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Manuel Aguirreについて
マヌエル・ロレンソ・アギーレ・デ・ラ・フエンテ Manuel Lorenzo Aguirre de la Fuente は、1863年8月10日にペルー南部のアレキパに生まれた。生前はアレキパの南部地方音楽学校 Escuela Regional de Música del Sur の校長も歴任したとのこと。ペルーの勲章 "El Sol del Perú" を得ている。1951年2月6日にアレキパにて亡くなった。
彼の作品は主にピアノ曲だが、歌曲もあるらしい。
Manuel Aguirreのピアノ曲リストとその解説
- Álbum アルバム
- Berceuse 子守歌
- Barcarola 舟歌
- Gavotta ガボット
- Habanera ハバネラ
- Minuetto メヌエット
- Plegaria 祈り
- Nocturno 夜想曲
- Ballade バラード
- Serenata セレナーデ
- Nupcial 婚礼
- Versallesca 礼儀正しく
- Vals caprice ワルツ・カプリース
変ニ長調、A-B-A'形式。Aはアルペジオの伴奏にのって、伸びやかな旋律が奏される。Bは変ロ短調になる。- Vals exótico エキゾチックなワルツ
ハ長調、A-B-C-D-A形式。のどかな雰囲気のワルツが奏される。Bはハ短調、Dは変ホ長調になる。- Niebla 霧
- Mazurca マズルカ
- Mazurca マズルカ
- Golondrinas ツバメ
変ホ長調、A-A形式。郷愁を感じさせるようなほのぼのとした曲。- Lejanías 遥か彼方
- Crepúsculo 黄昏
- Otoñal 秋に
ホ短調、A-B-A形式。Aは暗い和音と、落葉が舞うような減七の和音の下行アルペジオが晩秋の雰囲気。Bはホ長調になり、郷愁を醸し出すような旋律が奏される。- Romance ロマンス
- Murmullos ざわめき
- Meditación 瞑想
- Marina マリナ
- Sombras 陰
ト短調、A-A-B-B'-A形式。左手のアルペジオ伴奏にのって、哀愁漂う旋律がゆっくり奏される。マヌエル・アギーレの作品の中では比較的演奏される機会のある曲で、後に作曲家Rodolfo Holzmannにより管弦楽曲に編曲された。- Minuettino 小さなメヌエット
- Matinal 朝に
- De mis montañas, 1ª serie 我が山々から、第1集
マヌエル・アギーレが暮らしていたアレキパの町の周囲には、富士山のような優美な姿のミスティ山や、チャチャニ山など標高5000〜6000メートル級の山々が聳えている。全体的に哀愁漂う雰囲気がペルーのアンデス山中や麓の村の光景を連想させるような組曲である。五音音階や六音音階を多用し、静かにピアノを響かせる書法は「山の光景」をあちこちから回想的に見ているようで、余韻たっぷりのいい雰囲気を醸し出している。
- La vendimia ぶどう摘み
マヌエル・アギーレの妻Quintina Ugartecheに献呈された。ヘ短調、A-B-A形式。Aは素朴で哀愁漂う旋律が呟くように奏される。Bは変イ長調になり、左手で8分音符重音がリズムを刻み、ぶどう畑で踊りをするような明るい光景を遠くから見ているような感じ。- El eco こだま
変ロ短調、A-B-A'-A-B'形式。Aは3小節の短い断片のようなヘキサトニックの旋律が現れては、こだまのように繰り返される。Bは2拍子の踊りのリズムが奏される。- Nostalgia 郷愁
変ロ短調、A-B-C-C'-D-A形式。Aは控えめな和音のみの伴奏にのって静かに歌われる旋律が何とも悲しい。Cは変ニ長調になり、左手低音オクターブ+右手オクターブ和音の旋律がコラールのように荘厳に奏される。- Arrullo 子守歌
ハ短調、A-B-A形式。3/4拍子の左手の揺りかごのような伴奏にのって悲しい歌が奏される。- Carnaval カーニバル
ヘ短調、前奏-A-B-A-C-A形式。祭りの光景のような賑やかな音楽だが、その中にも哀愁が漂う所がいい。Bの旋律はドリア旋法になっている。Cは変イ長調になる。- Canción del yermo 不毛の地の歌
イ短調、A-B-A'形式。Aは寂しげな旋律がぽつぽつと奏される。Bは一時ハ長調になる。- Cactus サボテン
イ短調、A-B-A'形式。悲しげな旋律が切々と奏される。Bはハ長調とハ短調のモチーフが交互に奏される。- De mis montañas, 2ª serie 我が山々から、第2集
- Pastoril 羊飼い
ト短調、A-B-A形式。8分音符のリズムが前奏のように奏された後、哀愁漂う旋律がソのドリア旋法で奏される。Bは変ロ長調になり、重々しい旋律が中音部に現れ、ニ短調で繰り返される。- Munaguanquicho 私のことが好き?
ハ短調、前奏-A-B-間奏-A-B-後奏の形式。前奏で現れる哀愁あるモチーフがAの旋律となって奏される。Bはいっとき変ホ長調になる。- Errante 放浪
変ホ長調、A-B-A-C-A形式。トボトボと歩くような旋律が奏される。Bは変ロ長調に、Cはハ短調になる。- Humoreska ユーモレスク
ト短調、A-B-C-A-B形式。Aは寂しげなモチーフが何度も繰り返される。Cは変ロ長調になり、左手伴奏の♩♫のリズムの繰り返しが素朴ないい雰囲気。- Adiós 別れ
ハ短調、A-B-A-C-コーダの形式。旋律に纏わり付く後打ちのリズムが続く。Bはハ長調になる。Cは左手伴奏が♫♫を奏で、踊りの光景のよう。- Melancolía 憂うつ
変ホ短調、A-B-C-A'形式。Aの部分は、アンデス諸国で歌われる「ヤラビ」という叙情詩であろう。高音部で奏される旋律は、歌声か、ケーナの音色かがアンデス山脈に寂しく響くような感じで哀愁たっぷり。Cは朗々と嘆きの歌を歌うような旋律が奏される。- Huayño ワイニョ
変ホ長調、A-A'-A-A'形式。ワイニョ(またはワイノ)はペルーを代表する2拍子の音楽。現在ペルーで広く聴かれるワイニョとはテンポが違うような気がする。- Siete piezas 7つの小品集
- Primavera 春
- Soñando 夢想
- Hoja de Album アルバムの一葉
- Llorando 嘆き
- En las cumbres 山頂にて
- Humoreska ユーモレスク
- Impromptu 即興曲
- Sonata, Op. 28 ソナタ、作品28
「ソナタ」と銘打っているが曲中にソナタ形式らしき所は見られない作品である。楽譜では楽章の切れ目は無く全曲アタッカで繋がっているが、曲想からは3楽章から成っていると考えられる。第1楽章AllegroはA-B-A'形式。Aは変ロ短調で、低音オクターブ+中高音和音が派手に鳴り響く。続くBは変ホ短調になり、左手低音オスティナートにのって、16分音符混じりのモチーフが駆け回って、悪魔的雰囲気。変ト長調〜変ロ短調と転調してひとしきり盛り上がると、Aのモチーフがテンポを落としたLentoで重々しく奏される。続く第2楽章Adagioは3拍子になり変ホ短調、A-B-A-B'形式。Aは重苦しい旋律が中音部でゆっくりと奏され、Bは低音オクターブ+中高音和音が荘厳に響く。第3楽章Prestoは変ホ短調、A-B-A'-B'-A コーダの形式。Aはベートーベンを思わせるような厳つい主題が現れる。Bは変ホ長調になり、左手分散和音にのって、右手16分音符の旋律が上へ下へと舞うように奏される。
- Allegro
- Adagio
- Presto
- Sonata ソナタ
楽譜は未出版で自筆と思われる手稿譜のみが残されていて、曲名は "Sonata" と記されているだけである。前作のソナタ作品28と同様に、楽譜では楽章の切れ目は無く全曲アタッカで繋がっているが、曲想からは3楽章から成っている。第1楽章Allegrettoはホ長調、A-B-A'-B'-A"形式。謎めいたモチーフがオクターブで8小節奏されると、分散和音の左手伴奏にのって抒情的な旋律が現れる。続いてBの嬰ハ短調の新たな陰うつな旋律が奏される。A'は変ニ長調、B'は変ロ短調に転調する。第2楽章は自筆譜ではLargoの文字に重ねてAndanteと上書きされてある。嬰ハ短調、A-B-C-A'形式。Aは、シク siku と呼ばれる竹製の縦笛(パンパイプ)のグリッサンドの響きのような思わせるようなモチーフが繰り返されて何とも寂しげだ。Bは変ニ長調になり穏やかな雰囲気。Cは変ニ短調で、Aのモチーフと下降アルペジオが組み合わされる。第3楽章は嬰ハ短調、A-B-C-D-A'形式。速いテンポのいくつもの舞曲が万華鏡のように次々と奏される。
- Allegretto
- Andante (Largo)
- Allegro agitato - Vivace
- Doris, Vals ドリス、ワルツ
楽譜には「Doris Gibson夫人に献呈」と記されている。変ホ長調、A-B-C-D-E-A-B-コーダの形式。サロン風ワルツで、次々と明るい旋律が現れる。Cのみ変ロ長調になる。- Ensueño, Vals 夢、ワルツ
- Madreselva, Gran vals スイカズラ(吸い葛)、ワルツ
- Ondas y espuma, Vals 泡立つ波、ワルツ
- Remember, Vals 思い出、ワルツ
- Vals lento ゆっくりしたワルツ
変ト長調、A-B-A-C-D-A形式。アジュテー (I6) や属九の和音を多用したお洒落な響きの曲。Bは変ニ長調になり、ハープのようなアルペジオ和音の旋律から成る。Cは変ロ短調で、マズルカ風。
Manuel Aguirreのピアノ曲楽譜
Universidad Católica Santa María / Sociedad Minera Cerro Verde
- El Vals Arequipeño escrito en pentagrama
- Doris, Vals
- Vals caprice
- Vals exótico
- Vals lento
Schott Frères
- Siete piezas
von Conrad Behre, Hamburg
- Album für Pianoforte zweihändig
- Crepúsculo
- Otoñal
- Romance
- Murmullos
- Meditación
- Marina
- Sombras
- Minuettino
- Matinal
Guillermo Brandes, Lima
- Ensueño, Vals
出版社不明
- Album para pianoforte á dos manos de M. L. Aguirre, Tomo I. De mis montañas Nº 1 a 7
- Album para pianoforte á dos manos de M. L. Aguirre, Tomo II. De mis montañas Nº 8 a 14
- Album para pianoforte á dos manos de M. L. Aguirre, Tomo III.
- Berceuse
- Barcarola
- Gavotta
- Habanera
- Minuetto
- Plegaria
- Nocturno
- Ballade
- Serenata
- Album para pianoforte á dos manos de M. L. Aguirre, Tomo IV.
- Nupcial
- Versallesca
- Vals caprice
- Vals exótico
- Niebla
- Mazurca
- Mazurca
- Golondrinas
- Lejanías
- Album para pianoforte á dos manos de M. L. Aguirre, Tomo V. Sonata, Op. 28
斜字は絶版と思われる楽譜
Manuel Aguirreのピアノ曲CD・LP
星の数は、
は是非お薦めのCD、
は興味を持たれた人にはお薦めのCD、
はどうしてもという人にお薦めのCDです。
MÚSICA CLÁSICA PERUANA: EL ROMANTICISMO
ALMA MUSIK, AMCD 600101
- Escenas de la Montaña (Manuel Aguirre)
- Prélude (Ernesto López Mindreau)
- Marinera y Tondero (Ernesto Lopez Mindreau)
- Despedida (Daniel Alomía Robles)
- Seis Preludios Incaicos (Pablo Chávez Aguilar)
- Minueto para piano op. 15 (Octavio Polar)
- Polonesa (Octavio Polar)
Alberto Ureta (pf)
1995年の録音。マヌエル・アギーレの "Escenas de la Montaña"(De mis montañas 第1集全曲)やチャベス・アギラールの "Seis preludios Incaicos" 全曲など、他では聴けない貴重な録音と言いたい所だが、いずれも半分くらい楽譜とは違ったことを弾いていて、かなりAlberto Ureta氏の編曲?が入ってしまっているのが私個人的には当て外れの印象である。
Lupe Parrondo y un siglo de música Peruana (LP)
Virrey, VIR-818
- 5 zamacuecas (Claudio Rebagliatti)
- Suite 'De mis montañas': El eco, Carnaval (Manuel Aguirre)
- El cóndor pasa (Daniel Alomía Robles)
- La ronda de las colinas (Theodoro Valcárcel)
- Kachampa (Theodoro Valcárcel)
- Vírgenes del Sol (Jorge Bravo de Rueda)
- Cholita, vals característico (Luis Dunker Lavalle)
- Tres piezas para piano (Andrés Sas)
- Taki (Francisco Pulgar Vidal)
- Marinera de concierto (Rosa Mercedes Ayarza de Morales)
Lupe Parrondo (pf)
1972年頃の録音。
Antología de música peruana Siglo XX, Vol. II - Piano (2枚組LP)
EDUBANCO
- Suite hospital (Roberto Carpio)*
- Preludio
- Pacientes
- Sor X
- La capilla
- Ronda de la muerte
- Ronda de veladoras y mortuorio
- Postludio
- Danza mestiza (César Bolaños)*
- Arrullo y tondero (Andrés Sas)*
- Pequeña suite peruana (Celso Garrido Lecca)*
- Juego de terceras
- Negrito de Malambo
- Sicuri
- Quena y antara
- Torito de Pucará
- Tondero
- Paco Yunque (Francisco Pulgar Vidal)*
- Paco Yunque
- La viajera
- Pedro de acero
- Pregón y danza (Enrique Iturriaga)*
- Quenas (Luis Dunker Lavalle)**
- Poemas ingénuos (Alfonso de Silva)**
- La mañana
- La tarde
- Buenas noches
- Variaciones sobre un tema pentafónico (Enrique Pinilla)**
- Kachampa (Theodoro Valcárcel)**
- Sombras y eco (Manuel Aguirre)***
- Acuarelas infantiles (Carlos Sánchez Málaga)***
- Escala menor
- La queja
- Terceras
- Cuento del gallinero
- Clase de canto
- Primera pequeña suite (Rodolfo Holzmann)***
- Prelude
- Impromptu
- Canon
- Berceuse
- Toccata
César Gustavo la Cruz (pf)*, Monica Cardenas Ormeño (pf)**, Lidia Hung Wong (pf)***