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José López Alavésについて

 ホセ・ロペス・アラベス José López Alavés(José López Alavezと綴られていることもあり)は、1889年7月14日にオアハカ州Huajuapan de Leónに生まれた。10歳頃からマンドリンとギターを習い、11歳頃には地元の子どもの楽団に入団した。1907年頃に首都メキシコシティに出て国立音楽院に入学し、ピアノやクラリネットからソルフェージュや作曲まで学んだ。学生時代の1912年、後に有名となる歌曲《ミステカの歌 Canción Mixteca》の旋律を作曲している。

 1914年にはメキシコ革命の中、ロペス・アラベスはパンチョ・ビリャらが率いる「護憲軍北部師団」の軍楽隊に入り従軍した。1915年に同軍がメキシコ中部のケレタロを奪還した頃のある日、彼はケレタロのアラメダ・イダルゴ公園に佇み、自作の《ミステカの歌》に歌詞を作った。

 1916年、Carmen Monroy Molinaと結婚し、後に7人の子どもをもうけた。

 1918年、メキシコの新聞 "El Universal" は「第1回メキシコ歌曲コンクール」を催した。審査員はポンセやルベン・カンポスらであった。ロペス・アラベスが応募した《ミステカの歌 Canción Mixteca》は一等賞、また彼のもう一曲《情熱的な Apasionada》は二等賞を受賞した(1918年3月31日の "El Universal" 紙面に《ミステカの歌》の楽譜が発表された)。1920年には警察音楽隊のクラリネット奏者となり、米国とキューバに演奏旅行している。またメキシコシティではピアノ教師、合唱団やオーケストラの設立、無声映画のピアノ弾きの仕事などを行った。1924年から1927年までは国立音楽院でピアノを学び直したとのことである。

 1947年にはHuajuapan de León出身の英雄アントニオ・レオン (1794-1847) の没後百年を記念し、《アントニオ・レオン将軍讃歌 Himno al General Antonio León》を作曲した。

 1974年10月25日、メキシコシティのコヨアカンで亡くなった。

 ロペス・アラベスの作品を記すと、管弦楽曲のための付随音楽《Opio》、男声合唱のための《Ave María》、ヴァイオリン・チェロ・ピアノのための《Romanza》、いくつかの吹奏楽曲などがある。また《Campanitas pueblerinas》、《Linda Chiquita》、《Cuanto te quiero morena》などの歌曲を作ったが、メキシコでは《ミステカの歌》がともかく有名である。「ミステカ(ミシュテカ)」とはロペス・アラベスの故郷オアハカ州一帯に住んでいる先住民族のことで、この歌は軍楽隊員として従軍中の彼が生まれ故郷を思って歌詞を作ったのだが、「生まれ故郷からどんなに離れていても、私の心は望郷への念でいっぱいだ・・・」と歌うこの曲はオアハカ州の人のみならず、メキシコ人全てにとっての望郷の歌として広く歌われている。《ミステカの歌》以外の彼の作品は殆ど知られていなかったが、最近になってロペス・アラベスの子孫らによりピアノ組曲《オアハカ組曲 Suite Oaxaqueña》の楽譜が出版されるなど、少しずつ彼の作品の全貌が明らかになりつつある。

 

José López Alavésのピアノ曲リストとその解説

 

José López Alavésのピアノ曲楽譜

出版社不明

 

José López Alavésのピアノ曲CD

星の数は、は是非お薦めのCD、は興味を持たれた人にはお薦めのCD、はどうしてもという人にお薦めのCDです。

MÚSICA MEXICANA PARA PIANO I
Destino Musical, DMCP-103

  • Estrellita (M.M Ponce)
  • Mazurca No.1 (M.M Ponce)
  • Danzón "Flores de Romana" (Juventino Rosas)
  • Vals "Sobre las olas" (Juventino Rosas)
  • Tres danzas humorísticas - Algo se pesca, ¿Y por qué, ¡Oh! la, la (Felipe Villanueva)
  • Vals Poético (Felipe Villanueva)
  • Mazurca "Sueño dorado" (Felipe Villanueva)
  • Suite Oaxaqueña (José López Alavés)
    • Chiquita
    • Inquieta
    • Cuanto te quiero morena
    • Evocadora
    • Caprichosa
    • Sutil
    • Ardiente
    • Calabaceada
    • Apasionada

Rodrigo Morfín (pf)

 2013年の録音。

 

Latin-American Recital, Vol. 1 Mexico
Piano21, P21 002

Cyprien Katsaris (pf)

 1996年の録音。メキシコの作曲家が13人登場。19世紀から20世紀初頭に活躍した作曲家が主で、(ChávezだのGalindoだのSantosだのの難しい作曲家がいないところが私好みの)親しみやすい作品ばかりで聴いていて楽しい。カツァリスの演奏だけにテクニックは申し分なく、Ecos de Méxicoなど楽譜に無いオクターブ下の音をバンバン加えたりと、ホロビッツかルービンシュタインか、という派手な演奏。ここで聞かれる《Canción Mixteca》は、ロペス・アラベスの代表的歌曲《Canción Mixteca》をピアノ独奏で弾いたもの。