Isidro Maizteguiのページ
Isidro Maizteguiについて
Isidro Buenaventura Maiztegui Pereiro(イシドロ・ブエナベントゥーラ・マイステギ・ペレイロ)は1905年7月14日、アルゼンチン東部のエントレ・リオス州にあるGualeguayに生まれた。彼の父はスペインのバスク地方出身、母はガリシア地方出身とのこと。マイステギは6歳から地元のベートーベン音楽院に通って音楽を習い始めた。1927年にブエノスアイレスに移り住み、ブエノスアイレス大学法学・社会科学部に入学したが、やはり音楽を学ぶことに専念することになり、1930年に国立音楽院に入学。作曲や和声・対位法などを学んだ。1931年からはコロン劇場の代理指揮者を務めた。
教育者としては、国立Bernardino Rivadavia高等学校やCuyo国立大学で音楽を教えた。また作曲家としても活動し、特に1933年のアルゼンチン映画 "Los tres berretines(三つの趣味)" の音楽担当を皮切りに、数多くの映画音楽を作曲した。
1952年よりスペインのマドリードに移り住み、ここでも多くの映画音楽を作曲した。
1969年にアルゼンチンに帰国し、ブエノスアイレス市立歌劇芸術院で教鞭をとった。晩年はマル・デル・プラタに住み、1996年5月29日に90歳で亡くなった。
マイステギは映画音楽作曲家として知られている。30本以上のアルゼンチンやスペイン映画の音楽を担当しており、スペイン映画 "Muerte de un ciclista"(邦題:恐怖の逢びき、1955)と "Calle mayor"(邦題:大通り、1956)は日本でも公開された。その他にも "Felices Pascuas" (1954)、"La venganza" (1956)、"Ama Rosa" (1960) などが代表作である。付随音楽の作曲も多数あり、"Calandria" (1939)、"Martín Fierro" (1941)、"Casa de muñecas" (1960) などがある。室内楽では、ギター独奏と弦楽合奏のための "Homenaje a Cuatro vihuelistas españoles del Siglo XVI" (1971)、弦楽四重奏曲 (1971)、ピアノトリオ (1975)、ピアノ五重奏曲 (1986) などを作曲している。歌曲も多く作曲しており、"Serie de Canciones Latinoamericanas" (1947)、"Canciones españolas al estilo del romancero popular español" (1962)、"Canciones juglarescas" (1970) などが知られている。マイステギはスペイン在住中に母親の故郷のガリシア地方を度々訪れ、当地に因んだ作品をいくつか作曲していて、"Macías o namorado" (1956) は14世紀ガリシアの吟遊詩を元にしたカンタータ形式のバレエ音楽、また "Música para os seis Poemas Galegos de Federico García Lorca" (1994) はフェデリコ・ガルシーア・ロルカの「6つのガリシア詩集」の詩による歌曲である。
Isidro Maizteguiのピアノ曲リストとその解説
1936
- Preludio (Tango) 前奏曲(タンゴ)
1939
- Preludio 前奏曲
1944
- Sonatina en mi mayor ソナチネ ホ長調
- Allegro
- Lento
- Rondó - Allegretto grazioso
-1947
- Escarceo criollo, Pequeña fantasía さすらいのクリオージョ
- Hojas de Otoño, Tango 紅葉、タンゴ
ヘ短調、形式は強いて言えばA-B-A'-C-A"。晩秋を思わせるような哀愁漂うタンゴだが、和音はポリフォニックに複雑に絡んでいて(下記の楽譜)、マイステギの作曲の腕前を見せつけられるような作品である。冒頭は哀愁たっぷりの旋律が現れ、対旋律を絡ませながら2回、3回と音高を上げて繰り返され奏される。ひとしきり盛り上がった後、ハ長調の穏やかな旋律が現れるが、間もなく減七の和音が半音階進行で迷走するように奏される。続いて冒頭の旋律が変ト長調となって現れるが長くは続かず、ホ長調の両手和音の力強い旋律となるが、それも間もなく萎むようにおさまり、最後は冒頭の旋律が変ホ短調で回想されて終わる。
Hojas de Otoño, Tango, 39〜45小節、Instituto Lucchelli Bonadeoより引用-1952
- Chacarera チャカレーラ
- Danza ダンサ
ピアノ初心者向けの易しい曲で、殆どの部分が両手とも単音から成る。ト長調、A-B-A'形式。音階を上がったり下がったりする左手伴奏にのって、陽気な踊りの旋律が右手に奏される。Bはト短調になる。- Reminiscencias criollas クリオージョの追憶
- Zamba サンバ
この曲も初心者向けの曲。ハ長調、A-B-C-A'形式。6/8拍子と3/4拍子が入れ替わるZambaらしいリズムの曲。1957
- Preludios galegos, Op. 28 ガリシアの前奏曲集、作品28
マイステギは両親の故郷スペインに1952年から1969年まで住んだが、特に母の故郷のガリシア地方に思い入れがあったようである。ガリシアは古代よりケルト系民族が住み着いた地域で、スペイン中央(カスティーリャ人)とは異なった文化を持ち、音楽もガイタと呼ばれるバグパイプのような民族楽器など独特である。Preludios galegos(スペイン語ではgallegosだが、ガリシア語の綴りはgalegosである)は10曲から成る組曲で、第1曲Andanteは「前奏曲集の前奏曲」のような感じで、静かに話を始めるような旋律が7小節現れきや、流れるような左手3連16分音符のアルペジオ伴奏にのって冒頭の旋律が変奏されて終わる。第3曲Lnto (in 6)はト短調。僅か6小節の曲で、陰うつな旋律が奏される。第4曲Allegro vivace ("Muiñeira")はニ長調。ムイニェイラ (Muiñeira) とはガリシアの民族舞踊で6/8拍子。前半は付点混じりの快活なリズムが続き、後半はホ長調になり旋律が現れる。最後の4小節のみ嬰ヘ長調になって終わる。第6曲Allegretto moderatoは、前半は増三和音混じりのアルペジオが神秘的に響き、後半はイ長調になり牧歌的な旋律が奏される。第10曲Allegro vivace (Tempo di Muiñeira)も第4曲同様にムイニェイラのリズムの曲。冒頭はロ短調で付点混じりのリズムが奏され、途中からホ長調に変わると高音に陽気な旋律が現れ、ト長調や変ホ長調に転調しながら盛り上がって行く。
- Andante
- Moderato
- Lnto (in 6)
- Allegro vivace ("Muiñeira")
- Lento
- Allegretto moderato
- Lento
- Lento
- Andante
- Allegro vivace (Tempo di Muiñeira)
1958
- Preludio 前奏曲
1960
- 2 preludios, Homenaje a Carlos López Buchardo 2つの前奏曲、カルロス・ロペス=ブチャルドを讃えて
- Copla, Homenaje a Julián Aguirre コプラ、フリアン・アギーレを讃えて
コプラとはスペインの詩のジャンルで、一定の決まり、即ち8音節4行から成る定型詩である。更にはその詩による歌もコプラと呼ばれる。強いて言えばホ短調、A-B-A'-C-A-D形式。Aはギターを思わせるアルペジオの上下で二声の彷徨うような旋律が奏される。B、C、Dは十度の和音にのって嘆くような旋律が奏される。1980
- Fantasía, Homenaje a F. Liszt 幻想曲、F. リストを讃えて
- Tocata トッカータ
作曲年代不詳
- Arrastrando el Ala 口説き文句
- Introducción 序曲
- Zamba サンバ
- Gato ガト
- Final 終曲
- Milonga del '30 30年代のミロンガ
Isidro Maizteguiのピアノ曲楽譜
- Preludios galegos, op. 28
Editorial Cooperativa Interamericana de Compositores
- Escarceo criollo, Pequeña fantasía
Ricordi Americana S.A.E.C.
- Chacarera
- Danza
- Reminiscencias criollas
- Zamba
- 2 preludios, Homenaje a Carlos López Buchardo
Editorial Argentina de Compositores
- Sonatina en mi mayor (1944)
Instituto Lucchelli Bonadeo
- Copla
- Hojas de otoño(Compositores & IntérpretesのHPで楽譜が見れます)
El diario "La Prensa"
- La Prensa, 28 de noviembre de 1937
- Preludio (Tango)
斜字は絶版と思われる楽譜
Isidro Maizteguiのピアノ曲CD・LP
星の数は、
は是非お薦めのCD、
は興味を持たれた人にはお薦めのCD、
はどうしてもという人にお薦めのCDです。
Panorama de la Música Argentina, Compositores nacidos entre 1904 - 1907
Cosentino, IRCO 303
- Preludios para la mano izquierda: Con aire pampeano - Con aire de estilo (Elsa Calcagno) - Valentín Surif (pf)
- Canciones: Chilindrina - Coplas - Vidalita de ausencia (Abraham Jurafsky)
- Preludios: Nº 2 Benteveo - Nº 3 Subida al cerro (Lita Spena) - Dora Castro (pf)
- Caja chayera (Pascual Quaratino)
- Canciones de amor: Nº 2, Cuando muera no quiero - Nº 4, Ayer te quise amante (Pedro Valenti Costa)
- Suite "Recuerdos de la infancia": Cuento - El nido vacío (Pascual Grisolía) - Valentín Surif (pf)
- Imágenes de tango. Siete croquis suburbanos: Nº 1 Proemio - Nº 5 Recitativo (Juan Francisco Giacobbe) - Dora Castro (pf)
- Preludios gallegos op.28 - I, IV, VI, X (Isidro Maiztegui) - Valentín Surif (pf)
- Picaflor. Zamba al estilo popular Op.2 Nº 4 (Emilio Angel Napolitano)
- Tango 70 (Lía Cimaglia Espinosa) - Dora Castro (pf)
- Tercer preludio (Arnaldo D'Esposito)
TODO TANGO
Acqua Records, AQ266
- Siete variaciones de Tango (Juan José Ramos)
- Tango 70 (Lía Cimaglia Espinosa)
- Hojas de otoño (Isidro Maiztegui)
- Adiós Nonino (Astor Piazzolla)
- Milonga del ángel (Astor Piazzolla)
- Tango dramático (Juan José Ramos)
- Milonga del riachuelo (Juan José Ramos)
- Evocación (Juan José Castro)
- Llorón (Juan José Castro)
- Nostálgico (Juan José Castro)
- Tango de la Ribera (Juan José Ramos)
- Milonga Habanera (Juan José Ramos)
- Tango Op 61 (Marlos Nobre)
Valentín Surif (pf)
2010年のリリース。
América (LP)
Union record, UR 005
- Hojas de otoño (Isidro Maiztegui)
- Milonga (Constantino Gaito)
- Triste Nº 3 (Julián Aguirre)
- Retama, de Tres Sonatinas (Carlos Guastavino)
- Payada, de Impresiones de mi tierra (Ángel Lasala)
- Preludio No. 2 (George Gershwin)
- Intermezzo (Manuel Ponce)
- "Si" y "Tres golpes", de Danzas Cubanas (Ignacio Cervantes)
- Danza Negra (M. Camargo Guarnieri)
- Aire indio Nº 2 (Eduardo Caba)
- Oka, de la Suite de Danzas Incaicas (Alberto Villalba Muñoz)
Lydia Negri (pf)