Eduardo Soutoのピアノ曲(歌詞付きを含む)リスト(アルファベット順)
エドゥアルド・ソウトのピアノ曲は調べた範囲で、下記の211曲がリストアップされました。文献として、ウェブサイト Instituto Piano Brasileiro を主に参考にしましたが、他のいくつかの資料も参考にしています。下記のリストの通り、約三分の二の曲に歌詞が付いているのですが、例えば、彼の代表作《山の夜明け O despertar da montanha》はピアノ独奏曲として1919年に作曲・出版されるも、後になってにFrancisco Pimentelにより歌詞が付けられたと言った具合で、ソウトの作品の場合ピアノ独奏曲として作られ、後に歌詞が付けられたという曲が多そうです。そのためこのリストでは、それらの歌曲を含めた全ての作品を載せました。但し、讃歌、応援歌といった歌曲を意図して作られたのが明らかな作品は載せていません。下記の黄色枠のリストはアルファベット順とし、その下の「Eduardo Soutoのピアノ曲の解説」の所を作曲年代順リストとしました。アルファベット順リストの曲名の所をクリックすると、作曲年代順リストの該当曲に飛ぶことが出来ます。
「曲名」のところで斜字で記されている曲は、出版社のカタログなどで曲が存在したことが分かっているものの、現在楽譜が残されていない作品です。また一部の曲では、楽譜が初版された当時の曲名の綴りが現代ポルトガル語とは異なる古い綴りです。その場合、まず初版楽譜の古いオリジナルの表記をそのまま記し、次に括弧内 () に現代ブラジル・ポルトガル語の綴りを併記しました。
アルファベット順リストの「初版年または初演年」については、大部分の作品はおおよその初版年が分かっているのみで、作曲年がはっきりしている曲はごく僅かです。そのため当資料は初版年または初演年の早い方を表記しました。出版はされたもののいつ初版なのかが不明な曲および近年まで未出版だった曲は?と記しました。
Eduardo Soutoのピアノ曲(歌詞付きを含む)の解説(作曲年代順)
楽譜に歌詞のある曲の一部については、歌詞の冒頭の和訳をカギカッコ内に記しました。ポルトガル語に疎い私の訳ですので、訳の内容がチンプンカンプンだったり、誤訳が多々あると思いますがご容赦下さい。
1896
1917-1921
- Marabá, Tango マラバー、タンゴ
- Zaába, Rag-time ザーバ、ラグタイム
ザーバとはアフリカのバントゥー語由来で「叡智の場」と言う意味らしい。この曲はリオデジャネイロのサッカークラブ「フルミネンセFC」が1917年の国内大会で優勝したのを記念して作曲した。変ロ長調、A-B-A-C-A形式。和音で奏される旋律が賑やかな雰囲気の曲。BとCは変ホ長調になる。1918
1919または1919年頃
- Adeus, guitarra amiga, Fado-tango さよなら、愛しいギター、ファド - タンゴ
- A ternura do mar, Valsa lenta (Estylo genuinamente brasileiro) 海の優しさ、ゆっくりしたワルツ(真のブラジルのスタイルで)(詞:Vicente de Carvalho)
詞は楽譜とは別に表紙のページに記されている。ソウトの妻に献呈された曲。イ長調、A-B-A-C-A形式。彼の作品の中でも最も優しさに満ちた曲かな。穏やかな旋律が奏される。BとCはニ長調で華やかになる。添えられた詞は「金色の星々でいっぱいの青い天空に、つれなく冷たい月が浮かび、岩々にぶつかりながら海はこう語った…」と記されている。- Bailado das nymphas (ninfas), Fox-trot 妖精たちの踊り、フォックストロット
- ...E a pobre guitarra morreu!.., Fado-tango ・・・哀れなギターの死・・・、ファド - タンゴ (詞:Mlle. Tell)
へ長調のピアノ独奏版と、変ホ長調の歌詞付きの版が出版されている。A-B-A-C-A形式。AとBの和声はI-V7-V7-Iの繰り返しで、旋律も2小節の同じモチーフの繰り返しだ。Aはオクターブの大仰な旋律、Bは囁くような旋律が奏される。Cはニ短調(歌詞付きの版はハ短調)になる。歌詞は「カンチーガを歌って誓う、君だけを愛す、ギターよ、優しい友よ、他の誰でもない…」と歌っている。- É assim que eu gosto..., Polka genuinamente brasileira 気に入るやいなや・・・、真のブラジルのポルカ
出版譜には「フルートソロにボンバルジーノ(ユーフォニアム)、ブラジルギター、カヴァキーニョの伴奏で」と記されており、ピアノ譜として出版されていても実際の演奏は合奏を想定していたのだろう。ハ長調、A-B-A-C-A形式。軽快な右手旋律の下で、低音部オクターブのバス+中音部の和音連打が鳴る。Bはへ長調、Cはイ短調になる。- Estão verdes!!, Fox-trot 緑色だ!、フォックストロット
- Evocação, Valsa lenta 想起、ゆっくりしたワルツ
変ロ長調、A-B-A-C-A形式。Aは伴奏のバスと和音に挟まれた中音部にゆったりとした旋律が奏される(楽譜には「右手親指でよく歌って演奏を」と記されている)。Bは変ホ長調になり、高音部オクターブの旋律と、十度和音の伴奏がゴージャスな雰囲気。Cはト短調になり、ショパンを思わせるような時々半音階を16分音符で下る旋律が現れて艶やか。- Fôgo de paia, Canção sertaneja 火皿の発火(=一瞬の成功)カンサォン・セルタネージャ (詞:Arlindo Leal)
- George Walsh, Tango ジョージ・ウォルシュ、タンゴ
ジョージ・ウォルシュ (1889-1981) は米国の俳優で、1915年〜1930年頃まで数多くの無声映画に出演し世界的に有名であった。ニ短調、A-B-A-C-A形式。ハバネラのリズムにのってプラルトリラー混じりの悲しい旋律が奏される。Bはヘ長調、Cはニ長調になる。- Íbis, Fado-maxixe トキ、ファド - マシーシ
- Ideal do caboclo, Canção brasileira (Sertaneja) カボクロの理想、ブラジルのカンサォン(セルタネージャ)(詞:Cornelio Pires)
カボクロとは現在ではブラジル先住民と白人との混血者という意味が知られているが、元々は先住民や、白人社会に組み込まれた先住民を指していた。この曲の歌詞はブラジルの民俗学者コルネリオ・ピレス (1884-1958) の著書『ムーザ・カイピーラ Musa Caipira(田舎の女神)』から採られている。ニ短調、A-B-A-B形式。哀愁たっぷりの旋律が切々と歌われる。Bはニ長調になる。- Isto é bom!.., Chôro carioca こいつはいい・・・、リオのショーロ
ニ短調、A-B-A-C-A形式。副題の通り、ショーロ奏者のインタープレイを連想させる曲。Aは右手はカヴァキーニョを思わせる和音を伴った旋律がシンコペーションを刻み、左手は低弦ギターを思わせる対旋律が低音を上下する(下記の楽譜)。Bはニ長調になり、高音部にフルートを思わせる軽快な旋律が現れる。Cはヘ長調になる。
Isto é bom!.., Chôro carioca、1-5小節、Casa Carlos Gomesより引用- Jesus e a viola, Catêrêtê à moda sertaneja イエスとギター、セルタネージャ流のカテレテ (詞:Catullo da Paixão Cearense)
- No batuque, Batuque à moda paulista バトゥーキで、サンパウロ流のバトゥーキ (詞:Arlindo Leal)
- O despertar da montanha, Tango de salão 山の夜明け、サロン風タンゴ (詞:Francisco Pimentel)
エドゥアルド・ソウトの名を有名にし、ブラジルで親しまれている代表作。初版はピアノ曲として出版されたが、後にFrancisco Pimentelにより歌詞も付けられた。ニ短調、前奏-A-B-(A-)C-A-コーダの形式(最近の版によっては括弧()内を演奏しないものもあり)。大振りな前奏に引き続き、何とも粋な“こぶし”混じりの泣かせる旋律がpで歌われる。次のBの旋律はfのオクターブ和音で、激情そのままに歌い上げる感じだ。Cはニ長調になり少し希望を期待させるかな。その後ダ・カーポして“こぶし”のAの旋律が繰り返され、8小節のコーダで終わる。あまりにも分かりやすい?ストレートな旋律といい、ズンンチャチャンチャンという伴奏といい、タンゴというよりかはどうも日本の演歌みたいな雰囲気で‥‥最高にイイ曲です!。- O pranto do fadista, Fado-tango ファド弾きの悲嘆、ファド - タンゴ
ホ短調、A-B-C-A形式。Aは哀愁たっぷりの旋律が静かに奏される。BとCはホ長調で、Bは高音部オクターブの旋律+中音部2分音符の対旋律+伴奏の三階建て。Cは三段楽譜で書かれていて、中音部に主旋律が現れ、高音部に優しく装飾和音が奏される(下記の楽譜)。
O pranto do fadista, Fado-tango、26-29小節、Casa Carlos Gomesより引用- O puladinho, Chôro オ・プラジーニョ、ショーロ
変ホ長調、A-B-A形式。プラジーニョとはブラジルの踊りの一つで、アフリカが起源らしい。速いテンポの陽気な曲。Aは右手旋律・左手シンコペーションの伴奏共に和音連打が多く、楽譜には「よくリズミックにスタッカートで」と記されている。Bはハ短調になる。- Para todos, Samba carnavalesco 皆のために、カーニバルのサンバ (詞:Norberto Bittencourt (K. K. Réco))
リオデジャネイロの新聞 "A Época" の芸能・スポーツ欄を担当していた新聞記者Norberto Bittencourt(K. K. Récoと言うペンネームで執筆していた)とソウトが1919年のカーニバルのために共作した歌。この歌と、同年に発表した下記の《デルフィン様は戻ってくるに違いない》の2曲はカーニバルで人気の歌となり、ソウトのカーニバル音楽の作曲家としての出世作となった。イ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。カーニバルの歌らしい賑やかな曲。Aでは主旋律に合いの手で「アー!」と叫び声が入り、Bでも「チリリン、トラララ」と合いの手が入る。歌詞は「トラララとラッパを鳴らせ、もはや悲しいことなど無い、そしてついに壮麗なモモ王を皆がお祭りで見る、ああ何と素晴らしい、時は狂乱の中、浮かれ騒ぎのカーニバルだ…」と歌っている。この曲のAの旋律は、フランスの作曲家ダリウス・ミヨーが作曲したバレエ音楽《屋根の上の牛》(1919) の後半で用いられた。- Poeta do sertão, Caterêtê à moda paulista セルタォンの詩人、サンパウロ流のカテレテ (詞:Arlindo Leal)
ハ長調、A-B-A-B形式。長閑な雰囲気で歌うような曲。Bの最初はイ短調になる。歌詞は「セルタォンのカボクロは、月明かりの夜に、喜び満足して、ギターを調律する…」と歌っている。- Pourquoi pas?!, Valsa もちろんいいよ、ワルツ
- Presidente Wilson, Rag-time ウィルソン大統領、ラグタイム
- Que massada!!..., Maxixe (com caracter de música Norte-Americana) なんと大変な!・・・、マシーシ(北米の音楽の性格で)
- Relembrando..., Tango brazileiro 思い起こして・・・、ブラジルのタンゴ
- Saudades da cachopa, Fado-maxixe 若い娘のサウダージ、ファド - マシーシ
ハ長調、A-B-C-A-D-A形式。Aは16分音符の旋律が軽快。Bはオクターブの旋律が華やか。Dはハ短調で、ここもオクターブの旋律が華やかだ。- Seu Derfim tem que vortá, Catêrêtê carnavalesco デルフィン様は帰らないといけない、カーニバルのカテレテ (詞:Norberto Bittencourt (K. K. Réco))
上記の《皆のために Para todos》と同じく、Norberto Bittencourtとソウトが1919年のカーニバルのために共作した歌。「デルフィン様」とは、当時のブラジル大統領デルフィン・モレイラ Delfim Moreira のことで、前大統領の任期中に死去したため副大統領を務めていたデルフィン・モレイラが大統領に昇格していた。ニ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。前奏はカヴァキーニョを思わせるシンコペーションの和音連打の下で戯けた旋律が奏される。Aは楽譜に "CANTO" と記され、歌詞は「デルフィン様は帰らないといけない、好むと好まざるにかかわらず、何故ならここ首都では、もはやする事は無いから、デルフィン様よい旅を…」と歌う。Bは "CÔRO" と記され、皆で賑やかに歌うような感じで、「列車は汽笛を鳴らす、発車時間だ…」と歌っている。- Suggestões de um olhar!, Valsa lenta 眼差しの暗示、ゆっくりしたワルツ
変ロ長調、A-B-A-C-A形式。幸せな雰囲気のワルツ。Bは変ホ長調になり、右手オクターブの旋律が華やか。Cはト短調になり、楽譜に「感情を込めて」と記された悩ましい旋律が奏される。- Sul-americano, Marcha-rag-time 南米選手権、マルシャ(行進曲) - ラグタイム (詞:Mlle. Tell)
曲名の南アメリカ Sul-americano とはここではサッカー南米選手権 Campeonato Sul-Americano de Futebol(現在のコパ・アメリカ)を意味していて、1919年の第3回大会ではブラジルが優勝した。楽譜の扉には「ブラジルのサッカー選手を讃え、ブラジルスポーツ連盟に献呈する」と記されている。へ長調、A-B-A-コーダの形式。勇壮な雰囲気の曲。Bは変ロ長調になり、息の長い旋律が奏される。歌詞はブラジル人の強さを讃えるような内容で、歌詞は「ブラジル人よ、常に前へ、沸騰して戦おう、この愛する祖国の空は、輝きで我らを包む、太陽の大地の子ども達よ、死ぬまで戦おう、ブラジル、我らの祖国、勝たなければならない…」と歌っている。- Tem que casá..., Maxixe carnavalesco あなたは結婚しないといけない、カーニバルのマシーシ (詞:Eduardo Souto)
- Tira scisma, Catêrêtê à moda paulista - Sertanejo 高慢の鼻を折る、サンパウロ流のカテレテ (詞:Arlindo Leal)
変ホ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。伴奏は付点リズムがずっと続き、それにのって前奏はフルートを思わせる軽快な旋律、AとBはシンコペーション混じりの陽気な旋律が奏される。- Tristeza, Valsa (estylo genuinamente brazileiro) 悲しみ、ワルツ(真のブラジルのスタイルで)
楽譜の冒頭には「ブラジル女流詩人Maysa Silvaに霊感を受け」と記されている。ハ短調、A-B-A-C-A形式。感傷的な旋律がゆっくりと奏され、ベースで時折バイシャリア(ショーロで低弦ギターが主旋律の合間に音階などの短い対旋律を合いの手のように入れること)が現れ、何ともヴァルサ・ブラジレイラ的でいい(下記の楽譜)。Bの部分はハ長調で少し明るくなり、Cもハ長調で楽譜に "Com saudade" と記され、昔を懐かしむような雰囲気になる。
Tristeza, Valsa (estylo genuínamente brazileiro)、1-14小節、Casa Carlos Gomes より引用- U cumpadri di Araxá, Caterêtê à moda mineira アラシャの友人、ミナスジェライス流のカテレテ (詞:João da Praia)
ミナスジェライス州西部にある町アラシャは温泉のある保養地として知られ、またミネラルウォーターの産地でもある。楽譜には「古い友人の、アラシャの水の販売店のAffonso Lassanceに献呈」と記されている。ハ長調、前奏-A-A-B-A-C-C-間奏-A形式。ハバネラのリズムの伴奏にのって、同じリズムの旋律が続く。Bはイ短調、Cはへ長調になる。- Um baile em Catumby, Legítimo choro carioca カトゥンビの踊り、リオの本物のショーロ
カトゥンビとはリオデジャネイロの地区の名前。ハ長調、A-B-A-C-A-B-A形式。速いテンポの曲で、中音部のカヴァキーニョのストロークを思わせる刻みにのって、低音部に跳ねるような細かい旋律が奏される(楽譜には「最初から最後まで両手を交差して演奏する」と記されている)。Bはイ短調、Cはヘ長調になる。- Visão de pierrot, Valsa lenta ピエロの幻影、ゆっくりしたワルツ
ニ長調、A-B-A-C-A-コーダの形式。ゆったりとした優雅なワルツ。Bはト長調になり、オクターブの旋律が華やか。Cもト長調で、郷愁を誘うような旋律が奏される。1920
- Capichaba (Capixaba), Congo à moda do Estado do Espírito Santo (Norte do Brazil) カピシャーバ、エスピリトサント(ブラジル北部)流のコンゴ (詞:Philomeno Ribeiro)
- De hora em hora, Fado-tango 毎時間、ファド - タンゴ
- No rancho, Caterêtê à moda paulista 小屋の中で、サンパウロ流のカテレテ (詞:Philomeno Ribeiro)
へ長調、A-B-A-C-A形式。Aは16分音符混じりの細かい旋律、Bは朗々と歌うような旋律が奏される。歌詞は「愛しい人、こっちにおいで、タコタコ、動かないで、パゴダに隠れている人…貴女は悪魔だ、まだ私にキスしてくれないの…」と歌っている。- Pois não?!, Samba carnavalesco 勿論です?!、カーニバルのサンバ (詞:Philomeno Ribeiro)
へ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。行進曲調の元気な歌。歌詞は「足を上げて、手を隠して、君が私のことを好きかどうか知りたいんだ、さもなくば、私のローズマリー!、バジル!、君が私のことを好きではないのか知りたいんだ…」と歌っている。-1921または1921年頃
- A esperança (Irmã da saudade), Fado-tango 希望(懐かしい姉妹)、ファド - タンゴ (詞:Bastos Tigre)
ハ短調、歌詞は1番から6番まであるので全部演奏すると前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。嘆くような旋律がオクターブ和音で切々と奏される。Bはハ長調になる。歌詞は「希望とは富、名誉、愛の未熟な夢、空の色をより悲しく変える…」と歌っている。- A saudade..., Fado-tango サウダージ・・・、ファド - タンゴ (詞:Bastos Tigre)
ハ短調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式。左手ハバネラのリズムにのって哀愁たっぷりの旋律がオクターブ和音で奏される。Bはハ長調になる。歌詞は「サウダージ、甘い言葉、あまりの苦悩を表現している、サウダージ、花の香りのするトゲのようだ…」と歌っている。- Bandeirantes, Marcha - Rag-time バンデイランチス(サンパウロ州の人々)、マルシャ(行進曲) - ラグタイム (詞:José Eloy)
- Brincalhão, Rag-time 遊び好き、ラグタイム
- Cabocla do sertão, Sertaneja セルタォンのカボクラ、セルタネージャ (詞:Gastão Penalva)
変ホ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。曲全体で♩♫♩♫のリズムがよく現れるので、フォックストロットの雰囲気の曲。オクターブ和音の伸びやかな旋律が奏される。歌詞は「ああ、セルタォンのカボクラ(の女)のことが懐かしい!、可愛い田舎娘、私のハート!、遠くにいて、私の辛さはなんと悲しいのだろう!、ずっと苦しみ、ずっと泣いている…」と歌っている。- Caboclo magoado..., Catêrêtê à moda paulista 悲嘆に暮れるカボクロ・・・、サンパウロ流のカテレテ (詞:Philomeno Ribeiro e Renato Lacerda)
へ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式。小気味良い付点リズムの伴奏に陽気な前奏に続き、Aは息の長い旋律が奏される。長調ながら曲名通りやや哀愁を感じさせるかな。Bはニ短調になる。- Canção dos pescadores, Barcarola 漁師たちの歌、舟歌 (詞:Philomeno Ribeiro)
- Conheceu papudo?.., Tango brasileiro 知ってました?・・・、タンゴ・ブラジレイロ
ニ長調、前奏-A-B-C-B-C-間奏-A形式。Aは左手のシンコペーションの軽快な伴奏にのって、これもシンコペーション混じりの上行音階の旋律が何とも浮き浮きするような感じで楽しい(下記の楽譜)。
Conheceu papudo?.., Tango brasileiro、1-10小節、Casa Carlos Gomesより引用
Bはト長調になりほぼ和音のみだが、何かの前触れのようなワクワク感がある(下記の楽譜)。
Conheceu papudo?.., Tango brasileiro、22-27小節、Casa Carlos Gomesより引用
Cもト長調で優美な旋律が奏される(下記の楽譜)。異なる性格のA、B、Cの対比が面白い曲に感じます。
Conheceu papudo?.., Tango brasileiro、39-44小節、Casa Carlos Gomesより引用- Desillusão, Canção 失望、カンサォン (詞:Philomeno Ribeiro)
- Divagações, Valsa lenta 放浪、ゆっくりしたワルツ
へ長調、前奏-A-B-C-A-B形式。艶やかなワルツがゆったりと奏される。Aの終わりがニ短調になっているのはちょっと謎めいているかな。Bはオクターブの旋律が高らかに歌い上げるような感じ。Cは変ロ長調になる。- Do sorriso da mulher nasceram as flôres..., Tango de salão (para dançar o tango argentino) 女性の笑顔は花・・・、サロン風タンゴ(アルゼンチンタンゴを踊るために) (詞:Lelio de Aragão)
ピアノ独奏の楽譜と、(後にMangione社から出版された)ピアノ譜の脇にLelio de Aragãoによる詞が記された楽譜の両方が出版されている。楽譜には「ブラジルの女性を讃えて」と記されている。ハ長調、A-B-A-C-A形式。左手はハバネラのリズムの分厚い和音の伴奏。右手旋律は大部分がオクターブで、身振りが派手ながらも女性らしい艶やかな雰囲気をゆったりと描いた曲。Bはヘ長調、Cはイ短調になる。詞は「女性、貴女の笑顔は天国のよう、愛の神の大きな祭壇のよう、そこでは星々は祈りに、歌いに、夢を見にやって来る…」と記されている。- Eu vou-me embóra, Cantiga à moda de Nictheroy (Niterói) 私は帰るよ、ニテロイ流のカンチーガ (詞:Philomeno Ribeiro)
へ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。シンコペーションの伴奏にのって悠々とした旋律が奏される。歌詞は「君を置いて私は行く、悩みながら行く、行く…」と歌っている。- Goiabada, Marcha carnavalesca ゴイアバーダ(グアバようかん)、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Eduardo Souto)
ゴイアバーダとはブラジルのお菓子で、グアバと砂糖を煮詰めて固めた羊羹のようなもの。変イ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ブンチャッブンチャッの伴奏にのって声を張り上げるような旋律が奏される。歌詞は「もうこれ以上食べるのに良いゴイアバーダはない、そんなに傷んでしまって、ポルトガル人ももはや売りたがらない…」と歌っていて、1909年から1910年までブラジル大統領を勤めたニーロ・ペサーニャの政策の失敗を皮肉ったものらしい。- Guanabara, Marcha グアナバラ、マルシャ(行進曲)(詞:Philomeno Ribeiro)
グアナバラとは、リオデジャネイロのあるグアナバラ湾を指している。ニ短調、A-B-A-C-A形式。ブンチャッブンチャッの伴奏は威勢良いが、旋律は哀愁が漂う。Bはへ長調、Cはニ長調になる。ブラジル航海スポーツクラブと海軍予備役に献呈された曲の歌詞は「昇る太陽が、我々が舟を漕ぐのを誘う、人生で最も甘いものは、泳ぐこと、海に居る事、好み喜ばしい事はカヌーを漕ぐ事…」と歌っている。- Jagunço, Rag-time ジャグンソ(用心棒)、ラグタイム
- Mesmo assim!..., Choro à moda carioca しかしながら・・・、リオ流のショーロ (詞:João da Praia)
ニ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。シンコペーションの伴奏にのって陽気な旋律が奏される。歌詞は「私達の時代のここの娘さんたちは、魔法を持っている、ああ神様、…」と歌っている。- Não meixa commigo, seu Honorato!!.., Maxixe carioca 私をからかわないで、オノラート様!・・、リオのマシーシ
ト長調、A-B-A-C-A形式。旋律・伴奏共にシンコペーションのリズムが繰り返される。BとCはハ長調になり、オクターブ和音の旋律が華やか。- Nuvens..., Valsa lenta 雲・・・、ゆっくりしたワルツ (詞:Philomeno Ribeiro)
詞は楽譜とは別に表紙のページに記されている。変ニ長調、A-B-A-C-A形式。冒頭の流れるような旋律は、さながら雲の上を浮かんでいるような心地だ。Bは旋律・和音共にオクターブとなって舞踏会を思わせるような華やかな響き。Cは変ロ短調で、音階の旋律は時折ため息をつくようなフェルマータ混じりなのが切ない雰囲気。- O amor, Valsa lenta 愛、ゆっくりしたワルツ (詞:L. Rinaldo)
- O bandeirante do espaço, Marcha rag-time 空の探検隊、マルシャ(行進曲) - ラグタイム (詞:Bastos Tigre)
- O carnaval, Fox-trot carnavalesco カーニバル、カーニバルのフォックストロット (詞:Eduardo Souto)
変イ長調、A-B-A-B形式。ブンチャッブンチャッの伴奏にのって、「カーニバルほどいいものは他には無い...」と朗々と歌う曲。- Olhos brejeiros, Canção brazileira いたずらな瞳、ブラジルのカンサォン (詞:Honorio de Carvalho)
楽譜の表紙に "piano e canto" と記されているので、この曲は作曲時から歌曲として作られたのであろう。ト長調、A-B-A-B-A形式(Bはリフレイン)。ゆったりとしたハバネラの伴奏にのって艶っぽい旋律が歌われる。Bはハ長調になる。歌詞は「いたずらな瞳、いたずらな瞳、皆が笑ってからかう、狡くて見下すような瞳、皆が言う…」と歌っている。- O Manel e a Maria, Fado-maxixe マネルとマリア、ファド - マシーシ (詞:João da Praia)
ハ長調、歌詞は1番から5番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。愉快な雰囲気の曲。Bはイ短調になる。歌詞は「マリアは魅力的、魅惑の色香がある、神よ私が彼女と結婚する事なく死ぬことからお助け下さい…」と歌っている。- Ontem à noite, Rag-time 昨晩、ラグタイム
- O que os teus olhos dizem..., Valsa expressiva 君の瞳が語っていること・・・、表情豊かなワルツ (詞:Dolores Silva)
詞はピアノ譜の1ページ目と2ページ目の間の余白に記されている。イ短調、A-B-A-C-A形式。切々と歌い上げるような旋律のワルツ。Bはへ長調、Cはイ長調になる。- O succo, Rag-time ジュース、ラグタイム
- opereta "Paixão de artista" オペレッタ「芸術家の情熱」
オペレッタ《芸術家の情熱》は1921年にリオデジャネイロで初演されたことが分かっているが、作品の全体像やソウトの音楽がどの位現れていたのかは不詳である。オペレッタより抜粋されたと思われる下記の5曲がピアノ独奏または歌とピアノ版の楽譜で出版された。
- A elegância, Fox-trot 優雅、フォックストロット
- Beijos, beijinhos e beijocas..., Cançoneta キス、軽いキス、音を立てたキス・・・、カンソネッタ (詞:Edmundo André)
- Caprichos de mulher, Rag-time 女性のカプリーチョ、ラグタイム
- Maria Pereira..., Fado マリア・ペレイラ・・・、ファド (詞:João da Praia)
- Si eu pudesse esquecer-te..., Romance 君のことを忘れることができたら・・・、ロマンス (詞:Philomeno Ribeiro)
- Pembêrê, Chula à moda bahiana ペンベレ、バイーア流のシューラ (João da Praiaにより編纂された有名な詞)
ペンベレとはアフリカ由来のブラジルの外遊びの一つらしい。またシューラとはポルトガルおよびブラジル各地にある民族舞踊・音楽の一つで、バイーア州のシューラはアフリカ由来、すなわちアフロ=ブラジル音楽であると言われている。この曲は1921年のカーニバルでのヒット曲となっている。へ短調、A-B-A-C-A形式。Aは太鼓を思わせる左手オクターブの連打にのって、陰うつな旋律が奏される。Bは変イ長調、Cはへ長調になる。歌詞は「ペンベレ、ペンベラ、ペンベレ、ペンベラ、恋する少女は結婚したい、泣いてる乳飲み子はおっぱいが欲しい…」と歌っている。- P'r'o rei ouvir, Catêrêtê (詞:Totonio)
- Sonho, Valsa lenta 夢、ゆっくりしたワルツ
- Uma festa no Japão, Fox-trot 日本の祭り、フォックストロット
ハ短調、前奏-A-B-間奏-A-C-間奏-A形式。Aの旋律はヘキサトニックでちょっとペンタトニック(五音音階)に近い響きで、また伴奏の♩♫♫♩はのリズムはフォックストロットと言えるが日本民謡風に聞こえなくもない(下記の楽譜)。BとCはハ長調になり、あまり日本っぽくない。
Uma festa no Japão, Fox-trot、5-9小節、Casa Carlos Gomesより引用- Um chôro na Praia Grande プライア・グランジのショーロ
プライア・グランジ市はサンパウロの南にある港町で、ソウトの生まれたサントス市の隣町。ヘ長調、A-B-A-C-A形式。1919年作曲の《カトゥンビの踊り》に似た作りで、低音にシンコペーションが効いた飛び回るような旋律が、中高音にカヴァキーニョのような和音連打が3-3-2のリズムで奏される(楽譜の曲名の下には「トロンボーンとカヴァキーニョを模して」と記され、また楽譜の冒頭には「全曲を両手を交差して演奏する」と記されている)。Cは変ロ長調になる。- Viver dentro de um sonho!.., Valsa lenta 夢の中に生きる・・、ゆっくりしたワルツ (詞:Arlindo Leal)
- When I think of my girls (Quando penso em minhas pequenas), Fox-trot 私が少女だった頃のことを考えた時、フォックストロット
1921年頃-1922
- Carícias, Tango (para dançar tango argentino) 愛撫、タンゴ(アルゼンチンタンゴを踊るために)
- Manda buscá, Marcha carnavalesca 探しに行ってくれよ、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Eduardo Souto)
変イ長調、前奏-A-A-B-C-間奏-A-A-B-C-間奏の形式。浮き浮きするような曲。Bは独唱と合唱の掛け合いになる。- Não sei o que é, Maxixe carnavalesco 何だか分からない、カーニバルのマシーシ (詞:Eduardo Souto)
へ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。軽快なテンポの曲。Aの歌は独唱と合唱の掛け合いになっている。歌詞は「私が持っているものが何だか分からない、見れないものが何だか、何だか分からないパパ、女達が持っているものがママ、全身を身震いさせる、頭から足まで…」と歌っている。- Nêgo véio, Catêrêtê ネーゴ・ヴェイオ、カテレテ (詞:Eduardo Souto)
ネーゴとは黒人 negro を、ヴェイオは velho 年取ったという意味のいずれもスラングで、知人男性を黒人に限らず親しみを込めてネーゴ・ヴェイオと呼ぶらしい。イ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ハバネラのリズム(当時の録音を聞くとやや速めのテンポ)にのって、シンコペーションの効いた緩い雰囲気の旋律が歌われる。-1922または1922年頃
- Ai quem me déra..., Maxixe modinha ああ、こうだったらいいのに・・・、マシーシ・モジーニャ (詞:João da Praia)
- Colibri, Tango (para dançar o tango argentino) ハチドリ、タンゴ(アルゼンチンタンゴを踊るために)
- Espanta o bóde, Samba carnavalesco (詞:Eduardo Souto)
- Eu só quero é beliscá, Caterêtê carnavalesco 私はつまみたいだけ、カーニバルのカテレテ (詞:Eduardo Souto)
変ホ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。前奏は16分音符の旋律で、続く歌も陽気だ。Bは合唱のリフレインとなる。- Meu bem, Maxixe carnavalesco (à moda carioca) 私の愛しい人、カーニバルのマシーシ(リオ流の)(詞:Eduardo Souto)
変ホ長調、前奏-A-B-間奏の形式。Aは左手低音オクターブのリズムにのって旋律が奏される。Bは変イ長調になり、シンコペーションの効いた旋律になる。歌詞は「私はただ惚れ込みたいんだ、愛しい人よ、結婚するのは怖いんだ…」と歌っている。- Só p'ra machucá, Toada à moda mineira 苦しめるためにだけ、トアーダ (詞:Eduardo Souto)
- Só teu amôr, Marcha carnavalesca 貴方の愛だけが、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Eduardo Souto)
1909年から1910年までブラジル大統領を勤めたニーロ・ペサーニャの政策を揶揄した歌詞のようである。この曲は1923年のカーニバルでのヒット曲となっている。ハ短調、前奏-A-B-A-C-間奏-A-間奏の形式。ブンチャッブンチャッの伴奏にのって、ちょっと哀愁漂う旋律が奏される。Bは変ホ長調、Cはハ長調になる。歌詞は「貴方の愛だけが私に喜びをもたらす、それは私が生きている全ての理由、夜も昼も彼のことだけを考えている、彼だけが私に満足を与えてくれる、ああこんな風に生きれたらなあ…」と歌っている。- Tatú subio no pau..., Samba à moda paulista アルマジロは木に登った・・・、サンパウロ流のサンバ (サンパウロのセルタォンの有名な詞)
ソウトはブロッコと呼ばれる(メイン会場以外の)街中でのカーニバル集団のパレードのためにも作曲したが、これはその代表作である。1923年のカーニバルでは人気曲になった。ハ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-間奏-B-間奏-A-間奏-B-間奏の形式。速いテンポの楽しい曲で、前奏の音階をシンコペーションで降りてくる旋律は愛嬌たっぷりで、AとBはともかく陽気である。歌は独唱と合唱が2小節毎に交代するコール・アンド・レスポンスの旋律になっている。歌詞は「アルマジロは木に登った、あなたの嘘だ、トカゲかヤモリか?、そうかもしれない、雌鶏の一番いいのは卵だ、それは美味しい料理になる…」と歌っている。- Trunfo é paus..., Maxixe 切り札はクラブ・・・、マシーシ
-1923または1923年頃
- revista "A Maçã" - Mister câmbio, Fox-trot レヴュー「リンゴ」より:ミスター両替、フォックストロット
レヴュー(ポルトガル語ではヘヴィスタ revista)とは音楽・演劇・舞踏が組み合わさった劇場作品の一ジャンルである。レヴュー《リンゴ》は1923年9月にリオデジャネイロで初演されたことが分かっているが、作品の全体像やソウトの音楽がどの位現れていたのかは不詳である。レヴューより抜粋されたと思われる6曲がピアノ独奏または歌とピアノ版の楽譜で出版された。〈ミスター両替〉は変ロ長調、前奏-A-B-A形式。喜劇らしい能天気で陽気な音楽が奏される。Bは変ホ長調になる。- No mundo da lua, Fox-trot 月の世界で、フォックストロット
エドゥアルド・ソウトのピアノ曲の中でも、私のお気に入りの一曲です。変ホ長調、A-B-C-A-B形式。Aは月の世界の静寂をロマンチックに描くような息の長い旋律だ(下記の楽譜)。
No mundo da lua, Fox-trot、1-10小節、Casa Carlos Gomesより引用
Bでは星が瞬く夜空をゴージャスに両手オクターブで華やかに描いているよう(下記の楽譜)。
No mundo da lua, Fox-trot、23-27小節、Casa Carlos Gomesより引用
Cは一転して左手ストライド奏法にのって、右手オクターブの旋律が陽気に奏される(下記の楽譜)。
No mundo da lua, Fox-trot、39-42小節、Casa Carlos Gomesより引用- O despertar de um sonho..., Tango de salão 希望の夜明け・・・、サロン風タンゴ
ハ短調、前奏-A-B-A-コーダの形式。《山の夜明け》に何か似ているが、より寂しげな雰囲気の曲。Bはハ長調になる。- Piracicaba, Catêrêtê à moda paulista ピラシカーバ、サンパウロ流のカテレテ (詞:Eduardo Souto)
ピラシカーバはサンパウロ州中部にある町の名前。ハ長調、A-B-C-A形式。Aの旋律は左手で奏され、BとCは勇壮な旋律が朗々と奏される。- Viradinho, Caterêtê à moda paulista ヴィラジーニョ、サンパウロ流のカテレテ
ヴィラジーニョとは豆やトウモロコシで作るブラジルの煮込み料理のこと。ハ長調、A-A-B-A形式。左手ズチャンチャズンチャンのリズムはオクターブのバス+広い音程で飛ぶ和音で結構技巧的。Aは賑やかそうな旋律が、Bは高らかに歌うような旋律が奏される。1924
- Amargura, Tango de salão - Canção 苦悩、サロン風タンゴ - カンサォン (詞:Eduardo Souto)
変ロ長調、前奏-A-B-A形式。左手オクターブの伴奏にのって、右手旋律もオクターブで奏され、艶やかな響きだ。Bは変ホ長調になる。- Faiz chorá..., Samba à moda paulista - Sertaneja (詞:Eduardo Souto)
- Não sei dizê..., Marcha carnavalesca (à antiga moda carnavalesca) 私はどう言ったらいいか分からない・・・、カーニバルのマルシャ(行進曲)(古風なカーニバル流で)(詞:Eduardo Souto)
この曲と下記の《神父アダム》は1924年のカーニバルで歌われた。ニ短調、前奏-A-B-間奏の形式。ブンチャッブンチャッの伴奏にのって、ちょっと哀愁漂う旋律が奏される。Bはへ長調になる。- O pae Adão, Marcha carnavalesca (à moda do atual carnaval carioca) 神父アダム、カーニバルのマルシャ(行進曲)(現在のリオのカーニバル流で)(詞:Eduardo Souto)
- Quem quizer ver..., Samba à moda carioca 見たい人は・・・、リオ流のサンバ (詞:Eduardo Souto)
ハ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。シンコペーションが効いたコケティッシュな旋律がオクターブで奏される。Bはへ長調になる。歌詞は「見たい人は、見たい人は、支払わないといけないわ、動かずには、動かずには、入れません、私は人ぞ知るムラータよ、体を揺するのも踊るのも完璧に出来るわ、ああ…」と歌っている。- Si me dé de comê, Sambinha à moda fluminense もし私を養ってくれるなら、フルミネンセ(リオデジャネイロ州)流のサンビーニャ (詞:Eduardo Souto)
ハ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。伴奏のシンコペーションリズムと1小節おきの旋律のリズムが同じ曲。歌詞は「私はマリカからあそこへ来た、お祭りを楽しむために、お嬢さん楽しみましょう…」と歌っている。- Tem que havê combinação, Samba à moda paulista 調和がなければならない、サンパウロ流のサンバ (詞:Eduardo Souto)
変ロ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-間奏-B-B'-間奏-A-間奏-B-B'-間奏の形式(Bはリフレイン)。陽気な曲。歌詞は「正しくある結婚とは、調和がなければならない、白人は白人と、黒人は黒人と、白人が黒人とはノー!…」と歌っていて、人種差別であろう。- Yáyá-yôyô, Caterêtê carnavalesco イアイア・イオイオ、カーニバルのカテレテ (詞:Eduardo Souto)
変ホ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-A-間奏-A-A-間奏-A-A-間奏の形式。右手旋律・左手バス共にオクターブで、派手で陽気な曲。歌詞は「私にはくれないと貴方は言ってる、イアイア、貴方にあげると私は誓ったのに、イオイオ、それなら一緒にあちらへ行こう、イアイア…」と歌っている。-1925または1925年頃
- Cabôclo véio, Catêrêtê à moda paulista 年老いたカボクロ、サンパウロ流のカテレテ (詞:Eduardo Souto)
- Cale a bôca, Canção carnavalesca 黙って、カーニバルのカンサォン (詞:Paim)
- Como há de ser?, Fox-trot どうあるべき?、フォックストロット
変ロ長調、前奏-A-A'-B-間奏の形式。旋律や内声の対旋律が時々付点音符でスウィングしたり、3連符になったりするくだけた感じの曲。Bは変ホ長調になる。- Eu só quero é conhecer..., Catêrêtê carnavalesco 私は知りたいだけ・・・、カーニバルのカテレテ (詞:João da Praia)
ハ長調、歌詞は1番から5番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。旋律は8分音符と4分音符のみで素朴だが、左手伴奏が太鼓を打つような低音オクターブのシンコペーションで楽しい雰囲気。歌詞は「果物が熟れた時、誰もが食べたくなるけど、私はそれほど厚かましくはない、私は知りたいだけ、やあシニャシーニャ、やあシニャシーニャ、隠れることはないよ、私は知りたいだけ…」と歌っている。- Guitarrada, Fado-tango ギター弾き、ファド - タンゴ (ポルトガル語の有名な詞)
変イ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ゆったりとしたハバネラのリズムにのって優雅な旋律が奏される。Bはへ短調になる。歌詞は「若者の胸に、喜びは宿った…」と歌っている。- Mulher barbada, Marcha carnavalesca 髭を生やした女、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Ary Kerner V. Castro)
- O teu olhar, Marcha carnavalesca à moda dos antigos ranchos cariocas 君の眼差し、リオの古いランチョ流のカーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:H. M. B. B. S.)
- Quando me lembro..., Marcha à moda dos ranchos cariocas 思い出す時、リオのランチョ流のマルシャ(行進曲)(詞:João da Praia)
へ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ブンチャッブンチャッの伴奏にのって、ちょっと郷愁を感じさせるような旋律が奏される。歌詞は「昔を思い出す時、君と過ごしたあの時を、二度と戻らぬ素敵な夢の時の…」と恋人を失った現在の寂しさを歌っている。- Que tem... tem..., Samba à moda de Pernambuco 何があった・・・あった・・・、ペルナンブーコ流のサンバ (詞:João da Praia)
1925年頃-1926
- A madrugada, Tango de salão 夜明け、サロン風タンゴ
- Maguas (Mágoas), Tango-canção 悲しみ、タンゴ - カンサォン (詞:Gastão Penalva)
イ短調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-A-B-A-間奏の形式(Bはリフレイン)。ソウトお得意の情熱的な泣かせる旋律全開の曲。オクターブ和音の大ぶりな旋律が切々と奏される。Bはイ長調になる。歌詞は「悲しみ...彼女なしで誰が生きられよう、誰がこの人生を苦しまずにいられるか…」と歌っている。-1926
- Cantiga praiana 海辺の歌 (詞:Vicente de Carvalho)
- Coisa bôa, Samba carnavalesco いい事、カーニバルのサンバ (詞:Ary Kerner V. Castro)
- Mômo, Marcha carnavalesca モモ、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Ary Kerner V. Castro)
「モモ」とはギリシャ神話に由来する架空の王様であるモモ王 Rei Momo のことで、南米ではカーニバルの象徴として毎年一人の男性が選ばれる。へ長調、前奏-A-B-間奏の形式。威勢のよい旋律が奏される。Bは変ロ長調になる。歌詞は「カーニバル万歳、楽しみとお祭りの王様だ、心へと熱情に震え、愛に脈打つ…」と歌っている。- Na roça, Catêrêtê à moda paulista 田舎で、サンパウロ流のカテレテ (詞:Ary Kerner V. Castro)
イ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。浮き浮きするような前奏は16小節と長い。AとBは呑気な雰囲気の旋律がオクターブ和音で奏される。歌詞は「セルタォン(奥地)を離れて君から遠ざかった時、私の哀れな心は苦しみで脈打つ…」と歌っている。- O bicho fallou..., Samba 動物が喋る、サンバ (詞:Eduardo Souto)
- Por que?!, Marcha carnavalesca à moda dos antigos ranchos cariocas 何故?!、リオの古いランチョ流のカーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Fritz)
イ短調、前奏-A-B-A-C-間奏の形式。勇ましい旋律の曲。Bはハ長調、Cはイ長調になる。歌詞は「ツバメは飛んだ、飛んだ、立ち去るのは持って行く、持って行く、…」と歌っている。- Vacca futurista, Marcha carnavalesca 未来の雌牛、カーニバルのマルシャ(行進曲)
楽譜には歌詞はなくピアノ独奏曲となっているが、歌の付いた1926年の録音がある。ハ長調、前奏-A-B-(ダ・カーポの指示のみあり) の形式。Aは陽気な旋律に茶化すような対旋律が重なる。Bはへ長調になる。1927
- Moreninha, Marcha carnavalesca à moda dos antigos ranchos cariocas 可愛いモレーナ、リオの古いランチョ流のカーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Ary Kerner V. Castro)
ニ短調、前奏-A-A'-B-B'-間奏の形式。リズムは行進曲だが、旋律は哀愁漂う。BとB'はへ長調になる。歌詞は「可愛いモレーナ、私の愛しい人、私の綺麗な人…」と歌っている。- Mulher de cueca, Marcha carnavalesca (男性用)パンツを履いた女、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Ary Kerner V. Castro)
ハ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。勇ましい感じの旋律がオクターブ和音で奏される。Bはへ長調になる。歌詞は「女性の熱中は、混乱の時代では、男性を装うことだ、足先から頭まで、服装のモードを変えようとしている、短いスカートの代わりにダブルのコートを着たがる…」と歌っている。- Olhae?!..., Samba carnavalesco (詞:Eduardo Souto)
- Saruê, Sambinha サルエ(オオミミオポッサム)、サンビーニャ (詞:Eduardo Souto)
オオミミオポッサムは有袋類の動物で、見た目は大きなネズミのよう。ブラジルとパラグアイに生息している。ハ短調、前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式。付点リズムの伴奏にのって、♩♫ |♪♩. | が繰り返される旋律が奏される。- Voronoff, Samba carnavalesco ヴォロノフ、カーニバルのサンバ (詞:Ary Kerner Veiga de Castro)
セルゲイ(セルジュ)・ヴォロノフ (1866-1951) はロシア出身でフランスで活躍した外科医。彼は動物の腺組織を人間に移植する手術を多数行い、特に1920年代にチンパンジーの精巣のスライスを人間の陰嚢内に移植し、「若返り手術」として世界的に有名になった(現在ではその有効性はほぼ否定されている)。変ロ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。旋律・伴奏共にシンコペーションが効いた陽気な曲。歌詞は「世の中にもはや老化は無い、この発明の後には、呆けることは決して無い、今や筆記はしっかり出来る…」と歌っている。-1928または1928
- Choróró, Caterêtê à moda paulista ショロロ(ウィリスクロアリドリ)、サンパウロ流のカテレテ (詞:Eduardo Souto)
ウィリスクロアリドリはスズメの仲間の小鳥で、ブラジルのみに生息する。ハ短調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-B-A-B-Bの形式(Bはリフレイン)。前奏は小鳥の囀りのような前打音が鳴る。Aは半音階を下行する旋律が陰うつな雰囲気で、Aの終わりにも前奏と同じ前打音混じりのパッセージが挟まれる。Bはハ長調になる。歌詞は「夕暮れ時の田舎、夜が近づき、ギターを取り溜め息をつく…」と歌っている。- Coisinhas..., Marcha carnavalesca ちょっとした事・・・、カーニバルのマルシャ(行進曲)
楽譜には歌詞はなくピアノ独奏曲となっているが、歌の付いた1928年の録音がある。へ長調、前奏-A-B-間奏の形式。元気な旋律が奏される。- É sim senhor..., Samba carnavalesco そうです、ハイ旦那様・・・、カーニバルのサンバ (詞:Eduardo Souto)
変ロ長調、前奏-A-B-間奏の形式。シンコペーションの続く旋律は陽気な雰囲気。Bは変ホ長調になる。当時のブラジル大統領ワシントン・ルイスを皮肉った、風刺の効いた歌詞は「彼はサンパウロっ子かね?、そうです、ハイ旦那様、偽造されてる?、そうです、ハイ旦那様、宴会好きの奴かね?、そうです、ハイ旦那様、したたかかね?、そうです、ハイ旦那様、彼はエストゥラデイロかね?、そうです、ハイ旦那様…」と歌っている(ワシントン・ルイスはそれまでにサンパウロ州知事などを歴任したが、出身はリオデジャネイロ州である。彼はパーティーとダンス好きであった。また彼は道路建設に熱心であったが、ポルトガル語で道路を意味する「エストゥラーダ estrada」に行為者を表す接尾辞 -eiro を付けて「エストゥラデイロ estradeiro」にすると、道路を徘徊する盗賊とか詐欺師の意味になる)。- Eu vivo assim, Valsa 私はそうやって生きる、ワルツ (詞:Eugênio Fonseca Filho)
変ロ長調、前奏-A-B-A形式。優雅に歌うようなワルツ。Bは変ホ長調になる。- Inverno (As quatro estações do ano), Valsa 冬(一年の四季)、ワルツ (詞:Benedicto Lopes)
ソウトは1928年頃、この《冬》の他に《春》、《夏》、《秋》という曲を作っている。4曲共、見開き2ページの楽譜の1ページ目と2ページ目の間のスペースにBenedicto Lopesによる詞が記されているが、曲中にしばしば現れる高音だったり音域の広い旋律や装飾音符からは歌曲といった感じではないので、これらの4曲はピアノ曲と看做していいと思う。ニ長調、A-B-B-A-コーダの形式。優雅なワルツで、Aは息の長い旋律が奏される。Bはト長調になり、装飾音混じりの8分音符が上下する旋律はショパンを思わせる。- Já sei por que é..., Zabumba (Catêrêtê) だからもう知っているよ・・・、ザブンバ(カテレテ)(詞:Eduardo Souto)
ザブンバとは大太鼓のようなブラジルの民族楽器のこと。変イ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。左手低音オクターブのリズムはザブンバの響きを模しているのだろう。それにのって陽気な旋律が奏される。歌詞は「だからもう知っているよ、お金は紙で出来ている、もう何の価値も無い、オシントン(ワシントン)博士様は、上流の出でいらっしゃる、停車場へ移った…」と歌っている。- Olhos de cabocla, Toada sertaneja カボクラの瞳、トアーダ・セルタネージャ (詞:Eduardo Souto)
カボクラはカボクロの女性のことであろう。トアーダとは主にブラジルの中部〜南部で歌われる民謡の一つのジャンル。変ロ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-間奏-B-間奏-A-間奏-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ゆっくりとしたテンポで静かに切々と歌い上げるような旋律はトアーダらしい雰囲気だ。Bはト短調になる。歌詞は「ああ!カボクラ、もう私を悩ませないでくれ!、私の悲しい悩みを、私の人生、君無しでは、君の愛情無しでは…」と歌っている。- Outomno (As quatro estações do ano), Valsa 秋(一年の四季)、ワルツ (詞:Benedicto Lopes)
変ロ長調、A-B-A-C-C-A形式。詞は楽譜とは別に記されている。Aは静かに落葉が舞うような雰囲気の旋律は趣きがある。Bはト短調になり両手オクターブが劇的な響き。Cは変ロ長調で、8分音符が上へ下へと舞うように奏される。- Primavera (As quatro estações do ano), Valsa 春(一年の四季)、ワルツ (詞:Benedicto Lopes)
ハ長調、A-B-C-B-A形式。詞は楽譜とは別に記されている。Aはオクターブの旋律が豪華な雰囲気。Bはヘ長調になり、舞うように上下する旋律が春らしく軽やか。Cはニ短調になる。- Seu doutor, Marcha carnavalesca 博士様、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Eduardo Souto)
ト長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。陽気な旋律が奏される。この曲と同じ1928年頃に作曲された《そうです、ハイ旦那様・・・》と同様、当時のブラジル大統領ワシントン・ルイスを皮肉った歌である。歌詞は「貧しいブラジルの庶民は、お金を持ってない、ない、ない、金は外国からやって来る、しかし誰もクルゼイロを見ていない、おお!博士様、おお!博士様、腹を立てるな、怒るな、生きていくのは厄介なことさ…」と歌っている(当時、ブラジルの通貨をレアルからクルゼイロに変更する計画があったが、ワシントン・ルイスはそれを却下した。クルゼイロに変更されたのは後の1942年である)。この歌は1928年に上演されたレヴュー《困ったことだ、ルイス様!Que buraco, seu Luís!》の中でも歌われた。- Verão (As quatro estações do ano), Valsa 夏(一年の四季)、ワルツ (詞:Benedicto Lopes)
変ホ長調、A-B-A-C-A形式。詞は楽譜とは別に記されている。Aは上下に舞うような優雅な旋律が奏される。Bは変イ長調になり、右手オクターブの旋律が華やか。Cも変イ長調で、楽譜にAgitatoと記され、ラレンタンドとア・テンポの繰り返しで、テンポルバートをたっぷり効かせながら弾きたい。-1929
- É no tôco da goiaba, Samba グアバの切り株にある、サンバ (詞:José Jannyni (Juca do Norte))
変イ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。サンバらしいノリノリのリズムで陽気な旋律が奏される。Bが変ニ長調に転調するのも、新たな視界が現れるような雰囲気でイイ。歌詞は「私の事を語る人は不満があるのだろう、ことわざを言うんだ、だからジュリーニョ様を望む人は言えるんだ…」と歌っていて、当時の大統領ワシントン・ルイスと次期大統領に推挙されていたジュリオ・プレステスを揶揄する内容である。。- É sôpa!..., Marcha-humorística 朝飯前だ!・・・、ユーモラスなマルシャ(行進曲)(詞:Eduardo Souto)
ハ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。陽気な行進曲が奏される。Bはへ長調になる。歌詞は次期大統領に名乗りを上げていたジュリオ・プレステスとジェトゥリオ・ヴァルガスをサッカーの試合に例えて揶揄した内容である。- Eterna, Canção 永遠の、カンサォン
- Eu quero uma mulher... bem preta, Fox-trot ある素敵な黒人の女性が好きだ、フォックストロット (詞:Eduardo Souto)
ニ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。弾むような4分音符の旋律が陽気に奏される。- Sarárá, Toada sertaneja à moda de Matto Grosso サララ-、マットグロッソ流のトアーダ・セルタネージャ (詞:Eduardo Souto)
ブラジルのポルトガル語でサララ-は、赤茶けた髪のムラート(黒人と白人の混血)などいくつかの意味があるが、この曲での意味は私には分かりません。変イ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ゆっくりとしたシンコペーションの伴奏にのって、子守歌のような穏やかな旋律が奏される。歌詞は「小鳥は静かに巣から離れ、そして孤独で、かわいそう、サララ-サララ-、クイアバに行った、帰ることなく…」と歌っている(クイアバはマットグロッソ州の州都)。- Sonhei, Valsa lenta 夢を見た、ゆっくりしたワルツ (詞:De Chocolat)
ハ長調、前奏-A-B-A-C-A形式。優しく語るような旋律が奏される。Bはト長調、Cはへ長調になる。歌詞は「夢を見た!、夢を見た!、宿命的な幻!、夢で君を抱き締めた、魂を共に、夢で貴女は花の中で…」と歌っている。1929または1929年頃
- Digo já, Marcha carnavalesca 今、言うよ、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Oswaldo Santiago)
- Pedaço de mau caminho, Samba 悪路の連続、サンバ (詞:Oswaldo Santiago)
- Solidão, Valsa lenta 孤独、ゆっくりしたワルツ (詞:Oswaldo Santiago)
変ニ長調、A-B-A形式。Aはゆっくり優しく語るような旋律が中音部で奏される。Bは変イ長調になり、オクターブ和音の旋律が舞踏会のように華やかに奏される。歌詞は「空のように、空の上に、孤独は私の心を覆い塗り込む…」と歌っている。- Viver... morrer... por um amor!..., Valsa romântica 愛のために生き・・・死ぬ・・・、ロマンチックなワルツ (詞:Oswaldo Santiago)
ホ長調、前奏-A-B-A形式。Aは甘い旋律がしっとりと奏される。Bはイ長調になり、情熱的になる。歌詞は「もし人生が光り輝く一輪の花で、その花が優美な魅力を誇示するなら、愛は香水で、あなたに生気を与え、あなたに美しさを譲る…」と甘い台詞が続く。1930
- Hino a João Pessoa, Marcha patriótica ジョアォン・ペソア賛歌、愛国的マーチ (詞:Oswaldo Santiago)
ジョアォン・ペソアとは当時のブラジル東部パライバ州知事の名前である。1929年、ジョアォン・ペソアはリオグランデ・ド・スル州州知事のヴァルガスと組み「自由同盟」を結成し革命運動をしていたが、1930年7月26日、レシフェで暗殺された。パライバ州州都はジョアォン・ペソア市と改名され、この事件により革命運動は更に活発化し、ついに同年10月にヴァルガスは政権を取ることになる。曲はニ短調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-A-B-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。勇壮な曲で、Bはニ長調になる。歌詞は「北の方からやって来た誇り高きヒーロー、祖国から愛を勝ち取り、生きる灯台となり、灯りは点り、そして消えた、ジョアォン・ペソア、ジョアォン・ペソア、勇敢な奥地の子、国じゅうが彼の復活を待っている、ジョアォン・ペソア、ジョアォン・ペソア、その立派な姿は今もブラジル人の心の中で生き続ける…」と歌っている。- No meu tempo éra assim..., Tango 私の若かりし頃、タンゴ
ハ長調、A-B-A-C-A形式。ズンチャチャチャンチャンというやや野暮ったいリズムの伴奏にのって、フルートを思わせる軽快な旋律が奏される。Bはイ短調、Cはへ長調になる。- No reinado da alegria, Marcha 喜びの全盛期に、マルシャ(行進曲)(詞:Oswaldo Santiago)
変ホ長調、A-B-A形式。行進曲のリズムにのって悠々と歌う旋律が奏される。Bは変イ長調になる。歌詞は「音から、色から、私が作りたいこの歌、空から、海から、喜びが着飾っていく…」と歌っている。- Paratí dançante, Chôro à moda carioca パラチーの踊り手、リオ流のショーロ
パラチーはおそらくリオデジャネイロ州西部にある町を指していると思われる。変ホ長調、A-B-C-A形式。Aの右手16分音符の旋律が踊りだすように陽気。Bはオクターブの旋律が高らかに奏される。Cはハ短調になり、カバキーニョを思わせる和音連打の下で旋律が奏される(楽譜では両手を交差して弾くように指示がある)。バンドリン奏者のジャコー・ド・バンドリンは、この曲をレパートリーにしていた。-1931または1931年頃
- Batucada, Marcha popular carioca バトゥカーダ、リオの有名なマルシャ(行進曲)(詞:João de Barro)
バトゥカーダとはサンバの音楽の中で主に打楽器のみで演奏される部分を指す。ニ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-C-A-B-C-A-B-C-A-B-C-間奏の形式(Aはリフレイン)。太鼓を思わせる低音オクターブのリズムにのって勇ましい旋律が奏される。歌詞は「…粋な娘さん、コルダォンの中に入りなさい、お祭りは気晴らしだ…」と歌っている。- Depois que eu te vi, Samba 君に会った後に、サンバ (詞:Eduardo Souto)
変イ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。軽快なシンコペーションのリズムにのりながらも、甘い雰囲気の旋律の曲。歌詞は「君に会った後に、 僕は全く落ち着かない、君の事を考えていると、何をしていたのかも分からない、こっちにおいで、僕を慰めて、こっちにおいで、もう後にしないで、僕はこれ以上悩めない…」と歌っている。-1932または1932
- Gêgê, Marcha de rancho ジェジェ、ランショのマルシャ(行進曲)(詞:Getúlio Marinho)
1932年、リオデジャネイロの新聞 "Correio da Manhã" がカーニバルソングの作曲コンクールを行い、一等賞を得た曲である。当時のブラジル大統領ジェトゥリオ・ヴァルガスの愛称はジェジェであるが、1932年の時点ではこの愛称はあまり知られていなかったので曲名の真相は不明である。ハ短調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-A-B-A形式(Aはリフレイン)。伴奏のリズムは軽快だが、旋律は語りかけるような感じ。Bはハ長調になる。歌詞は「落ち着いてジェジェ、落ち着いてジェジェ、…」と歌っている。- Lá,... No sertão!..., Catêrêtê paulista あの場所、セルタォンで、サンパウロのカテレテ (詞:Eustórgio Vanderley)
へ長調、歌詞は1番2番があるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。軽快なシンコペーションのリズムにのりながらも、牧歌的なのどかな旋律が奏される。Bは変ロ長調になる。歌詞は「夜明けに、あのセルタォンで、牛飼いの歌が聞こえる、熱心に家畜を連れて行く、そして熱心にこんな風に歌う、オーオーオーオー…」と歌っている。- Palpite, Marcha 胸騒ぎ、マルシャ(行進曲)(詞:Noel Rosa)
ハ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Aはリフレイン)。陽気な旋律が奏される。歌詞は有名なシンガー・ソングライターのノエル・ホーザの作で、「胸騒ぎ!、胸騒ぎ!、髄膜炎の頭蓋の中から生まれてきた、君はカトゥンビ地区でのサンバでリンチされた、なぜなら君はグアラニー地区でパンデイロを叩いたからだ…」と歌っている。- Samba nosso, Resa de malandro 我々のサンバ、ゴロツキどもの呟き (詞:Benoit Certain)
1933
- Amor, meu grande amor, Marcha de rancho (詞:Luiz Martins) 愛、私の深い愛、ランショのマルシャ(行進曲)
ホ長調、前奏-A-B-間奏の形式。行進曲のリズムにのりながらも甘い旋律で、特にイ長調に転調したBは「好きだよ amar」と2分音符の伸ばしが繰り返される。歌詞は「聞いて、夜になった、僕は空気の中に女性の香り、花の香りを感じる、夜は愛を誘う、僕達に夢を見せる、愛しい人…」と歌っている。- Modos de mamar, Marcha carnavalesca (詞:Eduardo Souto)
- Terapêutica, Marcha carnavalesca 治療学、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:José Evangelista)
変ロ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Aはリフレイン)。軽快なリズムと旋律の曲。作曲年代不詳(当時の録音が残されている曲は、参考として録音年を記しました)
- A despedida, Canção 別れに、カンサォン (詞:Bastos Tigre)
作曲年は不詳だが、歌曲としての1926年の録音が残されている。変ホ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B形式(Bはリフレイン)。別れの気持ちをしっとりと描いたような、落ち着いた曲。歌詞は「心は引き裂かれる、別れを告げる時に、通り過ぎる時が、別れの苦悩を増している…」と歌っている。- revista "A Maçã" レヴュー「リンゴ」
- Borboletas azues, Tango 青い蝶、タンゴ
- Cantiga (para barytono) バリトンのためのカンチーガ、歌 (詞:Calixto Cordeiro)
作曲年は不詳だが、歌曲としての1928年の録音が残されている。ニ長調、A-B-A形式。ゆっくりした左手♪♩ ♪のリズムにのって、しっとりとした旋律が奏される。Bはロ短調になる。歌詞は「この世界の半分で、貴方の苦悩をいつも歌っている、この世界の半分で、貴方の愛をいつも嘆いている…」と歌っている。- Carinhosa, Schottisch 優しく、ショッティッシュ
ハ長調、A-B-A-C-A形式。プラルトリラー混じりの旋律は愛嬌ある。BとCはヘ長調。- Carnaval frances, Fox-trot フランスのカーニバル、フォックストロット
- Casulos do amôr, Fox-trot 愛の繭、フォックストロット
- Coincidências, Tango 巡り合わせ、タンゴ
- Como eu te adoro, Valsa どのように私が君を熱愛してるか、ワルツ
- revista "Dentro do brinquedo" レヴュー「オモチャの中」
- Eu bem sei que vancê vorta, Toada sertaneja 貴方が戻ってくることを私はよく知っている、トアーダ ・セルタネージャ (詞:Eugenio Fonseca Filho)
- Eu nasci pra você, Samba 私は貴方のために生まれた、サンバ
楽譜はピアノ独奏で歌詞は無いが、歌曲としての1929年の録音が残されている。変イ長調、前奏-A-B-Aの形式。旋律はシンコペーションと2分音符が交互に現れ、甘い雰囲気。Bは変ニ長調になる。- Foi assim..., Valsa そうだった・・・、ワルツ
変ニ長調、前奏-A-B-A形式。中音部オクターブでゆったりと奏される旋律はのどかな雰囲気。Bは変ロ短調になる。- Lança perfume, Tango milonga 香水のスプレー、タンゴ・ミロンガ
- Malditos olhos..., Fado-tango 邪悪な眼差し・・・、ファド−タンゴ (詞:Benedicto Lopes)
作曲年は不詳だが、歌曲としての1929年の録音が残されている。へ長調、歌詞は1番から4番まであるので前奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏-A-B-間奏の形式(Bはリフレイン)。ハバネラのリズムの伴奏にのって、ゆったりとした旋律がオクターブ和音で奏される。Bはニ短調になる。歌詞は「悲しく、痛々しい眼差し、私のことは見つめていない、眼差しは冷たく毒々しい、短刀の切っ先のように…」と歌っている。- Marulhos, Tango (para dançar o tango argentino) 潮騒、タンゴ(アルゼンチンタンゴを踊るために)
楽譜はフルートとピアノの二重奏で書かれているので、ピアノ独奏曲ではありません。ニ短調、A-B-A形式。ピアノの右手とフルートがそれぞれ別の旋律を奏でていて、どちらが主旋律・対旋律ともつかない感じ。左手オクターブのバスはしばしば音階を上下していて、寄せては返す波のようにも聴こえる。Bはニ長調になる。- Mazagão, Rag-time マザガォン、ラグタイム
- Meditando..., Fado-tango 熟考しながら・・・、ファド - タンゴ (詞:Benedicto Lopes)
変ホ長調、歌詞は1番から3番まであるので前奏-A-B-A-B-A-B-後奏の形式。ハバネラのリズムにのってゆったりとした旋律が奏される。Bはハ短調になって情熱的。歌詞は「正確に知れたら、私の狂おうしい苦悩を…」と歌っている。- Money, Charleston お金、チャールストン (詞:Eduardo Souto)
変ホ長調、前奏-A-B-A形式。陽気な旋律の曲。歌詞は「お金、サムおじさん、ドルを、いいよ、とてもいいアメリカン、もう破産だよ、ブラジル、クルゼイロ、おやすみ、…」と歌っている。- Não diz que não..., Marcha carnavalesca ノーとは言ってない、カーニバルのマルシャ(行進曲)(詞:Valdo Abreu)
- No tempo de Salomé, Bailado oriental サロメの時代に、東洋の踊り
- Nunca mais..., Canção もう決して、カンサォン (詞:Heitor Modesto)
- Odaléa, Polka オダレア、ポルカ
変イ長調、A-B-A形式。跳ねるような旋律の曲。Bは変ニ長調、Cは変ホ長調になる。- O geitinho (jeitinho) d'ellas..., Fox-trot 彼女達のジェイチーニョ、フォックストロット (詞:Fritz)
- O rancho vasio (vazio), Sambinha sertanejo 空っぽのランショ、サンビーニャ・セルタネージョ
ランショとは牧場の小屋という意味と、かつて存在したカーニバルのグループを指すこともある。楽譜はピアノ独奏で歌詞は無いが、歌曲としての1928年の録音が残されている。へ長調、前奏-A-B-間奏の形式。呑気な雰囲気の旋律が奏される。- O sabiá, Canção brasileira 哲学者、ブラジルのカンサォン (詞:Goulart de Andrade)
- O violeiro, Cantiga sertaneja ギター弾き、カンチーガ・セルタネージャ (詞:Eduardo Souto)
- Quando a onça bebe agua..., Choro à moda carioca ジャガーが水を飲む時、リオ流のショーロ
イ短調、A-B-A形式。Aは中音部のカヴァキーニョのストロークを思わせる刻みにのって、低音部にシンコペーション混じりの旋律が奏される(楽譜には「第1部は全て両手を交差して演奏する」と記されている)。Bはハ長調になる。- Sanfona, Caterêtê à moda paulista サンフォーナ、サンパウロ流のカテレテ
- Saycan, Marcha サイカン、マルシャ(行進曲)(詞:Bastos Tigre)
- Sem querer, Tango うっかり、タンゴ
- Serelepe, Rag-time 抜け目のない、ラグタイム
変ロ長調、A-B-C-A形式。Aは16分音符の旋律が賑やかで楽しい雰囲気。Bは旋律がオクターブ和音になり華やか。Cは変ホ長調になる。- Seu Cabral gostou..., Catêrêtê カブラル様が好きなもの、カテレテ (詞:Eduardo Souto)
- Sorriso, Tango-canção 微笑み、タンゴ - カンサォン (詞:Bastos Tigre)
- Sublime provação, Valsa-canção 気高い試み、ワルツ - カンサォン (詞:De Chocolat)
1927年公開のフランスの無声映画『エルサレムの苦悩 L'Agonie de Jérusalem』が1929年にブラジルでも『Agonia de Jerusalem』のタイトルで公開されたが、ブラジルでの上映にあたってソウトの作ったこの曲が主題歌として用いられたしい。1929年の録音が歌ありと歌なしでそれぞれ残されている。ハ長調、前奏-A-B-A形式。ワルツと言うよりマズルカ風のゆったりとした曲。Bはイ短調になる。歌詞は「苦しみ、悩み、夜明けから、苦しみ、悩み、これが生きること、感じれること、感動いっぱいで…」と歌っている。- Suggestões de um sorriso, Tango de salão 微笑みの暗示、サロン風タンゴ (詞:Philomeno Ribeiro)
ヘ長調、前奏-A-B-A形式。右手の落ち着いた旋律も左手のハバネラの伴奏もオクターブで、豪華な響き。Bは変ロ長調になる。歌詞は「ああ、女よ、君がいつそのように微笑んでくれるか分からない、私の魂が衝動で苦しむことを…」と歌っている。- Sustenta a nota seu Bandeira!, Catêrêtê その音を伸ばして、その旗を、カテレテ
- Uma festa no arraial, Fox-trot 田舎の祭り、フォックストロット
- Um beijo ao luar..., Valsa lenta 月明かりでの口づけ・・・、ゆっくりしたワルツ (詞:Benedicto Lopes)
へ長調、前奏-A-B-A形式。落ち着いた旋律が中音部オクターブで奏される。Bは変ロ長調になり、夢見るような雰囲気になる。- Um caso sério, Sambinha carnavalesco 重大な事件、カーニバルのサンビーニャ (詞:Eduardo Souto)
- Veneza, Barcarola ヴェネツィア、舟歌 (詞:Eduardo Souto)
- Viola gaúcha, Caterêtê à moda do Rio Grande do Sul ガウショのギター、リオグランデ・ド・スル流のカテレテ (詞:Philomeno Ribeiro)
- Victória, Marcha 勝利、マルシャ(行進曲)(詞:Gastão Penalva)
- Viva Portugal!, Marcha (Canção popular) ポルトガル万歳!、行進曲(民謡)(詞:João da Praia)