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Juan Bautista Plazaについて

 Juan Bautista Plaza(フアン・バウティスタ・プラサ)は1898年7月19日、カラカスに生まれた。彼の父は銀行員であったが、クアトロ(ラテンアメリカの小型4弦ギターの一種)やピアノを弾き、また母もピアノが上手だったとのこと。プラサは10歳の時にカラカスにあるフランス系の学校 "Colegio Francés" に入学。またピアノやソルフェージュの個人レッスンを受け、16歳の時にはピアノ曲 "Grani di oro, Valzer" を作曲し、また友人の台本を元にサルスエラ "Zapatero a tus zapatos(靴屋、君の靴に)" を作曲し、Colegio Francésのイベントで上演している。17歳でColegio Francésを卒業すると、ベネズエラ中央大学法学部に入学するが約一年で中退、続いて医学部に入学するがやはり興味を持てず(解剖の授業で興味を持ったのは「耳」の複雑な構造のみだったと)約2年でやはり退学している。

 大学では冴えなかったプラサだが、その一方、母校のColegio Francésに行っては音楽を教えたり指揮を執ったりしていた。この頃、イタリア出身の司祭で音楽家のRiccardo Bartoloniがローマ教皇庁よりベネズエラに派遣されていた。当時のローマ教皇ピウス10世は、典礼における伝統的なグレゴリオ聖歌の復活や、教会自身が聖歌隊指揮者やオルガニストの養成をすることを命じた自発教令(Motu Proprio)を発出していた。BartoloniはColegio Francésを度々訪れていて、そこでプラサに会った。プラサの音楽的才能に感嘆したBartoloniは、ベネズエラの典礼音楽の発展のため、プラザをローマのPontificia Scuola Superiore di Musica Sacraへ留学させることとした。カラカス大聖堂より奨学金を得て、プラザは1920年7月、イタリアへ出発した。同年11月から始まったPontificia Scuola Superiore di Musica Sacraの授業では、プラザはグレゴリオ聖歌や和声、作曲、対位法、オルガン、音楽史などを学んだ。またベネズエラの典礼音楽の発展という使命を持って留学している彼は、オルガン建造のワークショップに参加したり、典礼音楽の古い楽譜の調査なども行った。留学中のプラサはホームシック気味であり、また1922年2月に故国の父が亡くなったことなどで精神的に不安定だったようである。それでも約3年の勉強で彼は宗教音楽作曲のディプロマを取得して、1923年8月にベネズエラに帰国した。

 プラサはベネズエラに帰国するやいなやカラカス大聖堂のカペルマイスター(聖歌隊指揮者)に就任し、1948年まで25年間に亘りその職を務めた。典礼ではグレゴリオ聖歌を多く取り入れた。またヨーロッパの作曲家のみならず、ベネズエラの作曲家による典礼音楽も演奏した(1924年にはベネズエラの先輩作曲家Vicente Emilio Sojoの "Misa Cromática" をカラカス大聖堂で初演している)。またプラサ自身、ミサ曲を初めとしていくつもの典礼音楽を作曲した。また1924年にはカラカスのEscuela de Música y Declamaciónの和声と作曲の教授に就任。1930年には混声合唱団 "Orfeón Lamas" を創立し、更には同1930年に創立されたベネズエラ交響楽団 (Orquesta Sinfónica Venezuela) の指揮者の一人として国内外の作曲家の作品を演奏した。1930年にはEscuela de Música y Declamaciónの学生であったNolita Pietersz Rincón (1911-1992) と結婚し、一男二女の子どもをもうけている。

 当時、ベネズエラでは学校での音楽教育というものが殆ど無かった。その状況を憂いていたプラサは音楽教育家としても活躍した。1942年には米国とメキシコを4ヶ月に亘って訪問し、当地の音楽教育を視察した。1944年には文部省の文化芸術長官に任命されたが、過労により体調を崩し1946年に同職を辞任し、4ヶ月の間米国に滞在して静養した。また1945年に設立されたカラカスの国立音楽高校校長(後にJuan Manuel Olivares国立音楽学校と改名)を1948年より務めている。1953年から1954年にかけては妻子と連れヨーロッパに約1年間滞在し、イタリア・フランス・スペインなどの最新の音楽教育を視察した。

 音楽学者としてのプラサは、スペイン植民地時代のベネズエラ音楽の資料の調査・収集に力を入れた。それらの中から12曲がプラサの校訂により、「植民地時代ベネズエラの音楽史料集 (Archivo de música colonial venezolana)」というタイトルで1943年に出版された。プラサの研究成果が本格的に出版されたのは彼の死後で、1990年に280ページから成る本「植民地時代ベネズエラの音楽のテーマ集:バイオグラフィー、分析、資料集 (Temas de música colonial venezolana: biografías, análisis y documentación)」がベネズエラで出版されている。

 プラサは1950年代より気管支拡張症や肺気腫を患い、1960年頃よりは坐骨神経痛に悩まされていた。1962年にJuan Manuel Olivares国立音楽学校校長を退官。1965年1月1日、カラカスで心房細動による脳塞栓により死亡した。

 プラサの作品は楽譜が出版された作品が少なく、手書き譜のみが残っているものが多い。そのうえ彼は厳しい完全主義のため自作品の多くを破棄してしまっているために詳細な作品数が不明で、生涯に約三百曲位を作ったと思われる。カラカス大聖堂のカペルマイスターを25年間務めたプラサは宗教曲が多く、"Misa de Réquiem" (1933) を代表とする多くのミサ曲、モテットを作曲した。合唱曲が多いのが特徴である。管弦楽曲では "El picacho abrupto" (1926)、交響詩 "Campanas de Pascua" (1930)、合唱と管弦楽のための "Las horas" (1930)、弦楽オーケストラのための "Fuga criolla" (1931)、弦楽オーケストラのための "Fuga romántica" (1950) などがある。その他に室内楽曲、ギター曲、オルガン曲などの作品もあり。歌曲も多く、ソプラノ独唱とピアノのための組曲 "Siete canciones venezolanas" (1932) が代表作である。

 プラサは下記の通り(組曲の各曲を1曲ずつと数えて)約60曲のピアノ曲を作った。プラサの音楽活動の中心は宗教音楽であり、彼のピアノ曲を聴いていても何か余興で書いたのかな〜、ちょっと本気度に欠けるかな〜、といった気がしなくもないです。また和音進行など、高度な技法なのか、独りよがりなのかと理解に苦しむ所もしばしば見かけます。それでも、他の南米諸国に比べても作曲の近代化が遅れていたベネズエラのクラシック音楽に様々な新たな技術を吹き込んだ、プラサの功績は大きいです。

 

Juan Bautista Plazaのピアノ曲リストとその解説

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1952-1954

1954

1954-1955

1955

1956

1959

 

Juan Bautista Plazaのピアノ曲楽譜

Fondo Editorial de Humanidades y Educación / Universidad Central de Venezuela / Yamaha musical de Venezuela




  • Clásicos de la literatura pianística venezolana.Vol. 3 Juan Bautista Plaza, Obras completas para piano
    • El día de mi santo
    • Danza incaica
    • Rêverie
    • Meditando...
    • Follaje
    • Romanza en fa
    • Minué melancólico
    • Scherzo
    • Studio fugado
    • Preludio
    • Estudio
    • Sonatina venezolana
    • Miniatura
    • Jiga
    • Fuga cromática
    • Fughetta a 3 voces
    • Nocturne
    • Gavota
    • Cuatro ritmos de danza
    • Berceuse
    • Intermezzo
    • Sonatina (A la manera de Muzio Clementi)
    • Interludio "Lasciate ogni speranza, voi ch'entrate"
    • Toccata
    • Movimiento de sonata
    • El tíovivo
    • Contrapunteo tuyero (Invención a 2 voces)
    • Grani di oro, Valzer
    • Gavota
    • Crepúsculo, Vals
    • Bendita seas
    • Teresitas, Valse
    • Sonrisas de ultramar, Valse
    • Habanera
    • Fantasía - Impromptu
    • La pequeña hilandera
    • Almas de niños
  • Clásicos de la literatura pianística venezolana.Vol. 7 Repertorio nacionalista para dos pianos
    • Prelude
    • Sonata a dos pianos
    • Díptico espiritual
    • Valzer

G. Schirmer

  • Latin-american Art Music for the piano by twelve contemporary composers
    • Sonatina venezolana

斜字は絶版と思われる楽譜

 

Juan Bautista Plazaのピアノ曲CD

星の数は、は是非お薦めのCD、は興味を持たれた人にはお薦めのCD、 はどうしてもという人にお薦めのCDです。

Juan Bautista Plaza - Obras para Piano
Fundación Juan Bautista Plaza

Guiomar Narváez (pf), Juan Francisco Sanz (pf), Dúo Juan Bautista Plaza: Beatriz Klein & Guiomar Narváez (pf)

 

Compositores Latino-Americanos 1,2,3
BBCD 01

  • Cuatro danzas mexicanas (Manuel Ponce)
  • Sonatina venezolana (Juan B. Plaza)
  • Triste número 2 (Eduardo Fabini)
  • Tres danzas afro-cubanas (Ernesto Lecuona)
  • Tres piezas para piano Opus 6 (Alberto Ginastera)
  • Dois estudos folclóricos (Eunice Katunda)
  • Contrastes (Sérgio Vasconcellos Corrêa)
  • Simurg (Mario Lavista)
  • Sonata para Piano (Carlos Guastavino)
  • Dos trozos en el sentimiento popular (Guillermo Uribe Holguín)
  • Leyenda quechua (Eduardo Caba)
  • Yanahuara (Carlos Sánchez Málaga)
  • Los tres padres - tango (Gilberto Mendes)
  • Y ahora? (Coriún Aharonián)
  • Hoy de ayer (Manuel Enríquez)
  • ...selva oscura... (Luis Mucillo)

Beatriz Balzi (pf)

  1984、1986年の録音。Sonatina venezolanaの演奏は、個人的にはこのCDが、テンポにのった溌剌とした演奏で好きです。

 

Días de Mar y Río
Quindecim Recordings, QP087

  • Xochimilco (Manuel M. Ponce)
  • Rapsodia mexicana No. 1 (Manuel M. Ponce)
  • Chôros No. 5 "Alma brasileira" (Heitor Villa-Lobos)
  • Lundú (Camargo Guarnieri)
  • Tres danzas cubanas (Ignacio Cervantes)
  • Dos danzas Afro-cubanas (Ernesto Lecuona)
  • Días de Mar y Río (Arturo Márquez)
  • Sonatina venezolana (Juan B. Plaza)
  • Tres tonadas de carácter popular chileno, Tonada No. 1, 5, 8 (Pedro H. Allende)
  • Taquito militar (Maraino Mores)
  • Tres preludios Pampeanos (Alfonso Broqua)

Arturo Nieto-Dorantes (pf)

 2001年の録音。

 

América a Cuatro Manos
Producciones León, LEON CD 2004

  • Rhapsodie in Blue (George Gershwin)
  • Malagueña (Ernesto Lecuona)
  • Maple Leaf Rag (Scott Joplin)
  • Encaje (Luisa Elena Paesano)
  • Fascinating Rhythm (George Gershwin)
  • Tanguitis (Alfredo Rugeles)
  • Los misterios del corazón (Federico Villena)
  • También lo dudo (Juan Morel Campos)
  • La traviesa (Juan Morel Campos)
  • El ciclón (Juan Morel Campos)
  • Los ñáñigos (Ernesto Lecuona)
  • Lucumí (Ernesto Lecuona)
  • Gino (Juan Bautista Plaza)
  • Los delirios de Rosita (Ignacio Cervantes)
  • La Camagüeyana (Ignacio Cervantes)
  • Los muñecos (Ignacio Cervantes)
  • Lundu (Francisco Mignone)

Dúo Juan Bautista Plaza: Guiomar Narváez (pf), Beatriz Klien Ayala (pf)

 1998年の録音。

 

Juan Bautista Plazaに関する参考文献