Alberto Nepomucenoのピアノ曲リスト
斜字は出版がなく、かつ手稿譜が現存せず、どんな曲だか不明な作品です。1887
- 1ére Suite brézilienne IV, Batuque (Dansa de negros), Reducção para piano pelo autor 第1ブラジル組曲第4番、バトゥーキ(黒人の踊り)、作曲者によるピアノ編曲
- 1ere Mazurka マズルカ第1番
- Nina nana, Op. 8, nº 1 (Berceuse) 子守歌、作品8-1
- Prece 祈り
- Scherzo fantástico 幻想的なスケルツォ
- Une fleur, Romance (Romança) 一輪の花、ロマンス
1889
1891
- Folhas d'album アルバムの一葉
- Con molto sentimento
- Con moto
- Andante mosso
1893
- Sonata em fá menor, Op. 9 ソナタヘ短調、作品9
- Allegro con fuoco
- Andante expressivo
- Allegro con spirito
- Suite antique (Suíte antiga), Op. 11 古風な組曲、作品11
- Prelude (Prélude) 前奏曲
- Menuet メヌエット
- Air エアー
- Rigaudon リゴードン
- Valse-impromptu 即興的ワルツ
1894
- Pastoral (Pastoral im Weihnacht) 牧歌(クリスマスの牧歌)
- Quatro peças lyricas, Op. 13 4つの叙情曲、作品13
- Anhelo 熱情
- Valsa ワルツ
- Diálogo 対話
- Galhofeira ガロフェイラ
1895
- Liricas nº 1, nº 2 叙情曲1番、2番
1901
1902-1912
1904
1906
- 5 pequenas peças para crianças (Piano solo para mão esquerda) 子どものための5つの小さな小品集(左手のためのピアノソロ)
- Barcarola 舟歌
- Melodia メロディー
- Dança 踊り
- Brincando 遊び
- Polca ポルカ
1910
1911
- A cigarra (extratos) 蝉
- Valsa ワルツ
- Cake-Walk ケークウォーク
- Entreato-valsa エントゥレアトーワルツ
- Marcha マーチ
1912
1915
作曲年代不明
- Brasileira ブラジレイラ
- Melodia em fá maior メロディーへ長調
- Melodia em lá maior メロディーイ長調
- Peças infantis 子どもの組曲
- Canção 歌
- Manobra militar 兵隊さんの訓練
- Minueto メヌエット
- Insistência おねだり
Alberto Nepomucenoのピアノ曲の解説
1887
- 1ére Suite brézilienne IV, Batuque (Dansa de negros), Reducção para piano pelo autor 第1ブラジル組曲第4番、バトゥーキ(黒人の踊り)、作曲者によるピアノ編曲
ネポムセノはおそらく1887年に《黒人の踊り Dança de negros》という題名でピアノ曲を作曲し、1888年にネポムセノ自身が初演している。そして後のベルリン留学中の1891年に4曲から成る管弦楽組曲《ブラジル風連作 Série brasileira》を作曲したが、この時《黒人の踊り》を管弦楽曲にして《バトゥーキ Batuque》という題名を付けた。(ブラジル組曲は1集のみ作曲されたが、楽譜に「第1」ブラジル組曲と記されているように、ネポムセノは第2集の作曲も考えていたのであろう。)この曲はネポムセノ自身のピアノ版以外にも、作曲家のJoão Octaviano Gonçalves編曲によるピアノ版、ネポムセノ自身によるピアノ連弾版が出版されている。バトゥーキとはアフリカ由来の踊りや音楽の一つで、伝統的には歌と打楽器による音楽にのって集団で踊られる。ネポムセノ以外にもナザレ、ロレンゾ=フェルナンデス、ミニョーネ、ニャタリといったブラジルを代表する作曲家がこのバトゥーキを作曲している。ハ長調、A-B形式。バトゥーキのリズムが延々と続きだんだん盛り上がっていく。和声や構成にもう一工夫欲しかったな~、という気がするが、同じ旋律やリズムが取り付かれたように延々と続くのがバトゥキらしいのかもしれない。後半はへ長調、厳密にはファのリディア旋法になる。- 1ere Mazurka マズルカ第1番
ヘ短調、形式はA-B-A-C-Aと典型的なマズルカ。高音部の3度の旋律が華やかな響き。- Nina nana, Op. 8, nº 1 (Berceuse) 子守歌、作品8-1
ト長調の優しい旋律の曲。資料によっては、《Nina nana》の他に《Berceuse》というピアノ曲があるとされているが、おそらく同一曲と思われる。- Prece 祈り
原曲はチェロとピアノのための曲。ネポムセーノ自身によるピアノ版も有ったようだがそれは失われており、現存するのはバホッゾ・ネット Barrrozo Nettoによる編曲で遺作として出版されたもの(Barrrozo Netto版の楽譜の脚注には「オリジナルはヴァイオリンとピアノ曲」と記されている)。嬰ヘ短調、A-A'形式。静かに祈るような曲。- Une fleur, Romance (Romança) 一輪の花、ロマンス
変ホ長調のロマンティックな小品。可憐な旋律が美しい。資料によっては、《Une fleur》の他に《Romança》というピアノ曲があるとされているが、おそらく同一曲と思われる。1889
1891
- Folhas d'album アルバムの一葉
ネポムセノのベルリン留学中の作品。初版の出版社E. Bevilacqua & Cia.のカタログには1番から6番まであるとされているが、実際出版されたのは1、2、3番のみである。いずれもシューマン風のロマンティックな曲。
- Con molto sentimento
イ長調、A-A-B-A'形式。穏やかな旋律の下で、両手に跨がるアルペジオが美しい曲。- Con moto
変ニ長調、A-A-B-A'-B-A'-C-C-D-D-A-A-B-A'-コーダの形式。Aは快活なアラベスク風。CとDは嬰へ短調になり、物思いに耽るよう。- Andante mosso
変ロ短調、A-B-A'-B-A'-コーダの形式。中音部に陰うつな旋律が奏される。1893
- Sonata em fá menor, Op. 9 ソナタヘ短調、作品9
これもベルリン留学中の作品(1894年作曲という説もある)で、初演は1895年にリオデジャネイロで作曲者自身により行われた。全体的に、低音の使い方など暗く重い響きがブラームス的に思える。
- Allegro con fuoco
構成や転調は典型的なソナタ形式である。提示部は力強く重々しいヘ短調の第1主題と抒情的な変イ長調の第2主題が現れ、展開部は主に第1主題および若干の第2主題が展開し、フーガも現れる。再現部は第1主題とヘ長調になった第2主題が提示部と殆ど変化なく奏されて終わる。- Andante expressivo
変ロ長調の緩徐楽章で、A-B-A'-B'-コーダの形式。長調と言っても暗い響きの曲。- Allegro con spirito
ヘ短調、A-A'-B-A-C-A"-コーダのロンド形式。スケルツォ風だが両手のオクターブが重々しい。- Suite antique (Suíte antiga), Op. 11 古風な組曲、作品11
4曲から成る組曲。ネポムセノがヨーロッパ留学において、如何にバッハなどのバロックの作曲様式をしっかり身に付けたかを示すような良く出来た組曲。しかし、そこから先の自分の個性的な音楽への発展にやや乏しかったのが、彼の作曲家としての弱点だと思わざるを得ないかな。この組曲の初演は1893年にノルウェーのグリーグの家で行われたとのこと。初版はノルウェーのBrødrene Hals社から出版され、後にネポムセノ自身によると思われる改訂版がブラジルのE. Bevilacqua社(現Mangione, Filhos & Cia Ltda.)から出版された。また作曲者自身により〈メヌエット〉、〈エアー〉、〈リゴードン〉の3曲は弦楽オーケストラ用にも編曲された。彼のピアノ曲の中では比較的演奏される機会が多い。
- Prelude (Prélude) 前奏曲
ト短調でバッハの前奏曲風。カノンで始まり、最大四声のポリフォニーとなる。- Menuet メヌエット
2つのメヌエットが I - II - I の順番で奏される。夫々のメヌエットはいずれもA-A-B-A'-B-A'形式。メヌエットIはト長調でトリルを多用した軽快で優雅なメヌエット。メヌエットIIはト短調で両手ともオクターブの重々しい響き。- Air エアー
ト短調、A-A-B-A'形式。バッハ風の悲痛な旋律がゆっくりと奏される。初版のBrødrene Hals版(およびこれを底本としたGoldberg Edições Musicais版)と、後に出版されたE. Bevilacqua版(現Mangione版)ではBの終わりからA'にかけてが異なる(以下の楽譜)。E. Bevilacqua版ではA'で旋律が高音オクターブで弾かれドラマチックである。
Suite antique, Op.11, Air、20〜27小節、Brødrene Hals's Musikforlagより引用
Suite antiga, Op.11, Air、20〜26小節、E. S. Mangioneより引用- Rigaudon リゴードン
ト短調、A-B-A (-コーダの) 形式。活発な両手8分音符の動きはチェンバロで弾きたくなるような曲。Bはト長調になり、三声〜四声のうちのソプラノが優美な旋律を奏でる。E. Bevilacqua版ではコーダが加えられている。
- Valse-impromptu 即興的ワルツ
変ニ長調、A-B-A-C-A-B'-A-コーダの形式。両手の華麗な装飾音やアルペジオが題名通りとても即興的。ただそのアルペジオがややゴテゴテし過ぎでしょっちゅう音楽の進行が滞り、ワルツと呼ぶには踊りにくそうな曲。Cは変ト長調になる。
1894
- Quatro peças lyricas, Op. 13 4つの叙情曲、作品13
ネポムセノのピアノ曲では、一応代表作であろう。
- Anhelo 熱情
ヘ長調、A-B-B'-A'形式。Aは穏やかな旋律と伴奏の和音の後打ちがシューマンっぽい。 Bはニ短調から転調していくところが幻想的な響きだ。- Valsa ワルツ
変ロ短調、A-B-A'-B-A'形式。優雅ながら物悲しい雰囲気のワルツ。Bは、冒頭Aに似た旋律がへ短調で現れ、度々転調しつつ展開される。- Diálogo 対話
変ロ長調、A-A-B-A'形式。これもシューマンを思わせるような甘い旋律が奏される。Bはニ短調になり、付点混じりの旋律が嵐のように奏される。- Galhofeira ガロフェイラ
ネポムセノの名刺代りといっていい佳作。Galhofeiraは「ふざけ屋さん」とか「冗談好き」という意味で女性形の名詞になっている。イ長調、A-B-A'-C-A"-B'-A"' のロンド形式。Aは左手の16分音符の速いショーロのリズムが無窮動のように奏され、それに16分音符の右手の旋律が上から騒々しく降ってくる。速いテンポでズレずに正確に弾くのは結構難しい。Bは嬰ハ長調で、右手のシンコペーションの旋律を飛び越えて左手のスタッカートの対旋律が降りてくるのが面白い。Cは嬰ヘ長調で、楽譜に「囁くように murmurando」と記されている通りpで小休止のように弾きたい。この曲、リズムが楽しいのは勿論のこと、転調も多く飽きさせない。こういった曲をもっと作ってくれれば良かったのにな~。1901
- Thème et variations en la mineur, Op. 28 主題と変奏曲イ短調、作品28
演奏時間約16分の大曲。主題Allegrettoはイ短調、メヌエット風である。第1変奏Vivaceはオクターブと三度重音の変奏。第2変奏Con spiritoは六度重音のアルペジオ。第3変奏Meno mossoはイ長調になり、穏やかな両手アルペジオ。第4変奏Allegroはイ短調に戻り、単音のアルペジオが軽やかに奏される。第5変奏Piú mossoは、オクターブと和音の両手交互打ち。第6変奏Con molto fuoco e prestoは三度の旋律になる。第7変奏Lentoは右手グリッサンドの連続。第8変奏Allegretto scintillanteは跳ねるようなスタッカートの旋律。第9変奏Allegro Energicoは力強い両手オクターブになる。第10変奏Dolente e molto espressivoは右手旋律が十度重音になる。第11変奏Scherzandoはユニゾンの旋律が軽快。第12変奏Giojosoはイ長調になり、旋律が分散和音になって華やかな響き。第13変奏はイ短調に戻り、左手トレモロにのって、右手に三度重音の旋律が奏される。第14変奏Prestoは急速な16分音符スタッカートが力強い響き。1902-1912
- Variations sur un thème original, Op. 29 オリジナルの主題による変奏曲、作品29
演奏時間約23分の超大曲!。まずは嬰ヘ長調の荘厳な主題が教会の鐘のような響きで現れる。第1変奏Animatoは、主題が8分音符で変奏され、所々に技巧的な両手音階のカデンツァが挟まれる。第2変奏Con spiritoは、3連符アルペジオの軽快な変奏。第3変奏Assai animatoは嬰ヘ短調になり、8分音符の両手連打が哀調漂う。第4変奏Largo espressivoは嬰ヘ長調に戻り、シューマン風の後打ちの伴奏にのって抒情的な旋律が奏される。この変奏の後半は左手伴奏が4オクターブのアルペジオとなって派手。第5変奏Scherzandoは嬰ヘ短調になり、トレモロの変奏が軽やか。第6変奏Allegro moderatoは嬰ヘ短調で、トッカータ風の連打音が力強い。第7変奏は、ムゾルグスキーのピアノ曲《展覧会の絵》の中の〈キエフの大門〉を思わせる響きで、左手低音オクターブの全音符は嬰ヘ長調、右手高音のアルペジオは嬰ヘ短調と多調になっているのが興味深い。第8変奏Misterioso e con molta fantasiaは全音音階による3連符の部分と、pppで繊細に奏される右手高音32分音符と全音音階の絡みの部分から成る。ちょっと印象主義風の響きだ。第9変奏I Tempo ma piu lentoは左手中声部に奏される旋律にのって、高音部で16分音符重音アルペジオが川のせせらぎのように奏される。第10変奏Vivacissimoは16分音符が絶え間なく続くトッカータ風。この変奏はずっと多調で、右手ハ長調ー左手嬰ヘ長調、右手変イ長調ー左手イ長調、右手変ニ長調ー左手ト長調~、と転調繰り返しながら不思議な響きが続く。第11変奏All marcatoは嬰ヘ長調に戻り、行進曲のような力強い曲調。転調をしつつ曲は盛り上がり、最後は両手オクターブ和音の連打で華やかに終る。ネポムセノがこの作曲にとても力を入れたことは想像に難くない。が、何度聴いてみても長過ぎて飽きちゃうんだけど.....(素晴しい演奏のCDでも出れば印象が変わるかな?)1904
- Devaneio, Op. 27 n. 1 夢想、作品27-1
変ト長調、A-B-A'形式。印象派にも通ずるような幻想的な響きの、ネポムセノの作曲技法の高さを垣間見るような曲である。Aは空虚五度の左手アルペジオにのって、高音部に長調と短調を揺れ動くような旋律が奏される。Bは楽譜に「弱音ペダルを踏んで una corda」「柔らかく dolcissimo」と記され、高音部に16分音符や32分音符の音階が繊細な響きで奏され、魔法がかったような雰囲気。
- Improviso, Op. 27 n. 2 即興曲、作品27-2
当時のブラジルの音楽雑誌「ルネサンス Renascença」が1904年に催した「第1回ルネサンス・音楽コンクール 1º Concurso de musica da Renascença」で一等賞を受賞した作品。ニ短調、A-B-A-コーダの形式。楽譜の冒頭に「あまり速くなく、しかし情熱的に Non tanto presto, ma con passione」と記されている通りの情熱が駆け抜けるような曲。この曲も後打ちの伴奏がシューマン的。Bは5小節ごとに転調しつつ長調と短調が入れ替わり劇的な響き。- Noturno, Op.33 夜想曲、作品33
A-B-A'形式。最初は変ロ短調のシンコペーションの左手和音にのって、右手高音部に切ない旋律が現れる。中間部は変ホ短調でAgitatoとなり夜想曲らしからぬ嵐のような激しさ。曲の最後は静かにFの和音で終わるのが幻想的。1906
- 5 pequenas peças para crianças (Piano solo para mão esquerda) 子どものための5つの小さな小品集(左手のためのピアノソロ)
ネポムセノは妻Valborg Bangとの間にEivind、Sigurd、Sigrid、Astridの4人の子どもをもうけたが、 Sigrid Nepomuceno (1897-1986) は生まれつき右手がなかったとのこと。娘Sigridのために作曲したこの左手のための組曲は、1907年に11歳のSigridにより初演された。(ちなみにSigrid Nepomucenoはその後パリに留学し、ブラジルに帰国してからは左手のピアニストとして活躍したとのこと。)技術的には初心者向けながら、なかなかロマンティックな作品だ。
- Barcarola 舟歌
ト長調、三度の旋律がのどかな雰囲気。- Melodia メロディー
ト短調、アルペジオの伴奏にのって悲しい旋律が奏される。- Dança 踊り
ト長調、ガボット風の上品な曲で中間部のトリオはト短調になる。- Brincando 遊び
ハ長調、子供が跳ねるようなリズム。中間部はイ短調になる。- Polca ポルカ
ハ長調。中間部はヘ長調になる。1910
- Nocturne For the Left Hand Alone (Noturno Nº 1 em dó maior, Piano solo para mão esquerda) 夜想曲第1番ハ長調(左手のためのピアノソロ)
1917年に《Nocturne For the Left Hand Alone》の題名で、アメリカの出版社G. Schirmerより出版された。1919年に娘のSigridにより初演。A-B-A'-コーダの形式。Aの部分は8分音符のアルペジオが静かな夜想曲だが、中間部Bはハ短調になり、下降する16分音符がドラマチックに盛り上がる。A'は再び静かになり、アルペジオは16分音符になって冒頭の旋律が再現される。1911
- A cigarra (extratos) 蝉
ネポムセノ作曲のオペレッタ《蝉 A cigarra (La cicala)》から一部をネポムセノ自身によりピアノ組曲に編曲したもの。4曲とも楽しく軽い曲。
- Valsa ワルツ
- Cake-Walk ケークウォーク
- Entreato-valsa エントゥレアトーワルツ
- Marcha マーチ
1912
- Noturno Nº 2 em sol maior (Piano solo para mão esquerda) 夜想曲第2番ト長調(左手のためのピアノソロ)
1919年に娘のSigridにより初演。A-B-A'形式。ゆったりとした味わいのある曲で、中間部Bのホ長調の旋律はマーラーを思わせる。1915
- Cloches de Noël (Sinos de Natal) クリスマスの鐘
ネポムセノのピアノ曲の中で唯一の宗教曲である。へ長調、A-B-A'-B'-A"形式。Aは低音ファ-ドのオスティナートが鳴り響く中、高音部から8分音符重音が降ってくるように奏され、途中から中音部にレチタティーヴォ風の旋律が加わる。Bはグレゴリオ聖歌《今日、キリストが生まれた Hodie Christus natus est》の前半が四声のポリフォニーで奏される。A'はレ-ラのオスティナートに変わりニ短調の響きとなる。B'はグレゴリオ聖歌の後半が同じく四声で奏される。作曲年代不明
- Brasileira ブラジレイラ
ハ長調。民謡の旋律が繰り返され、ヘ長調→ト長調→ハ長調と転調しつつ華やかに変奏される。結構ピアニスティックで、民謡が変奏される繋ぎの部分では全音音階が現れたりと興味深いが、大体はI度とV度の繰り返しなのがやや冗長にも聴こえる。- Melodia em lá maior メロディーイ長調
ネポムセノの死後に出版された曲。イ長調、A-B-A'形式。ゆったりとした曲で、旋律は抒情的だが、低音オクターブのバスや、分厚い和音の響きはネポムセノらしく重々しい。