Heitor Villa-Lobosのページ
ヴィラ=ロボスは、ブラジルのみならず中南米を代表する有名な作曲家で、日本でもCDはいくつも発売されており、クラシック音楽に多少なりとも興味のある方ならば、2〜3の曲は聴いたことがあると思います。でも、ヴィラ=ロボスの全ピアノ曲を日本語で解説した資料は以外に無く、ネット上でもヴィラ=ロボスについての紹介は断片的なものが殆どなようです。ヴィラ=ロボスは1959年に亡くなっており、2009年は没後五十年で、世界各国で彼を記念した行事が催されました。日本でも、これを機会にヴィラ=ロボスに興味を持たれた方のお役に立てればと思い、このページを作りました。ヴィラ=ロボスの音楽は取っ付き易いとは正直言い難いのですが、一旦好きになると、もう病み付きになります。是非いろいろと聴いてみてはいかがでしょう。よく聴くと、本当にハマりますよ。
- Heitor Villa-Lobosについて
- Heitor Villa-Lobosのピアノ曲リストとその解説
- Heitor Villa-Lobosのピアノ曲楽譜
- Heitor Villa-Lobosのピアノ曲CD・LP
ヴィラ=ロボスのピアノ曲を収めたCDは、今や国内外合わせて多数あります。私も全ては知らないので紹介しきれませんし、ここで全てを網羅するつもりもありません。ここではCDの収録曲のメインがヴィラ=ロボスのピアノ曲であるものや、ブラジルで発売されていて日本ではあまり知られていないCDを中心に、私が実際に聴いた範囲で紹介してあります。- Heitor Villa-Lobosに関する主な参考文献
- David P. Appleby. Heitor Villa-Lobos: A Life (1887-1959). Scarecrow Press 2002.
私がヴィラ=ロボスのバイオグラフィーを纏めるにあたって、基本の資料として用いた本。ヴィラ=ロボスは、インタビューなどではあることないことを語っては回りを煙に巻くのが好きだったので、その辺の話の真偽も含めて冷静に分析したこの本は、読んでいて個人的に信頼感を感じます。- Lisa M. Peppercorn. The world of Villa-Lobos in pictures and documents. Scolar Press 1996.
バイオグラフィーとして書かれている部分はさほど多くないが、その代わり、ヴィラ=ロボスの演奏会のプログラムや、彼について報じる新聞などを多く載せており、資料集として使える。また、ヴィラ=ロボスに関係した人物や出来事を、膨大な脚注に記しているのも有用。- Villa-Lobos : sua obra, 4. ed. Museu Villa-Lobos 2021.
リオデジャネイロのヴィラ=ロボス博物館が編纂した、ヴィラ=ロボスの全作品カタログで、2021年刊行の最新版は1965年、1972年、1989年、2009、2018年版に次ぐ版になる(2009、2018年版は1989年版の修正の扱いで、2021年版を第4版としている)。全作品を楽器編成順→アルファベット順に分類。ヴィラ=ロボス博物館 Museu Villa-Lobos のウェブサイトのここからダウンロードできます。- David P. Appleby. Heitor Villa-Lobos: A bio-bibliography. Greenwood Press 1988.
こちらもヴィラ=ロボスの全作品カタログ集。全作品を作曲年代順に通し番号を付けていて、こちらの方が検索しやすい本に思えます。- Vasco Mariz. Heitor Villa-Lobos: Life and work of the brazilian composer. Brazilian amarican cultural institute 1970.
Vasco Marizは、ブラジルの音楽学者で、かつては外交官でもあった。ヴィラ=ロボスと親交のあったブラジル人の書いたエッセイで貴重。彼はヴィラ=ロボスに心酔していたのであろう。「真のブラジル民族主義音楽はヴィラ=ロボスの出現によって出てきた」とまで書いていて、ちょっと褒め過ぎかなと私は思いますが‥‥。- アンナ・ステラ・シック著:白いインディオの想い出/ヴィラ=ロボスの生涯と作品、トランスビュー、2004年
アンナ・ステラ・シック Anna Stella Schic (1925-2009) は、ブラジル出身のピアニスト。ヴィラ=ロボスのピアノ曲全集のCDも録音している。作曲者と直接親交のあったの彼女ならではの、ヴィラ=ロボスの人間像に迫るような面白い内容で、また話はヴィラ=ロボスに留まらず、彼女自身の音楽論・芸術論が幅広く語られている。彼女がヴィラ=ロボスのピアノ曲「野生の詩 Rudepoêma」について、「白状すると、この作品は好きな一曲とは言えない」と述べるあたり、ヴィラ=ロボスを尊敬しつつも、自分の感性と意見をはっきり持っている所が、私個人的には好感を覚えます。鈴木裕子さんの訳は、ブラジル音楽に造詣の深い訳者らしく、注釈や参考文献に至る隅々まで的確に記されていて、日本語で読める研究資料としてもお薦めです。- アルトゥール・ルービンシュタイン著、木村博江訳:ルービンシュタインの自伝/神に愛されたピアニスト (上)、共同通信社、1983年
アルトゥール・ルービンシュタイン (1887-1982) が1980年に完成させた自伝。口述筆記でまとめられ、しかも92歳という高齢で記された本であり、口述された内容の年代表記がほとんど無く、また記録の年代が進んだり戻ったりして、何年の時の話をしているのかが不明な所が多いのが玉にキズ。しかしそれを割り引いても、長年に亘りヴィラ=ロボスと直接親交のあったルービンシュタイン自身が語るエピソードは貴重な資料となっている。- ムジカノーヴァ1987年12月号、<特集>生誕100年記念/ヴィラ=ロボスのピアノ曲、音楽之友社
日本の音楽雑誌でも時々ヴィラ=ロボスが取り上げられることがあるが、この特集はヴィラ=ロボスと彼のピアノ曲について、ピアノ曲作品リストも含めよくまとまっている。特に、前日本ヴィラ=ロボス協会会長の故 村方千之氏が書かれた「エイトール・ヴィラ=ロボスーその生涯と作品」は、私がヴィラ=ロボスのページを作るに際してのお手本のような記事です。- 宮崎幸夫 校訂・監修:ヴィラ=ロボス ピアノ曲集1・2・3・4・5・6、カワイ出版、1987-1998年
ヴィラ=ロボスのピアノ曲の内、Max Eschig社が独占出版している曲以外のほとんどの作品を全6巻に収載。各曲の解説はもちろん、初心者向けのピアノ曲では、演奏者のためのアドバイスも記されています。- 木許裕介 著:ヴィラ゠ロボス ブラジルの大地に歌わせるために、春秋社、2023年
日本人が書き下ろした、本格的なヴィラ=ロボスの評伝と言える書。後半の作品総論ではヴィラ=ロボスの膨大な作品の多くを分析している。ヴィラ=ロボス研究家の市村由布子さんからは、ヴィラ=ロボスに関する多数の文献を頂きました。この場を借りて深くお礼申し上げます。市村由布子さんのウェブサイト「The Villa-Lobos News Japan」はここです。