Sérgio de Vasconcellos-Corrêaについて

 セルジオ・オリヴェイラ・ジ・ヴァスコンセロス=コヘーア Sérgio Oliveira de Vasconcellos-Corrêa は1934年7月16日、サンパウロで生まれた。12歳の時からピアノを習い、1951年にサンパウロ演劇音楽院に入学し、ピアノに加えて和声・作曲・合唱指揮を学んだ。1954年にはブラジルのピアノ製造会社シュワルツマンが主催するシュワルツマン・ピアノコンクールでファイナリストに選ばれている。

 1956年からはカマルゴ・グァルニエリに約十年に亘り師事。これをきっかけに、ヴァスコンセロス=コヘーアは作曲活動に専念し、ピアニストとしての活動を一旦停止した。

 1962年には管弦楽のための《ピラチニンガ組曲 Suíte Piratininga》がサンパウロ市作曲コンクールで2等賞を得た。1975年には《トランペット・コンチェルティーノ》(1967) がサンパウロ州知事賞を得た。またサンパウロ芸術批評家協会賞を何度も受賞している。

 彼はサンパウロ合唱院、サンパウロ州立パウリスタ大学、カンピーナス大学の教授を務めた。1988年よりブラジル音楽アカデミーの会員である。また1994年にはパウリスタ音楽アカデミー Academia Paulista de Música を創立した。

 1997年より、約四十年ぶりにピアニストとしての演奏活動を再開している。2021年2月現在も、お達者にされているようである。

 ヴァスコンセロス=コヘーアの作品には、劇場作品では未完のオペラ《サンタ・ジョアンナ・カロリナの祭壇画 Retábulo de Santa Joana Carolina》と児童オペラ《チビクエーラ Tibicuera》(1997) がある。彼はいろいろな協奏曲を作曲しており、《ピアノ・コンチェルティーノ》(1967)、《ピアノ協奏曲》(1981)、《ギターのための粗野な協奏曲 Concerto do Agreste para violão e orquestra》(1992)、《ハーモニカ協奏曲》などが代表作である。室内楽曲には《ピアノトリオ》(1964)、《トランペットソナタ》(1968) などがある。また、いくつかの合唱曲を作っている。

 ヴァスコンセロス=コヘーアはまとまった数のピアノ曲を作っている。多くのピアノ曲がポリフォニックな作りで、特に右手一声+左手一声のみから成る曲が目立つ。それらはしばしば教会旋法やその変形を用い、各声部の進行は対位法的な作りであるのに加え、少ない音ながらも和声的に豊かな響きを聴かせる、いわば作曲技法の妙を尽くした作品揃いである。師のカマルゴ・グァルニエリ譲りの不協和音を多用しているが、耳に馴染むようなピアノ曲が多い。

 

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