Edmundo Villani-Côrtesのページ
Edmundo Villani-Côrtesについて
エジムンド・ヴィラーニ=コルテス Edmundo Villani-Côrtes は1930年11月8日、リオデジャネイロの北130キロ位にあるミナス・ジェライス州ジュイス・デ・フォーラ Juiz de Fora に生まれた。彼の父はフルートが吹け、母はピアノが弾け、兄はギターが弾けたとのこと。ヴィラーニ=コルテスは子どもの頃から兄の持っていたギターやカヴァキーニョを弾いて遊んでいた。音楽家としては彼は晩期大成型で、17歳にして初めてピアノを習い始め、22歳でリオデジャネイロに出てブラジル音楽院でピアノを学んだ。
1954年にジュイス・デ・フォーラへ戻り、翌1955年には地元のオーケストラとの共演で、自作のピアノ協奏曲第1番を初演した。彼自身の言によると「このころ私は作曲のレッスンなど殆ど受けたことがなかった。ましてや管弦楽法など全く習ったことはなかった。グリーグのピアノ協奏曲がお手本だった」とのこと。
1959年に歌手のEfigênia Guimarães Côrtesと結婚し、一男二女をもうけている。1960年にはサンパウロに出てカマルゴ・グァルニェリに作曲を師事。ピアニストや編曲家として活動を始めている。1963年には歌手のピアノ伴奏の仕事でアルゼンチンとウルグアイに出かけている。
1968年にはブラジル映画『O Matador』の音楽を作曲。1970年よりテレビ局Tupiでピアニスト・編曲家として働き、千曲以上のポピュラー曲の編曲を手がけた。1973年にはサンパウロ音楽アカデミー Academia Paulista de Músicaで編曲と即興のレクチャーをしている。
1976年には、ブラジルで十二音技法を広めていた作曲家のハンス=ヨアヒム・ケルロイターに作曲を師事した(但しヴィラーニ=コルテスは「ケルロイターからは新しいことを学んだだけではなく、何をすべきでないかを学んだ」と意味深なことを述べている)。また1977年には《管楽四重奏と弦楽五重奏のための九重奏曲 Noneto》でブラジルゲーテ協会コンクール受賞をした。1982年からはサンパウロ州立大学で作曲法と対位法を教え、1999年の退職まで続けた。
1986年にはEditora Cultura Musical作曲コンクールで、ギター独奏曲《気取ったショーロ Choro Pretensioso》(1983) が一等賞、ピアノ曲《リズム1番 Ritmata nº 1》(1985) が二等賞を得た。1990年には歌曲《セシリア・メイレレス連作 Ciclo Cecília Meireles》(1987) でサンパウロ芸術批評家協会 (A.P.C.A) より「1989年のベスト」賞を得た。A.P.C.Aからは1995年に合唱と管弦楽のための《サンパウロの絵葉書 Postais paulistanos》(1995)、1998年に《ビブラフォン協奏曲》(1994) も受賞作に選ばれた。2000年には《フルート協奏曲》がロンドンでコヴェントガーデン交響楽団により初演。同じく2000年にはジュイス・デ・フォーラ市制150年を記念して4重唱と管弦楽のための《テ・デウム Te Deum》(1999) が初演された。
90歳になった2020年現在も、お達者にされている。
ヴィラーニ=コルテスの作品は数百曲にのぼる。彼の作品は上記の経歴通り、ジャズ、ポピュラーからクラシック音楽、民族主義、印象主義、十二音技法まで色々な要素が混じっているのだけど、そのボーダレスな所がブラジルらしいです。
Edmundo Villani-Côrtesのピアノ曲リストとその解説
ヴィラーニ=コルテスの作品には原曲が歌曲やピアノ以外の楽器のために作られ、後にピアノ用にも編曲された曲がいくつもあり、それらの作品の殆どはこのリストに入れていません。
1949-1957?
- Prelúdio nº 1, Moderato 前奏曲1番
ヴィラーニ=コルテスがピアノを習い始めたのは17歳であった1948年頃である。それまでの彼は、ギターやカヴァキーニョの演奏や、彼の優れた「耳」で音楽の響きについては十分に知っていたが、ショパンのピアノ曲を自ら練習することで「調性がどうなっているのか、ショパンは一つの和音から次の和音へとどのように移るのか」を興味津々で理解したとのことである。このショパンの音楽との出会いが彼に初めてピアノ作品となる、9曲から成る「前奏曲」を作る大きな動機になったと思われる。第1番はハ長調。流れるような心地良い旋律が繰り返される。途中で変ホ長調に転調されたりするが、間もなく元のハ長調に戻り静かに終わる。- Prelúdio nº 2, Moderato (1949) 前奏曲2番
変ホ長調。郷愁を感じさせるような旋律が高音部で穏やかに奏される。- Prelúdio nº 3, Lento 前奏曲3番
ニ短調。3連符混じりの、当てもなく彷徨うようなもの悲しい旋律が奏される。- Prelúdio nº 4, Cantabile (con tranquilidade) 前奏曲4番
ヘ長調、A-A'-B-A形式。ハープのような高音部アルペジオにのって、静かな旋律が奏される。長七の和音や属九の和音を多用した、ドビュッシー風の響きの曲。- Prelúdio nº 5, Calmo bem ligado 前奏曲5番
ト長調。低音オクターブと、両手和音によるワルツ風の曲。- Prelúdio nº 6, Allegretto (como o um regato, fluente) 前奏曲6番
ヘ長調、A-A-B-A形式。前奏曲の中でも、和音の美しさでは一番の曲。Aは静かな16分音符アルペジオのみから成り、七の和音や九の和音が遷ろうのが何とも魔法的な美しさだ。Bは旋律が現れ、ここも全音音階や転調などが絶妙な響きである。- Prelúdio nº 7, Allegro 前奏曲7番
ト長調。左手アルペジオの伴奏にのって、右手におおらかな旋律が奏され、転調が頻繁。- Prelúdio nº 8 前奏曲8番
ハ短調。重々しい気分の曲。最後は低音・高音と炸裂するような強打音で終わる。- Prelúdio nº 9, Moderato (1956) 前奏曲9番
変ホ長調。左手和音の伴奏にのって、郷愁溢れるような旋律がしっとりと奏される。1950
- Estudo em nonas 陰気な練習曲
1951
- Estudo fantástico 幻想的な練習曲
1957
- Série Brasileira opus 8 ブラジル組曲、作品8
ヴィラーニ=コルテスの作品では初期のもので、作曲技法はまだ荒削りといった感じだが、「ブラジル」を前面に出した興味深いピアノ曲集で、彼らしい独特の和音は不思議な感覚だ。
- Prelúdio 前奏曲
ト短調。悲し気な旋律がゆっくりと奏される。- Dança 踊り
冒頭のヘ長調の微睡むようなリズムによる第1主題、次は目の覚めるような活発なシンコペーションのリズムの第2主題ーの2つが形を変えながら繰り返され段々と盛り上がっていく。全体的に熱帯の夏の夜の夢をみているような幻想的な踊りのような曲。- Movimento em três por quatro 4分の3拍子の楽章
変ニ長調。しっとりとしたワルツが転調しながら奏される。- Chôro em forma de rondó ロンド形式のショーロ
全曲軽快なショーロのリズムにのった曲で、和音はジャズっぽい。中間部は"IMP.AD LIB."(アドリブで弾くこと)と楽譜に指示がある。1961
- Suíte infantil 子供の組曲
- A pracinha das crianças 子供たちの公園
- O concurso de papagaios オウムの集まり
- O dia de São Bartolomeu 聖バルトロマイの日
- Conversa com o vento 風を語る
1963
- Ponteios nº 1 ao 4 ポンテイオス1~4番
- Baião バイアォン
- Valsa ワルツ
1974
- Dia de descanso (para piano a quatro mãos) 休日(連弾)
1976
- Timbres nº 1 打楽器1番
1976年にヴィラーニ=コルテスは一時的だが、ドイツ出身でブラジルに移住してきた作曲家ハンス=ヨアヒム・ケルロイター Hans Joachim Koellreutter (1915- 2005) に作曲を師事した。ケルロイターは無調主義と十二音技法をブラジルの作曲界に広めた人物であり、ヴィラーニ=コルテスが彼に「ピアノを旋律・和音楽器ではなく、打楽器として作曲してみなさい」と勧められて作った、無調の前衛的な作品である。第1番は演奏時間は1分少々。3音のクラスターとオクターブが時にはゆっくり時には速く、音量もffとppを対比させた曲。- Timbres nº 2 打楽器2番
2分少々で、減二度の音が徐々に増していき、オクターブも加わって、クライマックスは両腕を使っての2オクターブ(右腕で黒鍵を、左腕で白鍵を叩く)のクラスター連打!。- Timbres nº 3 打楽器3番
- Timbres nº 4 打楽器4番
1979
- Tema com variações 主題と変奏
- A catedral da Sé - Prelúdio em estilo Bachiano 大聖堂ーバッハのスタイルによる前奏曲
ニ短調。曲名通りの2~3声とバッハ風の荘厳な和音の曲で、大聖堂を描写しているみたい。ピアノ版以外にオルガン版と室内管弦楽版もある。- Belibá (para piano a quatro mãos) ベリバ(ピアノ連弾)
ベリバとは、ヴィラーニ=コルテスが1975年に手に入れて飼っていた小鳥の名前で、その後この小鳥はフクロネズミに襲われて逃げてしまったと。ベリバの思い出を曲にしたこの作品は、郷愁たっぷりの美しい旋律の曲。変ホ長調、三部形式。- Beiráceas (para piano a quatro mãos) ベイラセアス(ピアノ連弾)
ベイラセアスとは、ヴィラーニ=コルテスによる想像の花の名前とのこと。前半は静かに、後半は3-3-2のシンコペーションのリズムで、モダンジャズ風のクールな響きの曲。1980
- Balada para as flores 花々のためのバラード
変イ長調、三部形式。全曲しっとりとした美しい曲。冒頭は郷愁たっぷりの旋律が静かに奏される。中間部はヘ長調の別の旋律で少し情熱的に盛り上がる。再現部は左手中声部に冒頭の旋律が現れ、最後もこの旋律が何度も名残惜し気に奏される。ピアノ版以外にオルガン版もある。1983
- Prelúdio e fuga 前奏曲とフーガ
1985
- Ritmata nº 1 リズム1番
ニ短調、前奏-A-A'-A"-A"'-コーダの形式。レシタティーヴォ風の前奏に引き続き、Aは左手にシンコペーションの効いたオスティナートの伴奏が続き、それにのってラが♭になっている(ブルー・ノート・スケールに近い)憂うつな雰囲気の旋律がpで奏される。A'は旋律が完全四度の重音になり、対旋律も加わってfで奏される。A"は右手旋律、左手オスティナートの伴奏ともにオクターブとなり、fffでうるさく奏される。A"'は再び静かになり、コーダは高音部に神秘的なアルペジオが鳴って終わる。- Ritmata nº 2 リズム2番
1986
- Ponteio nº 5 ポンテイオ5番
1994
- Pedrinho's boogie ペドリーニョのブギ
- A primeira folha do diário do saci サシーの日記の1ページ目
- Sonata ソナタ
ヴィラーニ=コルテスの二人の孫に献呈された作品。第1楽章Lendaは「昔話を子供に語る光景を描いた」と作曲者自身が語っている。ソナタ形式。ハ長調の第1主題、ト長調の第2主題ともに優しく穏やかな曲調で、響きはドビュッシーの初期を思わせるかな。展開部は両主題がアルペジオの伴奏にのって夢のように奏され、再現部は両主題ともハ長調で静かに終る。第2楽章Cantilenaは一応イ短調だが、半音階的な和音進行が神秘的で、寂し気な雰囲気。サティのジムノペディに似ている。第3楽章のCorrupioとは手を組んでぐるぐる回る子供の遊びのこと。殆ど単音で、時たま2声になるのみの落ち着きない乾いた響きの旋律が上へ下へと奏される。自筆譜では調号はついていないが、変ホ長調から始まりどんどん転調していく。以上、第1楽章はロマンティック、第2楽章は神秘的、第3楽章はちょっと新古典主義な響きと、変わったソナタだな~。
- Lenda 昔話
- Cantilena カンティレーナ
- Corrupio コフーピウ
1995
- Ritmata nº 3 (revisão 2008) リズム3番
1996
- Sonatina ソナチネ
全曲通して僅か2分半位の短いソナチネで、ヴィラーニ=コルテス自身は「ピアノを習って数年の子供のために、たった約30分で作曲した」と述べている。第1楽章Ingênuoはト長調。16分音符の2声の旋律が遊び回るように奏され、すっと消えるように終わる。第2楽章Tristonhoはト短調。これも2声の旋律がしみじみ悲しげに奏される。第3楽章Agitadoはト長調。両手交互連打が騒がしい曲。
- Ingênuo 無邪気に
- Tristonho 悲しげに
- Agitado 興奮して
- Poema brasileiro ブラジルの詩
1997
- Música de Pularia
1998
- Clara クララ
- Prelúdio Op. 2, nº 9, Rítmico com simplicidade 前奏曲、作品2、9番
楽譜に調号は記されていないが、ハ短調の、ソが♭のほぼブルース・スケールの小品。- Prelúdio nº 10, Moderato 前奏曲10番
1978年作曲の《弦楽オーケストラのための5つのブラジルの細密画 Cinco miniaturas brasileiras》の第1曲〈前奏曲 Prelúdio〉を、ヴィラーニ=コルテス自身が1998年にピアノ独奏用に編曲したもの。メロディーメーカーであるヴィラーニ=コルテスのピアノ曲の中でも、屈指の悩ましい調べ?の曲。イ短調、A-B-A'形式。雨がしとしと降るような寂しげな左手伴奏にのって、哀愁たっぷりの旋律が奏される。1981-1998?
- Álbum de chôros ショーロ・アルバム
- Os chorões da Paulicéia サンパウロのショーロ
- O orelha 耳
変ロ長調、前奏-A-A-B-B'-A-C-D-A-A'形式。ズチャンチャの左手伴奏にのって愛嬌ある旋律が奏される。Bはト短調、CとDは変ホ長調になる。- Chôro do João ジョアンのショーロ
- O Gabriel chegou (1997) ガブリエウが来た
ガブリエウはヴィラーニ=コルテスの孫の名前。ト長調、前奏-A-B-B-A-C-C'-A-コーダの形式。可愛らしい孫への祖父の優しい眼差しが伝わってくるような曲。Aは16分音符の旋律が上下して、やんちゃな孫を描いているよう。Bはニ長調になり、ナザレのピアノ曲《アトゥレヴィード》や《オデオン》に現れるようなオクターブ和音の16分音符3連打が続く。Cはハ長調になり、のびやかな旋律の下で、シンコペーションの和音が連打で鳴る。- Chôro urbano 都会のショーロ
- Chôro miniatura ミニチュアのショーロ
- Chôro das madrugas 早朝のショーロ
- Chôro patético 悲痛のショーロ
- Canhoto também tem vez
- Pretensioso, Chôro (1981) 気取って、ショーロ
へ長調、A-B-A-コーダの形式。右手に16分音符の軽快な旋律が奏され、左手は主にブンンチャブンチャッの伴奏だが、時々バイシャリア(ショーロで低弦ギターが主旋律の合間に音階などの短い対旋律を合いの手のように入れること)を思わせる16分音符パッセージが現れる。Bはへ短調など短調混じりの転調が頻繁。1999
- Interlúdio, nº 1, Molto expressivo 間奏曲1番
楽譜の冒頭には「7世紀に亘るムーア人の支配は、イベリア半島の音楽に強い影響を与えた・・・」と記されている。イ短調、A-A'-A形式。サラバンド風で、いにしえに思いを馳せるような響きの曲。- Interlúdio, nº 2, Moderato expressivo - Vivace 間奏曲2番
「ピアノの名人達は、貴族の館での夜のパーティーでその腕前を披露する・・・」と記されている。変ロ長調。ゆったりとした前奏に引き続き、豪華なパーティーを彷彿させるような旋律が急き立てられるように奏される。- Interlúdio, nº 3 間奏曲3番
ハ長調、A-B-B-A'形式。ナザレやシキーニャ・ゴンザーガの時代を思わせるショーロが陽気に奏される。- Interlúdio, nº 4, Lento (saudoso) 間奏曲4番
「たくさんの音、たくさんのファンタジー、たくさんの心、たくさんの喜び、たくさんの郷愁、たくさんのサウダージ、たくさんの優しさ、たくさんの希望、全てたくさん・・・」と記されている。ヘ長調、A-B-A'形式。お洒落な和音の伴奏にのって、穏やかな旋律が奏される。中間部は変イ長調になる。- Interlúdio, nº 5, (com uma certa liberdade) 間奏曲5番
「我々の吸う空気、着る服、会う人々、疑い、信仰、全ては音楽を導き、それは毎日、毎時異なる表情を見せる・・・」と記されている。変ホ長調、A-B-A形式。これもお洒落な和音にのって、夜の情景を思わせるような旋律がしっとりと奏される。2000
- Chôro patético 悲痛のショーロ
2001
- Adágio アダージオ
2002
- Melodia para Luciana ルシアーナのためのメロディー
2003
- Festiva, Valsa 陽気な、ワルツ
変ホ長調、前奏-A-B-A-コーダの形式。1小節=88と楽譜に指定された速いテンポの曲。陽気に跳ね回るような雰囲気の旋律が続く。Bは速いテンポながらも3連符混じりの甘えるような旋律になる。- Saudosa, Valsa 懐かしい、ワルツ
ホ短調、A-B-C-B-A-B形式。所謂「ヴァルサ・ブラジレイラ(ブラジル風ワルツ)」の雰囲気の曲。哀愁を秘めたような旋律が奏される。Aの途中で4小節だけロ長調に転調する所は突飛な響き。Bはテンポを速めて8分音符の旋律が吹き抜けるように流れる。Cはト長調になり、落ち着いた感じになる。2005
- Águas claras 澄んだ水
2006
- Coração latino (para dois pianos) ラテンの心(2台ピアノ)
- A pororóca ポロロッカ
ポロロッカとは、アマゾン川周辺のいくつかの川(アラグァリ川やグアマ川)で見られる海嘯(河口に入る潮波が川を逆流する現象)のこと。ポロロッカは5メートルもの高さの波が逆流して川を上り、数百キロ内陸まで達することもある。A-B-A'形式、強いて言えばト長調。無窮動で続く16分音符が騒がしい曲で、最初は高音部で始まるも、中音部の両手交互連打、低音部からうねるように押し寄せる波のような上行半音階と展開し面白い。- A quarta queda de Jesus 十字架の道行きの第4留
2007
- Rue Ramponeau ランポノー通り
フランスの画家ジャン=ジャック・オスティエ Jean-Jacques Ostier (1945-2011) が2000年に描いたリトグラフ『Rue Ramponeau』に印象を受けて作曲され、オスティエに献呈された。ヘ長調、前奏-A-A'-B-A-A"-コーダの形式。対旋律の半音階進行やテンションコードなどのお洒落な和音が何ともいい雰囲気の落ち着いたワルツ。Bは変イ長調〜ロ長調になる。- Reflexos 反射
2011
- Ânfora アンフォラ
2014
- Choro dengoso 気取ったショーロ
楽譜には「比類のない故エルネスト・ナザレに謹んで敬意を表して」と記されている。ニ短調、A-B-A-C-A-コーダの形式。付点やシンコペーションのリズムで奏される音楽はナザレ風であるが、半音階進行とか、属七の和音に9度や13度を加えたりとかなどはヴィラーニ=コルテスらしいお洒落な雰囲気。Bはヘ長調になり、高音部の16分音符の旋律が煌びやかな響き。Cはニ長調になり、両手オクターブが華やか。- Lili リリ
リリとは、ヴィラーニ=コルテスの義娘でバレエダンサー・振付家であるLiliane de Grammontの愛称である。Liliane de Grammontがバレエのレッスンを授けるのに適した簡単な音楽が無いと言ったのをヴィラーニ=コルテスが聞き、この曲を作ったとのこと。へ長調、A-A'-B-C-A形式。左手3拍子の伴奏にのって、あどけない旋律が奏される。Bはいっとき変イ長調になりロマンティックな雰囲気だ。- Valsa brilhante, em homenagem ao compositor Marcello Tupynambá 華やかなワルツ、作曲家マルセロ・トゥピナンバに敬意を表して
マルセロ・トゥピナンバ Marcello Tupynambá(Marcelo Tupinambáと綴ることも多い、1889-1953)は歌曲やピアノ曲を多数作ったブラジルの作曲家。変ホ長調、A-B-A-C-A-コーダの形式。速いテンポの軽快なワルツの伴奏にのって、右手に8分音符が続く旋律が煌びやかに奏される。Bは変イ長調になり、少しテンポを落として優雅なワルツとなる。Cも変イ長調になるが、ここでは旋律は高音部8分音符に加えて、華やかなオクターブも現れる。2017
- Gugú, Choro esperto! ググ、活発なショーロ!
ヴィラーニ=コルテスのひ孫であるGustavoに献呈された。GugúはおそらくGustavoの愛称であろう。ト長調、前奏-A-A-B-A-コーダの形式。いたずらっぽい前奏に引き続き、速いテンポのシンコペーションの伴奏にのって、16分音符が続く快活な旋律が奏される。Bはホ短調になり、両手共ほとんど16分音符の連続で愛嬌たっぷり。ナザレのピアノ曲を少し思わせる。
Edmundo Villani-Côrtesのピアノ曲楽譜
Irmãos Vitale
- Prelúdio (Série Brasileira op. 8, Nº 1)
- Dança (Série Brasileira op. 8, Nº 2)
- Movimento em 3/4 (Série Brasileira op. 8, Nº 3)
- Chôro em forma de rondó (Série Brasileira op. 8, Nº 4)
- Ponteio Nº 3
- Prelúdio Nº 9
- Timbres nº 1 e 2
Cultura Musical LTDA.
- Ponteio Nº 1
- Preludio Nº 3
- Preludio Nº 4
Ricordi Brasileira S.A.
- Ponteio Nº 2
斜字は絶版と思われる楽譜
Edmundo Villani-Côrtesのピアノ曲CD
星の数は、は是非お薦めのCD、は興味を持たれた人にはお薦めのCD、はどうしてもという人にお薦めのCDです。
Luciana Hamond interpreta Villani-Côrtes - Prelúdios, Interlúdios e Canções para piano solo
- Prelúdio nº 1
- Prelúdio nº 2
- Prelúdio nº 3
- Prelúdio nº 4
- Prelúdio nº 5
- Prelúdio nº 6
- Prelúdio nº 7
- Prelúdio nº 8
- Prelúdio nº 9
- Prelúdio nº 10
- Interlúdio nº 1
- Interlúdio nº 2
- Interlúdio nº 3
- Interlúdio nº 4
- Interlúdio nº 5
- Prelúdio op. 2 nº 9
- Valsinha de Roda
- Alma da Natureza
- Rua Aurora
- Papagaio Azul
- Canção de Carolina
- Balada dos 15 minutos (O Sol)
- Casulo
- Rue Ramponeau
- Luz
Luciana Hamond (pf)
2007、2008年の録音。
Grupo AUM Interpreta Villani-Côrtes
- A Catedral da Sé (Piano)
- Balada para as Flores
- Sonata (Piano)
- Lenda
- Cantilena
- Corrupio
- Fonte Eterna (Contrabaixo e Piano)
- Praeludius Onnibus (Contrabaixo e Piano)
- Choron (Contrabaixo e Piano)
- Ponteio (Flauta e Piano)
- Modinha (Flauta e Piano)
- Valsa (Flauta e Piano)
- Choro (Flauta e Piano)
- Beiráceas (Piano a 4 Mãos)
- Belibá (Piano a 4 Mãos)
- Poranduba (Piano a 4 Mãos)
- O Gabriel chegou (Quarteto)
2001年の録音。
Te Deum
Centro Cultural Pró Musica de Juiz de Fora
- Te Deum
- Papagaio Azul
- 5 miniaturas brasileiras
- Belibá - para piano a 4 mãos - Eduardo Tagliatti (pf), Rafael Nassif (pf)
- Série Brasileira opus 8 - Eduardo Tagliatti (pf)
Edmundo Villani Cortes - OPUS 80
- Concerto N.3 para piano e orquestra
- Ânfora para piano, vibrafone e cordas
- Ritmata N.1
- Ritmata N.2
- Sonata N.1
- Sonatina
Karin Fernandes (pf)
Música, Doce Música, RECITAL
Paulinas COMEP, CD 11727-7
- Fantasia em Dó Menor (Bach)
- Seis Variações sobre a Marcha Turca de "As Ruinas de Atenas" (Beethoven)
- Alborada Del Gracioso (Ravel)
- La Plus Que Lente (Debussy)
- Tocata (Kachaturian)
- Estudo N.º 1 (Nilson Lombardi)
- Pretencioso (Edmundo Villani Côrtes)
- Canção Sertaneja (Camargo Guarnieri)
- Dansa Negra (Camargo Guarnieri)
- Oito Variações e Fuga sobre um tema de Camargo Guarnieri (Osvaldo Lacerda)
- Brasiliana N.º 2 (Osvaldo Lacerda)
- Cinco Variações sobre "Escravos de Jó" (Osvaldo Lacerda)
- Estudo N.º 12 (Osvaldo Lacerda)
Eudóxia de Barros (pf)
1997、1998、1999、2001年の録音。
Compositores Latino-Americanos 7
- Muros verdes (José Pablo Moncayo)
- Estudos Brasileiro - N.º 1 (Cacilda Campos Borges Barbosa)
- Allegro (Silvestre Revueltas)
- Aires nacionales argentinos, op.17 (Julián Aguirre)
- Gato (Julián Aguirre)
- Ponteio N.º 1 (Nilson Lombardi)
- Ponteio N.º 6 (Nilson Lombardi)
- Cenas rupestres, op.173 (Amaral Vieira)
- Sonata Fantasia (Acario Cotapos)
- Ressonâncias (Marisa Rezende)
- Timbre N.º 1 e 2 (Edmundo Villani-Côrtes)
- ...a hombros del ruiseñor (Graciela Paraskevaídis)
Beatriz Balzi (pf)
2000年の録音。
Sonata Brasileira
Odradek Records, ODRCD332
- Sonata in A (André Mehmari)
- Sonata (Camargo Guarnieri)
- Sonatina, Hommage à Francis Poulenc (Marcelo Amazonas)
- Sonata n.1 in C (Edmundo Villani Côrtes)
Antonio Vaz Lemes (pf)
2012年の録音。
Páginas do Piano Brasileiro - Compositores e Intérpretes Brasileiros
- Duas Parábolas (Almeida Prado) - Miriam Ramos (pf)
- Estudo Seresteiro (Edino Krieger) - José Moura (pf)
- Divertimento Giocoso (Amaral Vieira) - André Carrara (pf)
- Lenda Brasileira (Domingos Raymundo) - Harley Elbert (pf)
- Movimentos (Murillo Santos) - Sérgio André (pf)
- Três movimentos em forma de bossa (Luiz Fernando P. Silva) - Pedro Carneiro Silva (pf)
- Tocata (Henrique Duprat) - Paulo Kolb (pf)
- Arcos da Lapa (Ricardo Tacuchian) - Miriam Ramos (pf)
- Reply to Cristopher Buchmann (Ricardo Tacuchian) - Midori Maeshiro (pf)
- Prelúdio 6 (Villani Côrtes) - Sonia Maria Vieira (pf)
- Prelúdio 10 (Villani Côrtes) - Sonia Maria Vieira (pf)
- Micropeças - 7 miniaturas (Randolf Miguel) - Sonia Maria Vieira (pf)
- Tocata de Fé (Fernando Cupertino) - Eudóxia de Barros (pf)
- Estudos 8 e 9 (Osvaldo Lacerda) - Eudóxia de Barros (pf)
Edmundo Villani-Côrtesに関する参考文献
- Música contemporânea brasileira: Edmundo Villani-Côrtes. Centro Cultural São Paulo 2006.