜に記された副題の「昔のブラジルの歌のように」の通り、哀愁を帯びた呟くような歌がしんみりと奏される。対旋律の半音階進行やナポリのII度の和音が粋な響きだ。中間部はホ長調になりちょっとボサノバ風、但し対旋律のレはしばしば♮(ミのミクソリディア旋法)になり、いい雰囲気。- Simples e fluente
変ホ短調、A-B-A'形式。印象主義風の和音を用いて、流れるような16分音符が奏される。- Vivo
ホ短調、A-B-A'形式形式。両手を駆使した上へ下への速いアルペジオが華やかで、ドビュッシーの前奏曲集の「花火」を連想させる。中間部Bはト長調で、更に華やかな響きとなる。1957
- Improvização N.º 1 (Sobre o tema "Sereno" de M. Tupynambá) 即興曲第1番(トゥピナンバの「セレーノ」の主題による)
マルセロ・トゥピナンバ Marcelo Tupynambá(Tupinambáと綴ることも多い、1889-1953)は歌曲やピアノ曲を多数作った作曲家。トゥピナンバのピアノ曲《セレーノ(夜露)Sereno》を編曲したこの曲は変ロ長調、前奏-A-B-C-A'形式。トゥピナンバの原曲を幻想的な感じにしていて、3-3-2拍の穏やかなシンコペーションにのった静かな旋律は、夜の静寂の中にセレナード弾きの歌とギターの音色が遠くに聴こえるような光景を連想させる。Bの高音部で静かに鳴る3連16分音符の装飾的な対旋律や、Cの高音部のオスティナートの音形なども美しい。1959
- Improvização N.º 2 (Sobre o tema "Fiteiro" de M. Tupinambá) 即興曲第2番(トゥピナンバの「フィテイロ」の主題による)
トゥピナンバのピアノ曲《フィテイロ(目立ちたがり屋)Fiteiro》を元にしているが、前作の《即興曲第1番》と異なり、この曲では原曲の旋律は一部や断片が使われているのみで、曲の雰囲気は原曲とはかなり異なる。変ホ短調、前奏-A-B-C-A'形式。物憂い前奏に引き続き、Aの活発な主題が(トゥピナンバの原曲ではト長調の所を)変ホ短調で奏される。Cの変ニ長調の部分は四声のポリフォニーになっていて、静かな旋律が美しい。1959-1977
- Peças infantis 子どもの作品
ピアノを始めて2年目あたりの初心者向けの曲集で、音程も7度まででオクターブは使われていない。
- Marchando 行進 (1959)
ハ長調、A-B-A'形式。おもちゃの行進のような愛らしい曲。- Cantiga tristonha 悲しい歌 (1959)
ト長調、A-B-A'-コーダの形式。子守歌のような優しい調べながら一抹の寂しさが漂う。Bはハ長調になり少ない音ながら和音のうつろいが美しい。- Gingando よろよろ歩き (1959)
ハ長調、A-B-A'形式。シが♭となるドのミクソリディア旋法なのが、ちょっと歩きに不安がある感じかな。- Valsinha pretenciosa 気取った小さなワルツ (1959)
ハ長調、A-A'形式。曲名通りのスラーとスタッカートの対比が気取ったワルツ。- Dança no campo 田舎の踊り (1959)
ト長調、A-B-A'形式。印象派的な響きで一部はソのミクソリディア旋法になる。- Valsinha vaidosa 見栄っ張りな小さなワルツ (1977)
ハ長調、A-A-B-B-A'形式。子供がおしゃれをしたような愛らしいワルツ。- Minueto メヌエット (1977)
一応ト長調ともホ短調ともとれる中性的な曲。- Gavota ガボット (1977)
1965-1973
- Prelúdios 2.ª série 前奏曲集第2巻
- Bem vivo (1965)
一応イ短調、A-B-A'形式。上品に舞うような16分音符が続く。ドビュッシーの初期のピアノ曲をやや思わせる。- Tempo di marcia (1966)
行進曲らしい旋律と伴奏だが、右手・左手の和音が多調で不気味な響きの曲。- Allegro (1968)
一応ハ長調、A-B-A'形式。16分音符の半音階混じりのモチーフが無窮動に続く。- Lentamente, espressivo (1973)
ト長調、A-B-A'形式。左手の為の作品で、牧歌的な旋律とハープのような控えめの伴奏が美しい。Bはホ短調になり3連16分音符が嵐のよう。- Allegro vivace (1969)
ロ短調。左手16分音符の分散和音の上で、右手がもがき苦しむような旋律や装飾的なパッセージを奏でる。ショパンの《12の練習曲、作品10》の第9番に発想が似ているが、複雑な和音や転調はソウザ・リマの作曲技法の巧さを示している。1968-1973
- Peças Romanticas ロマンティックな作品集
ソウザ・リマの魅力が詰まった題名通りのロマンティックな曲集である。
- Noturno (1968) 夜想曲
変ホ長調、A-B-A'形式。この曲は美しい!。冒頭の主題は半音階進行を伴った和音が繊細で、静かな夜の雰囲気を上手に描写。中間部はト短調で情熱的。再現部は、3連符になった伴奏が対旋律を兼ねて一段とポリフォニックに絡み絶妙な響きだ。- Capricho (1968) 奇想曲
A-B-A'-コーダの形式。レのドリア旋法による右手の16分音符がバロック風の響き。中間部はブンチャッブンチャッの伴奏にのって現れるシのミクソリディア旋法の旋律が田舎の民謡風の雰囲気。再現部は華やかに変奏されて終わる。- Rêverie (1968) 夢
変ホ長調、A-B-A-コーダの形式。穏やかな旋律の下の内声で半音階進行を多用した8分音符が静かに流れ、夢の中を彷徨っているような響きだ。Bは変ト長調になり、内声は3連8分音符になり、一層豊かな響きになる。- Maria (lembrança de uma época -1927-) (1969) マリア(1927年、その頃の思い出)
変ホ長調、A-B-B-A'形式。マリアとはソウザ・リマの妻の名前。副題通り、佳き昔の頃を思い出しているようなしっとりとしたワルツ。全体的に伴奏が対旋律を兼ねるように三声〜四声のポリフォニーとなっている。最初の部分は郷愁たっぷりの雰囲気で、中間部は昔を熱く語り出すようにドラマチック。- Devaneio (1968) 夢想
強いて言えば変ホ長調、A-A'-A"-A形式。調性がぼやけた幻想的な雰囲気で、静かな8分音符アルペジオにのって高音部に息の長い旋律が奏される。- Estudo-Fantasia (1973) 練習曲ー幻想曲
ホ長調、A-B-A'形式。冒頭は、右手8分音符-左手3連4分音符のヘミオラのアルペジオが、ドビュッシーの初期のピアノ曲を思わせるようなホンワカとした和音を紡いでいく。中間部Bはロ長調になり、8分音符-3連8分音符の組み合わせが一拍づつ右手左手と入れ替わったり、16分音符-5連16分音符の組み合わせになったりする。再現部は4対3や5対3で冒頭のアルペジオが変奏される。以上、ヘミオラの練習曲のようなものだが、曲の雰囲気は題名通り夢見るような幻想的ないい感じである。- Serenidade (1973) 平静
変ホ長調、A-B-A'形式。シ♭のオスティナート風伴奏にのって穏やかな旋律が歌われる。中間部Bは右手〜左手にと現れる3連16分音符のパッセージが繊細で美しい。- Arabêsco (1972) アラベスク
強いて言えば変ホ長調、A-B-A'-コーダの形式。16分音符の旋律が続く活発な曲で、半音階進行や増五度の響きなどが印象派風。Bは嬰ヘ長調から転調していく。1969
- Segunda valsa brasileira ブラジル風ワルツ第2番
ニ短調。A-A-B-B'-C-C-Aの形式で、Cはニ長調になる。旋律は哀愁漂う典型的Valsa brasileiraだが、和声や半音階的な対旋律が凝っていてゴテゴテした感じに聴こえる。1973
- Valsa chorosa 悲しみのワルツ
ニ短調、A-B-C-A形式。Valsa brasileiraの雰囲気を持った物悲しいワルツで、時々現れるDm6の和音が何ともやるせない雰囲気を醸し出す。Bはギターのつま弾きを思わせる8分音符が続く。Cはニ長調になり、郷愁漂う雰囲気になる。1975
- Suite à antiga (para cravo) 古風な組曲 (チェンバロのための)
チェンバロのコンクールの課題曲として作られた曲。和声的に凝った所がないでもないが、殆どバロックの作品と見紛うような感じの曲集である。第1曲Prelúdioはニ短調、チェンバロらしい16分音符の動きの曲。第2曲Sicilianaはヘ長調、A-B-B-A'形式。シチリアーナらしい6/8拍子の落ち着いた曲。第3曲Rigaudonはニ長調、A-B-B-A'形式。Aは快活な感じで、一方Bはハ長調になり落ち着いて上品な雰囲気。
- Prelúdio 前奏曲
- Siciliana シチリアーナ
- Rigaudon リゴードン
1978
- Coleção Valsinhas Infantis 子どもの小さなワルツ集
初心者向けの、和声的にも易しいワルツ集。第1曲Valsinha saudosaはイ短調の切ない旋律のワルツ。中間部はハ長調になり左手で旋律が奏される。第2曲Valsinha dengosaはハ長調、滑らかで優雅なワルツ。中間部はヘ長調になる。第3曲Valsinha carinhosaはホ短調の寂し気な旋律。中間部はト長調に。第4曲Valsinha radiosaはト長調、左手の対旋律の半音階やV5+の和音がおしゃれ。中間部は二長調。
- Valsinha saudosa 懐かしい小さなワルツ
- Valsinha dengosa 気取った小さなワルツ
- Valsinha carinhosa やさしい小さなワルツ
- Valsinha radiosa 明るい小さなワルツ
1979
- Scherzino スケルツィーノ
一応ロ短調、A-A'-B-B'-A-A"形式。ややバロック風の快活な旋律や対旋律がポリフォニックに奏され、3小節目からソが♯(シのドリア旋法)になると一層古風な響きになる。BとB'はト長調で、二声〜四声のポリフォニーで穏やかに奏される。作曲年不詳
- Blues sobre um tema de Marcello Tupynambá マルセロ・トゥピナンバの主題によるブルース
トゥピナンバ作曲の歌曲《救出 Redenção》の編曲。変ニ長調。原曲は勇ましい行進曲だが、ソウザ・リマの編曲はゆったりとしたシャッフルのリズムにのって、半音階進行の対旋律を複雑に絡めた編曲。お洒落な雰囲気ではあるが、ちょっと和音が凝りすぎのような気がする。